YMO”東風”からアーバンギャルド”修正主義者”まで~テクノ・ポップとマオイズムの奇妙な関係

初めに、『毛沢東語録』があった。
続いて、ジャン=リュック・ゴダールの『中国女』、『東風』が登場する。
ゴダールから坂本龍一を経て、"東風"がつくられる。
ちなみに、YMOには、"La Femme Chinoise(中国女)"という曲も存在する。

​ゴダールには、『万事快調』という映像作品があって、彼の影響を受けた小西康陽は、同タイトルの楽曲を書いている。Pizzicato Fiveの"Tout Va Bien (万事快調)"がそれだ。渋谷系の音楽には、フランス文化の影響を受けたものが多い。

そして、アーバンギャルドである。
アバンギャルド(前衛)にして、アーバン(都市)のギャル(少女)、さらにはバンギャル(バンドのギャル)と、複数のシニフィエを持つこのグループにも、この系統の余韻が残っている。アーバンギャルドには、"修正主義者"という曲がある。  
修正主義者は、『毛語録』の糾弾対象であったし、かつゴダールの『東風』でも揶揄の対象となっていた。「自己批判」という言葉も生々しい。アーバンギャルドの"修正主義者"では、そうしたポリティカルな意味合いが、ニュートラルになっている。

なぜ、ゴダールなのか。
マオイズムから、ゴダールに移る段階で、その思想は形式(フォルム)のほうに重点が移行している。
さらに、ゴダールから音楽に移行する段階で、もはやファッションとしてのポップな引用という水準になっていると、私は考える。
ただ、マオイズムは、テロリズムとの親和性があり、そういった点に対するチェック機能なしに、不用意に引用を続けるのは、ゾンビの冷凍保存のようなもののように思えてならない。注意を要すべき危ない題材であることは、間違いない。

初出 mixi 日記 2009年11月18日01:23 一部修正

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TADAO HARADA

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