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f孔の話

ヴァイオリンやヴィオラ等の弦楽器にはf孔という穴が表板に空いています。f孔を塞いで弾いてみるとわかりますが、とても小さな音になります。
弦の振動で直接音、弦の振動を駒で拾い箱の中で共振させてf孔から間接音
が出てくるわけですが、間接音のほうが音量的には大きいと思います。
音響効果的にとても大切な役割をしていることがわかりますが
デザイン的にも特徴的ですよね。

演奏の音色をマイクで拾って録音してみるとわかるのですが
弦を直接狙って録るとかなりキンキンした高域の強い音がします。
また弓毛と弦の触れるタッチノイズもかなり拾います。
f孔を狙って録ると意外とモコモコした低域の音が出ます。
弦と弓毛の触れるタッチノイズはほとんど拾いません。

弦からの直接音の方が弾いた瞬間に出てきますが
f孔からの音は駒→魂柱→裏板→f孔という経路を通って出てくるので
わずかに遅れて出てくる事になると思います。
ガリッと弦を噛ませる音が最初に出て
次の瞬間に鋭い高域の音が鳴って次に温かい低域の音が出てくるという
順序で音色が創られていく訳ですね。
弦楽器の音色の秘密にはこんな部分もあるのかもしれません。

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