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集合意識ってきっとあると思うんです

2011年、311のとき僕はしばらく絵が描けなくなった。

こんな時にも絵を描くことにいったい何の意味がある?
家族四人暮らしを支えるのでやっとの毎日、遠くの被災者を助けに行く時間も余裕もないことを心苦しく思っていた。


絵描きの存在意義に疑問を抱く日々。じわじわと無力感と絶望感が肥大化した震災一年半後の秋、僕は師匠と兄弟弟子たちと岩手・陸前高田市の産業祭りに呼ばれた。
2年ぶりの秋の収穫祭、少しでも元気になってもらえたら…
朝から皆で一所懸命に水墨画ライブドローイングのリレーをした。


日も傾いた頃、最後に僕は師匠と2人で3m x 1.5mの和紙パネルに大きな枝垂れ桜を描かせてもらった。
記念すべき初めての師匠とのコラボライブは、311以降の絵描き人生のモヤモヤと被災された皆さんへの無力感、それでも絵を描き続けて生きたい想いが僕の心の中に渦巻いたままスタートした。
桜の花をとにかくたくさん描き続けるライブ。
師匠の足を引っ張らないように、陸前高田の皆さんをがっかりさせないように…そんな思いが入り混じった忘れられないライブ。
そして1時間後、見事な枝垂れ桜が現れた。


後片付けをしていると、祭りの役員の方と話をしていた師匠に呼ばれた。
その時、その役員の方にいただいた言葉を僕は一生忘れない。

「素晴らしい桜に感動しました。
実はこの場所は桜並木があったんだよ。全部流されてしまったけどね。
君たちが描いた桜を見ていたら、桜の向こうに復興した陸前高田の街が見えるようです。希望と力が沸いてきました!
皆さん来てくれて本当にありがとう。」

満面の笑みを浮かべてそう話してくださったその方は奥様と多くの社員さんを津波で失っていた。


僕は涙を堪えきれなかった。
絵描きでもいいんだよと何かにやっと許された気がした。
心から救われた。
僕らには僕らの存在価値があると確信した。




もし今世界の不幸な事実に押しつぶされそうになっている優しい方がいれば伝えたい。


あなたはあなたの場所で全力で幸せになっていいんだよ。
やりたいことをやっていいし、出来ないことはしなくていい。
非力な自分だなんて蔑まなくていい。

あなたが微笑むたびに今ここで幸せが生まれている。
誰かが元気になっている。

それだけですごいことだと自分を褒めていい。

あなたがつくったその明るい波動が知らない人までも動かして、あなたの祈りを叶えてくれるから、全部を自分でやろうと思わなくていいんだよ。



僕は僕のできることをやる。

12年前よりは少し多く寄付は出来るようになったけど、相変わらず助けに行く時間も余裕もなくて、実際出来ることなんて相変わらずたいしてない。
でも僕は以前のように立ち止まったり迷ったりはしない。
あの日いただいた言葉のままに、僕は僕のできることをして、誰かの力になりたい。


今ここでできることの中で
今ここでしたいことを選んで
隣の人を、今日会う人を笑顔にする。

それが続けられたら相当素晴らしいと思うから、あの頃と同じ気持ちで
僕は今日も桜を描きました。
そしてあの日よりだいぶ上手くなったと自画自賛(笑)
今日も僕と貴方の心が晴れやかでありますように✨

能登地震で被災された方の復興を願うと共に、被災された方と震災に心を痛めている全ての人の心が少しでも明るくなりますよう心から祈っています。


人は皆見えない絆で繋がっているから、元気な人はいつも以上に元気に、集合意識を明るくしていただけたら嬉しいです🙏✨

花びら一つ一つが美しい見事な満開桜は毎年僕らに何を伝えているんだろう…
人間にもきっとできると祈ります。みんなで微笑みの花を咲かせて集いましょう。

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