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ポジショナルフットボール教典

今回は読書感想文です。題材は「ポジショナルフットボール教典」です。唐突な新企画ですが、早速やっていきましょう。

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第1章 本の概要

「ポジショナルフットボール教典」は、元々リー・スコットというスカウトや分析担当として活動した経験を豊富に持っていてスコットランドのプロクラブでスタッフを歴任した方が書いた本です。それの和訳版がこちらとなります。原著は「Mastering the Premier League: The Tactical Concepts behind Pep Guardiola's Manchester City 」です。
現在リー・スコットさんはTotal Football Analysisという戦術ブログを執筆しています。
「ポジショナルフットボール教典」とありますが、本の内容としては副題「ペップ・グアルディオラが実践する支配的ゲームモデル」にあるように、ポジショナルプレーを体現している指導者の代表格であるペップ・グアルディオラがマンチェスター・シティで実践している戦術を解説したものになっています。
そのため、ポジショナルフットボール(ポジショナルプレー)という概念についての本ではないのでペップが好き、ペップの戦術が知りたい、ペップの戦術から学びたい、という方に合った一冊です。

第2章 感想

それでは具体的にどうだったか。
まず、本書で書かれている分析について。
僕自身は毎試合のようにマンチェスター・シティの試合を見ているわけではありませんが、シティの戦術の特徴や強みについては一通り纏めたことがあります。
その「自分のシティ分析」と本書で書かれている内容を照らし合わせると、リー・スコットさんと同じようなレベルで分析出来ているなと感じました。
この点は自分の試合の見方が徐々にレベルアップしてきている証拠だなと思い、少し自信になりました。
だからといって「じゃあ俺も本出すわ!」なんて言い出しませんのでご安心を。
しかし、違いを感じたのは現象の捉え方、言語化の仕方です。同じような視点で書いているんだけど捉え方は違っていて、分析して得た情報は似ているけどそこに辿り着いた思考回路は違うのかなと思いました。

また、分析を客観視することで学びが得られました。
前述のように書いていること自体は僕と似ているなと思いながら読んでいたのですが、その分自分の分析を客観的に読んでいる気分になり新たな疑問や学びが生まれました。
ラグビーを学んだ時も感じましたが、同じサッカーというスポーツ、分析した結果を見ていても、他競技(他者)目線で見ることによって多いに見え方は変わってきます。これがいわゆる客観視です。
物事を客観視することの重要性については様々な場所で語られていますが、どうしても自分のことは感情移入してしまいますから客観視するのは難しいものです。
僕にとって分析結果自体は似ていたので本書から「知らないことをたくさん知る」ということは無かったのですが、似ていたからこそ他者目線で客観的に自分の分析を読むことができ、貴重な整理の機会になったのです。

次にページ数について。
本文は16の章で構成されているのですが、全てが18ページとなっていて、これは意図的に18ページにしているものだと考えられます。全てが同じページ数であるためテンポ良く読めるのが良い点です。

最後に巻末収録されている結城康平さんと龍岡歩さんの対談について。
Twitterにも書きましたが、個人的に龍岡さんが仰られていた「圧倒的な強さを発揮していた時はプログラミングに近い考えが統一されていた」という言葉が非常に印象的でした。
相手を見て「相手がこうならこうする、こっちなら〇〇が空くからこうだ」というように自在に判断を変えていき、ボールを運んでいく。相手に二択を提示し、相手の判断に合わせてプレーをチョイスしていくシティのプレーを「プログラミング」という言葉で表現した一節にはズバッと言語化された気分になりました。

初の読書感想文は以上となります。

最後にもう一度書かせていただきます。もしこの記事を気に入っていただけたら、SNSなどでの拡散をぜひよろしくお願い致します。皆さんで日本サッカー界をもっと盛り上げ、レベルアップさせましょう!

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