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自分の聴いている音と客席で聴こえている音は違うという話

すみだトリフォニーホールでブルックナー交響曲第5番を弾いてきました。
良いホールの残響での音色は普段との練習とは別モノで
ホールまで含めて楽器なのだと感じます。

特にヴァイオリンやヴィオラは楽器本体を顎で挟んで
骨振動から聞こえる音、そしてボウイングで弓が当たっている位置は
左耳から10cm程度の超至近距離なわけです。
ここで聴こえる音は客席とは別モノと思うのです。

まず弓毛を弦に噛ませた時のガリッとしたタッチノイズ。
これは意外にも客席にはほとんど届いていないんですよね。
また顎当てから伝わってくる骨振動音は楽器の振動を直接聴いているので
全く残響成分は含まれていませんよね。
つまり演奏している本人はかなりノイズ混じりで
残響が無い華やかさに欠けた音色が聴こえていると思うのです。

すみだトリフォニーホールのステージ上パイプオルガン

タッチノイズを恐れて思いっきり弾けなかったり
貧しい響きに自信が出せずにソローリと弾いていて
ホールの奥まで音を届けられなければ
ホールの奥から帰ってくる豊かな残響を得ることも出来ないですよね。

今日の結論
ホールも含めて楽器で
ホールが助けてくれるので自信を持って楽器を鳴らそう!


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