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海で何度か死にそうになった

夏になって海や川での事故が相次いでいます。海は綺麗だし、色々な生き物がいるし、楽しいですよね。僕は釣り・素潜り・ダイビングが大好きです。父親や祖父と釣りに行ったり、漁協が許可している地域でアワビやサザエを取って遊んだりしていました。食べるのは好きじゃないので主に獲る専門ですが、岩の間にいるアワビの大物を見つけた時はめちゃくちゃテンション上がります(密猟はダメ、絶対)。

海で遊ぶ中で何度か溺れそうになったので、海で怖かった経験などを少し書きたいと思います。ちなみに小学生の時に水泳(背泳)の県大会で優勝するくらいには泳ぐのが得意でした。


1. 離岸流に流されてイカ泳ぎ

Learning Points
1. 海では流されたものを追いかけない
2. イカ泳ぎは波さえなければ楽
3. 泳いでいる時は離岸流に乗っていても分からない

中学生の頃、近くの子どもたちが遊んでいたビーチボールが海に流されたので、「俺に任せろ!」と格好つけて取りに行こうとクロールで追いかけたことがあります。結構頑張って泳いだのですが、ボールに全然追いつけません。ちょっと疲れて諦めようと思って振り返ったら、とんでもないところまで行ってました(下記のオレンジのあたり)。見事に離岸流に乗って沖に…

まさか陸地が遠く見えるレベルのところまで泳いでいるとは思わず、しかも疲れているのでパニックになりかけましたが、「ここで叫んでも陸にいる親には聞こえないし、聞こえたとしてもブチ切れられる」という思考が少し冷静にさせてくれたのを覚えています。助かった理由は3つ。

  1. 波が無く体力がまだあって少し冷静になれた

  2. イカ泳ぎに気づくことができた

  3. 偶然にも離岸流から離れることができた

結構頑張って泳いで疲れていたので、とりあえず呼吸が楽な姿勢で泳ごうと思って自然になった姿勢が、イカ泳ぎでした。疲れてくると、少しでも楽な姿勢で呼吸を確保したいので、自然と顔が上をむくようになります。手か足で少し推進力をつけてあげれば安定するので、「あ、これならいける」と。

とにかく近いところに上がろうと考え、写真の上方向のテトラポット帯を目指してゆっくりゆっくり泳ぎました。これが結果的に離岸流から離れることに繋がったのは幸運だったのでしょう。テトラまでたどり着いた時の安心感はすごかったです。そのあと何食わぬ顔をして親のところに戻ったら「姿が見えなくなったから心配したやろ!」と結局怒られましたが。

そして海や川で流されたものを拾いに行こうとしないようにしましょう。水難事故の主要な原因の一つがこれです。


2. 素潜り中に後輩が溺れる

Learning Points
1. 体調が悪い日に無理しない
2. 慣れないシュノーケリングは非常に危険
3. 溺れた人をダイレクトに助けるのは無理
4. 複数人なら一人は浮き輪係を用意するなど、いつでも助けられる環境に

大学生の時に後輩二人と素潜りに行った時のこと。二人は中間試験の徹夜明けとコンディションが最悪でしたが、テスト明けのテンションでそのまま海に行きました。三人とも泳ぎは得意でしたが、一人はシュノーケリングはあまり経験がないということで、最初に少し慣れてから磯場に。写真の通り、沖に小さい島があるのでそこまで泳いで帰ろうというコースです(片道100mくらい)。

当時は少し波があったのですが、晴れた日の透明な海でテンションが上がったまま三人で泳ぎ出しました。中間地点の50mを過ぎ、沖の島が近づいたあたりでふと周りを見ると、後輩の一人が下の図のような状態でこっちに向かって手を振ってます。大物でも見つけたのかと思いきゃ…

https://www6.kaiho.mlit.go.jp/watersafety/swimming/04_rescue/


まさにドラマで見るような溺れる寸前の光景。

「ゴッツ(あだ名)さーん!助けブグブグ..助け…ガボッ」みたいになってる。フィンをつけてるので蹴る力がなんとか保たれてるけど、全く足のつかない深さ(5m程度)だし、数十メートル先がめちゃくちゃ遠い。

皆さんならどうしますか?

全員素潜り前提だったので浮き輪や救命胴衣はありません。溺れた人はしがみつかれるから溺れるまで待てという人もいます?が、後輩(あるいは家族)が目の前で溺れて自分に助けを求めているのにそういう判断ができる人はある意味すごい。自分の子どもなら尚更見捨てられない。

まずはもう一人の後輩に陸に向かって泳いでもらい、声を出しながら陸にいる人に助けを求めました

そして…僕は助けに行こうとしました。
「今から助けに行く。後ろから助けるから、落ち着いて俺の言う通りにしろ!」
『分かりまゴボッ..(すごく頷く)』

救援を待つべきと思う気持ちがあっても、目の前で後輩が溺れていくのをただ見てることはできませんでした。溺れそうになっている人を助ける場合、少なくとも「正面から行ってはダメだ」という断片的な知識はあったので、潜って溺れかけてる後輩の背後に周り、後ろから持ち上げるような形で後輩の体を浮かして楽にしようと思った瞬間。

後輩が急に後ろを振り向いて必死でしがみついて来て、僕も一緒に沈みました。

生きてたのは幸運

まさに助けに行って溺れるパターン。
(これは俺も死ぬ!)と思ったので全力で後輩を突き放して、慌てて距離を取りました。後輩曰く、『あのとき突き放されたおかげで、逆に少しだけ冷静になれました』と。ここで後輩が冷静さを少しでも取り戻してくれなかったら無理だったかもしれません。

そこでイカ泳ぎを思い出し、「上を向いて背泳ぎしろ、とにかく仰向けになれ!そしたら俺が引っ張っていくから!」と叫びなんとか仰向きの姿勢にさせて上を向かせましたが、波があるので波飛沫が顔にかかり『無理!水が顔に!水が!』と再度パニックに。海面が見えない事への恐怖、水への恐怖、沈むことへの恐怖から結局上を向き続けられないので下を向こうとしてしまうようです。

そこで僕は(何故かはよく覚えてませんが)自分に捕まってもらうしかない、と考え「わかった、俺の腰に掴まれ。お前が暴れなければ大丈夫、暴れたら二人とも死ぬ」的なことを言って、手を取って腰に掴まらせました。

これだと僕の体は沈むんですが、シュノーケルがあったおかげでギリギリ呼吸をしながら泳げます。もしシュノーケルが無かったら、あるいはこの状況でしがみつかれたら振り解けないので多分二人とも溺れてたでしょう…。

少し冷静になっていた後輩は顔が出て海面が見えている、掴まるものがあるという安心感からパニックは治りつつありました。少し泳いで戻りはじめたタイミングで陸に向かってたもう一人の後輩が浮き輪を持ってきてくれて、無事に助かりました。陸に着いた時、僕も後輩もしばらく立てませんでした。

後輩が言うには、体調があまり良くないところに慣れないシュノーケリングだったこと、そして波が高くシュノーケルに水が入ってきて息ができなくなってパニックになったと。

何度か死にかけたことがありますが、多分人生でも1、2を争う幸運に助けられた事例だったと思います。この日以後、シュノーケルは慣れた人と、そして浮き輪係を常に用意するようにしました(それでも結局潜るんかい)。


3. その他ちょっと危ないなと思った例

最後にもっと軽いけど、一歩間違えたら死んでたかも的な話をいくつか。

Learning Points
1. 砂遊びでは冗談でも顔にかけない
2. 足が攣らないよう、体調は整え、ストレッチをする
3. 深さ潜りチャレンジはかなり危険

一つ目は砂遊び。みんなやると思います、こういうやつ↓。股間や胸に木の棒立てたり山作ったり。

この時、冗談半分で顔に砂かける人いるんですけど、口に入ると本当に死にかねないのでやめましょう

口の中に乾いた砂が入ると口の中の水分が急激に吸収されて、乾燥し一気に詰まります。中学生の時にこれをやられたんですが、首から下が砂に埋まってるのですぐに身動き取れず、窒息しかけました。しかも喉が乾燥している上に砂が落ちてきて詰まるので声が出せません。たまたま通りがかった人が注意して助けてくれたから良かったものの、本気で苦しくて涙が出てました。死んでてもおかしくなかった。

二つ目は足が攣ったケース。素潜り中に「ピキッ」ときたんですが、突然で痛い上に足がつかない高さだとかなりパニックになります。しかも痛い!ってなった瞬間に水を飲んじゃいます。個人的には溺れた人の一定割合はこれが原因じゃないかなと…。その時は痛みを我慢して浮上し、浮き輪を持ってた友人に捕まりながら陸に戻りました。絶対に体調不良で水に入らないことと、無理しないこと、そして入る前のストレッチは大事です。

三つ目が潜水の深さ競争。友達とどっちが深く潜れるか競争という、どう考えても危険な遊びをしてました。これ、何が危険かというと、「一番底までギリギリで到達できなかった時」が危険なんです。帰りは海底を蹴って、その勢いで浮上すればいいんですが、それができないと海中で上下方向変えて、浮上のための勢いなしで泳がないといけないので、帰りの酸素が持ちません。友達と競うあまり、これで一回溺れかけました。

25mプール往復で、ターンの際に反対側の壁を触ってはいけない、となった場合を想像して貰えばイメージ的には近いでしょうか。ターンの際に壁を蹴れなかったらびっくりするほど動けないですよね。


海はちゃんと準備をすれば楽しいところなのは間違いありません。
今後海行く時に少しでも気をつけよう、と思っていただけたら幸いです。

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