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「ガンジス川で信用について考えた話」

こんにちは、たくとです。
気温は高くないのに、じっとりと湿った空気にまとわりつかれ、
「これが梅雨か」とやられている今日この頃です。

今回は4ヶ月ごしに、僕の初海外インド1人旅について書きたいと思います。
約2週間の一人旅、道中たくさんの出来事がありましたが、他のことに関してはまた改めて書きたいと思います。ではどうぞ。




第1章 バラナシ到着とあるおじさんとの出会い

入国したデリーで空港泊をし、早朝の国内線飛行機で1時間半。
インド最大のヒンドゥー聖地、バラナシへ到着。
初海外、前日も空港泊のために、実質初めてのインドの陸地。
この旅について決めていたことは3つだけ。
①日本行き帰りの飛行機
②デリーからバラナシまでの国内線飛行機
③バラナシ1泊目の宿と空港までピックアップしてもらうこと

ここでインドの洗礼を受けました。
「え、ピックアップの人いないんだけど。。。」

空港を出るとタクシーの声かけがガンガンくることは地球の歩き方に書いてあり、しょっぱなからこれはしんどいなぁと思っていたからピックアップ頼んだのに、まさかのいない。
「日本語であなたの名前を印刷した紙を持ったインド人がいます。」
ってメールに書いてあったのに、、、インド、、、、


(ゲートで待ち構えるタクシーの運転手。めっちゃ声かけてくるやつ)


まぁ遅刻やろと思い、待つこと40分くらい・・・・来ない。

なんとかして予約した宿に、メールとMessengerを送る。
意外にも既読は早く、「渋滞に巻き込まれているから、待っていてくれ」とのこと。

待つこと追加で40分くらい。怪しげなインド人が近寄ってくる。
どうやら僕の名前を知っている見たいだったので、信用して乗ってみる。
後部座席にはインド人×2人。車の中で一緒になった彼らに色々教えてもらう。

「インドで何かを聞くとき、買うときは、周りの3人に聞くと良いよ」
インド人でもそういうらしい。この人は信用できそう。
インドに来たら見てみたかったカースト制についての話。
まだまだ残っているらしい、この後2週間の旅でバラナシは一番意識したかもしれない。

急に交差点で降ろされて、よくわからないおじさんに引き渡される。
しかもこの人日本語結構話せる。

これがバダルとの出会いでした。 



第2章 唯一知っていたインド人

さて、この人が誰なのか。
とりあえず予約していた宿に連れて行ってくれるみたいなのでついていく。
ここで僕がインドに来る前に唯一聞いていたインド人について思い出す。

僕がインド行きを決めたきっかけには、姉的親友の存在が大きかったのです。
彼女からインドに行く前に 

もしバダルがいたらよろしくいっておいて。

と言われていたのをこの時急に思い出して、もしかしてと思いこのおじさんに聞いてみる。 
するとなんと彼がバダルだったというミラクル。初海外初インドの僕疑いすぎてなんども確認する。彼から姉的親友のFacebook見せられて、この人を信じることとなる。(この道中疑いすぎて、姉的親友に「この人信用できる人?」とLINEをする) 


第3章 バダルがしてくれたこと

晴れて彼がバダルだとわかったところで、お昼に連れて行ってもらうことに。
彼の普段の仕事はツアーガイドらしい。バラナシだけでなく、デリーやアグラ、ガヤ、インド中どこでもガイドをするらしい。日本語が堪能すぎて驚いた。普通に会話ができる。数年前まで「地球の歩き方」にも載っていたらしいけれど、有名になりすぎて「偽バダル」が登場して困っているらしい。

そんな彼には本当にたくさんお世話になることに。
ガンジス川の案内、学校に行けない子供達の寺子屋的ところでのボランティア的なこと、バラナシの美味しいお店紹介、、、何より、全く決まっていなかったインド国内の旅程と電車の手配を大きく手伝ってもらうことに。
インドの電車、直前すぎて意外と空きがない。インドに行きたかったので、国内で行きたいところもそんなにない。という状況で一緒に考えてくれたのです。

 

(ガンジス川をバックにはしゃぐ僕)

子供に算数と英語を教える。海外のボランティアと言っても1日2日くらい体験目的で教えにきている人が多くいて(もちろん僕もそのような分類なのだけれど)、もっと子供たちのレベルに合わせた学びができればいいのになぁと感じた。

2日間くらい友達の友達ってことで、案内してくれて(ツアーだと1日1万円くらいするらしい)、こんなに親身に考えてくれて、インドもいい人いるやん。この人いい人すぎるやん。と思うと同時に、親切すぎて怖くなっている自分もいました。 



第4章 インド=騙される国

インドってどんなイメージですか?電車に満杯に乗った人、カレー、タージマハル、話しかけて来るぼったくり、騙される、ぼったくられる、薬盛られる、もしかしてもっと怖い?

インドに行く前、ネット上で調べれば調べるほど出てくる「騙された」の声。

バラナシ最後の夜。バダルに用意してもらったチケットを受け取りに、彼のやっている洋服屋さんへ。チケット自体はすぐ見せてくれて、お金と交換することができた。その後、「まぁ座っていきなよ」と奥の部屋へ案内される。

奥の小部屋に入り、チャイをもらう。コメみたいなお菓子を広げ、「食べなよ」と誘ってくれる。
気づいたら部屋出口には、彼のお店の店員が何人か座っている。
奥の部屋に連れて行かれ、食べ物を出され、出口が塞がれている、、、、

「あれ、これネットで見たやつだ」

ーーインド人は何日もかけて観光客と仲良くなり、親切にして心を許してもらい、最後の最後にごっそり騙す。お金もパスポートも荷物も盗みますーー

ここで、このチャイに睡眠薬が入っていて、だんだん眠くなっていき、気づいたらどっかの道路に捨てられているかもしれない。と考えると、だんだんと怖くなってきて、「早く出なきゃ、この状況はやばい」とだんだんと焦る自分がそこにいました。

「親友がいい人と言っていた」からと言って、自分にとって本当に信用できる人かはわからない。インド人ならそんなの関係ないかもしれない、親友がたまたま被害にあわなかっただけかもしれない、、、と考えると、コメみたいなお菓子を食べる手を進めることもできなくなり、どうにかして、刺激しないようにこの場を潜り抜けるか、を考えていました。ヒンディー語で話しながらニヤニヤしていた彼らをみて、「俺が言葉わからないからって、もしかしてなんか騙すことを話してるのかも。」と思い、無駄に会話わかってるよアピールとかいう無駄すぎる抵抗をしたりしました。

「じゃあ、そろそろプジャーに行かなきゃ」

と意を決して、切り出す。

すると・・・思っていたよりも圧倒的にあっさりと普通に返してくれた。
「え、こんなことってある?」
さっきまで頭の中で、ガイドブックの騙されるパターンを何周も何周も描いていた自分にとっては拍子抜けするほどあっさりと返してくれたことに、呆然となる。

第5章 信用ってなんだ

信じるってなんだろう。全部疑ってかかることが正しいことでもないのかもしれないと思った。何を信じればいいのかわからなくなった。

この日の夜に日記に記していた文章です。
インド最初の都市、バラナシで感じたこと。

「信用ってなんだ」

もちろんインド人が全員騙すわけではないし、いい人がいるのもわかる。その一方で騙す人がいるのもわかる。何を信じて何を疑うべきなのか。インドに行ってこの感覚がわからなくなりました。
ただ、唯一感じたこと
自分の信頼している人が大丈夫って言ったことは、かなり大きいのかもしれない。
人によって信用の基準はあると思うけれど、
自分が心から信用している人が信用している人や物、
自分が心から好きな人がいいねと言っている人や物、
僕にとって、これはかなり大きい信用の基準になるのだという気付き。


同時に自分自身が、誰かを何かを「紹介する」ということを
半端な気持ちでしてはいけない。 

18歳 海外1カ国目インド
ガンジス川を見ながら考えたことは
何を信じて生きていきたいか、
何が自分にとって大切なのかでした。

この時期にここに行けて、この出来事があって、この気持ちに出会えてよかったです。

2019.6.21



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