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押弦を科学する

ヴァイオリンやヴィオラにおいて
弦を左手の指で押さえる事は音程を確定する事ですが
音色にも影響を与えています。
ただココに神経質になりすぎると本質を見失う事があります。
音色に与える影響は右手9割 : 左手1割ぐらいに感じます。
その1割の部分の左手に神経質になりすぎるのは
労力の無駄遣いになるからです。

左手の押弦は爪が伸びていない状態で有る事が大前提で
指の角度を立てて可能な限り少ない面積で
押さえた方が音色はクリアになります。
指の肉の柔らかい部分が広い面積で弦に当たると
弦の振動を静止するクッションとしての役割を果たして
弦の響きを殺してしまうからです。

ただコレは基本前提なのですがここに囚われすぎる事で
奏法の幅が狭くなってしまいます。
指のクッションが響きを殺す事は事実ですが
ヴァイオリンやヴィオラは右手の弓で際限無く振動を作り出す事が出来る
稀有な楽器です。ギターやマンドリンや三味線などではこうは行きません。
この特性が味方してくれますので
必要な時には指を寝かせる事で奏法の幅を広げる事が出来ます。

例えば3度の重音は指を立てないと3度上音を鳴らす弦に触れてしまうので
弾く事が出来ませんが、5度の重音は指を寝かせて1つの指で
2本の弦を押さえないと弾く事が出来ません。

そしてヴィブラートの掛け方は
指を立てた場合は速くて細かいヴィブラートに向いています。
ゆったりと大きなヴィブラートを掛けたい場合は
指を寝かせた方が向いています。
指先をコロコロした場合は幅が小さいですし動きも早いですよね
指の中腹でコロコロした場合は大きな幅でゆったり動きますよね。

結論
正しい押さえ方はケースバイケース

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