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車中泊 1「南紀海岸」

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はじめての車中泊の旅は、紀伊半島を縦断し、南紀の海を見に行きました。本州最南端の串本・潮岬など。
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串本の芦雪画 無量寺・応挙芦雪館

串本の芦雪画 無量寺・応挙芦雪館

私は長沢芦雪(ろせつ)ファンです。串本へ来たからには、と無量寺へ行きました。このお寺に「応挙芦雪館」があるからです。

では、なぜ本州最南端の地に芦雪画が存在するのでしょうか。

ちょっと長くなりますが、辻惟雄氏の『寄贈の系譜』(ちくま学芸文庫)より、以下に引用します。

「若冲、蕭白につづき、京画壇に異能ぶりを発揮したのが、応挙門下の長沢蘆雪(ろせつ)である。(中略)
天明六年(1786)、南紀

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KAZEYA DAM

KAZEYA DAM

KAZEYA DAM

3月も終わりだというのに、十津川の山々に、うっすらと白いもの(雪)が。。。
冷え込んだ昨夜のうちに降ったのでしょう。

所在地等
・奈良県吉野郡十津川村
・一級河川・新宮川水系十津川
・J-POWER(電源開発)
風屋ダム
・貯水量 1億3千万トン
・利用水深 30m
・型式 重力式
・堤長 330m
・高さ 101m
・竣工年 1960年
・施工業者 大林組

十津川第一

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橋杭岩(はしぐいいわ)の不思議

橋杭岩(はしぐいいわ)の不思議

ここは、橋杭岩です。
あらためて、、、す、すごいです!

なんじゃこりゃー、って感じです。

橋杭岩は、堆積岩の層にマグマが貫入してきて固まり、その後、堆積岩(柔らかいので)が海食・波蝕で削られましたが、固い火成岩(マグマ)は削られずに残った、ということのようです。

ごろごろ散乱している岩は、火成岩が転げ落ちたもの。津波の圧力もあったのでしょう。

…とまあ、なんとなく頭の中では理解しますが、実

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 筏流しの木津呂集落(三重県紀和町)

筏流しの木津呂集落(三重県紀和町)

木津呂(きづろ)は、三重県熊野市紀和町にある集落の名称です。

このエリアは、三重県と奈良県(十津川村)と和歌山県(新宮市)の県境が、地図をしっかり見てもよくわかりません。それほどに複雑に入り組んでいます。車によるアクセスも、大変困難です。

そんな木津呂集落に行く気になったのは、ほかでもありません。「historica」というYouTubeチャンネルがありまして、そこで紹介されていたからです。

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海金剛 Umikongou

海金剛 Umikongou

海金剛(うみこんごう)は、紀伊大島の東端・樫野埼灯台に真向こう絶景の荒々しい海岸です。

串本側から紀伊大島へは、平成11年(25年前)に立派なアーチ・ループ橋が完成して、車で往き来できるようになりました。大島にある樫野埼灯台や海金剛などへも、船に乗らずに容易に足を運ぶことができます。

かねてよりジオパーク(「大地の公園」)に関心を持ってきました。46地域ある日本ジオパークのうち、もっとも身近な

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果無集落

果無集落

「果無(はてなし)」とは、まことロマン溢れる、そして寂寥感漂わせる地名だと思うのです。

ワタクシの「果無」への憧憬は、宇江敏勝氏の著書によって増幅されたと思うのです。

宇江敏勝氏のプロフィール
「1937年、三重県尾鷲市に生まれる。和歌山県立熊野高校を卒業後、紀伊半島の山中で林業に従事するかたわら、文学を学ぶ。現在、エッセイスト・林業」(宇江敏勝著「山びとの動物誌 紀州・果無山脈の春秋」新宿書

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樫野埼灯台

樫野埼灯台

樫野埼灯台(かしのざきとうだい)は、太平洋を望む紀伊大島(和歌山県串本町)の東端にある。

江戸時代の紀伊大島は、江戸-大阪航路の風待ち港・避難港として多くの菱垣回船・樽廻船が寄港したという。(「和歌山県の歴史三歩」山川出版)

樫野埼灯台
日本最初の様式石造り灯台で、対岸の古座川周辺にある「宇津木石(うつきいし)」が用いられている。
宇津木石は、マグマからできた石の中では比較的やわらかい石で加工

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