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アパレルと小売の未来_08

現在話題になっている「5G」や「自動運転」などのIT技術が世間に普及すると、環境が一段と変化していくと思います。「自動運転」は物流における革命に近いものであり、あらゆる分野で変革が起きます。それはアパレル業界にとっても大きな変革になるでしょう。「自動運転」によって、物流におけるコストや制約が大幅に削減されていきますので、フレキシブルに配送が可能になっていくと思われます。

例えば、路面店や百貨店で商品を購入すると同時に、自動的に倉庫にデータが飛び、その日のうちにお客さんの家に商品が届くなども可能になっていくでしょう。また、海外旅行客(ツーリスト)が店舗で購入した時も、その日のうちに倉庫から滞在ホテルに届けることが可能になります。海外旅行客でもECで購入できるようになれば、買い忘れ品や追加購入もECで購入して滞在ホテルに届けるようなシステムも構築できれば、旅行客にとってかなりメリットが大きいサービスになると思います。

また、現在すでに「越境EC(国をまたぐEC)」を導入している会社もありますが、「越境EC」も物流技術の進化で、どのアパレル会社も参入することが可能になると思います。ECが国内のお客さんのみならず、海外のお客さんも対象になると商圏が大幅に拡大します。日本は大きなインバウンド需要があるので、日本のブランドや商品はもっと海外向けに販路を拡大していく必要があります。現在は「Shopify」や「Stripe」など簡単に越境ECを開始できるプラットフォームやツールが存在します。個人でも越境ECができるほどの手軽なサービスです。今後はこのようなサービスを利用して世界中の小売が国をまたぐ商売を始めていくでしょう。

日本の人たちが皆、「世界中の店舗やブランドから購入できる」状態になると、競争の中で生き残るだけでも大変になります。「生き残るために何を行なっていくべきか」ということを、会社のトップや本部は考える必要がありますが、店舗にいる販売員の皆さんも考えていくべきだと私は思います。「どのようにすべきか」という問いに100%正しい答えはありません。誰も「どのような時代になるのか」が分からないので、皆悩んでいるのです。そして、販売員の皆さんは会社や本部からの決定や指示だけを待っていてはいけません。自分でさまざまな情報を取得し考えて、どのようにすべきかを会社や本部に伝えていくべきです。それが採用されるかされないかは全く問題ではありません。受け身ではなく、能動的に考え行動できる人材にならなければ、未来の環境で自分が生き残ることができません。

何度も言っているように、お客さんと直に接しているのは販売員だけです。本部の人たちはお客さんを正確には理解できません。この販売員の強みを十分に自覚して発揮すべきだと思います。ぜひ新しいアイデアを考えて、周りに提案していきましょう。

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