見出し画像

心理学の知見:成功したい人ほど、恩を仇(あだ)で返してしまう落とし穴

だれでも、お世話になったり、助けてもらった人がいると思います。

その人にどのような態度をとるでしょうか?

ふつうでしたら、その人にお返しをしたくなります。

ところが、哀しいかな、助けたくれた人をおとしめる行動をとってしまうことがあるのです。

なぜ、人は恩を仇で返してしまうのでしょうか?

最新の研究によれば、その答えは、成功したい人が抱く、嫉妬心でした。

・・

シンガポールマネジメント大学のタイらの研究グループは、職場で人は恩を仇で返してしまう理由を調べた。

4つの調査(1香港の大学生85名、2イギリスに住む社会人319名、3イギリス人1502名、4イギリス人600名)を行ったところ、その心理が明らかになった。

#心理1
助けてくれた人が、自分より有能だと、その人を脅威に思い、その人に嫉妬していた。

#心理2
嫉妬があるから、助けてくれた人を妨害をしたり、傷つけるような言動をとっていた。

#心理3
自分の地位を高めたいと思っている人ほど、助けてくれた人を妨害をしたり、傷つけるような言動をとっていた。

・・

つまり、助けてくれた人が自分より優秀で、地位を高めたいと頑張っている人であればあるほど、皮肉にも恩を仇で返してしまう行動をとることが分かりました。

研究によれば、具体的には次のような行動です:

・その人を侮辱する
・その人の噂を広める
・その人の仕事のやり方を批判する
・その人をに無視する
・その人の陰口をたたく
#助けた人つらいですね

素直に感謝すればよいものの、そうできないところが人間らしさでもありますね。

とはいえ、嫉妬心という心のざわつきをどうしたらよいものでしょうか。

嫉妬心はだれでもおきるものです。それを感じないようにするというのは無理がありますよね。

むしろ、嫉妬心を感じたら、「あー、嫉妬心が起きているのだなあ」と気づき、さらに、「本当はあの人みたいになりたいのだなぁ」と自分の願いを自覚することです。

そうすれば、助けてくれた人に矛先が向くことなく、自分を磨いていく努力ができるようになりますよね。

Tai, K., Lin, K. J., Lam, C. K., & Liu, W. (2023). Biting the hand that feeds: A status-based model of when and why receiving help motivates social undermining. Journal of Applied Psychology, 108(1), 27.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?