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お父さんのサンドイッチ~酸素飽和度88からの回復~

腎臓病食を食べなければならないお父さんと私の、普段の食生活は、お父さんがアレコレ 工夫してくれて、私に必要な栄養もちゃんと取れるようにしてくれている。

・卵2個
・レタス 少し
・トマト一個
・コロッケ 一つ
・スライスチーズ一袋
・食パン 一袋と2枚

業務用の美味しいマヨネーズを使って、お父さんが これらの食材で、山盛りのサンドイッチを作ってくれる。

私はこれがとっても楽しみだ。
私は歯が悪いから食べやすいし、美味しいし、仕事しながら食べられるし、夜中に枕元まで持ってこれるので嬉しいのだ。

お父さんは自分の摂取していいタンパクの量とカリウムの量を計算しながら、サンドイッチを食べる。
もちろん 生野菜を取るので、クレメジンというカリウムを排泄する薬はちゃんと飲んでいる。
もちろん 塩分 だってお父さんは制限があるので、お父さんは毎朝の服薬 前の血圧を考えながら、サンドイッチを食べる。

私はというと、お父さんが食べない ぶんのサンドイッチは食べ放題である。
お父さんは日によって、コロッケを2個にしてくれる。
血圧がいい時である。
そういう日は、私はコロッケ のサンドイッチを三つ食べる。
これがまた とっても美味しいのだ。

卵は8分茹でる。
熱湯を一度止めて、卵を入れ、きっかり8分。
少し 半熟の美味しい茹で卵ができる。
お父さんはそれを、粗めにスプーンで切り崩し、マヨネーズと辛子を入れて、非常に美味しいサンドイッチにしてくれるのだ。

レタスとトマトのサンドイッチには、お父さんの血圧によっては、チーズが加わる。
お父さんは自分が食べなくても、私にタンパク質を取らせるために、よくチーズを入れてくれる。

食パンは、「スイートバター風味ブレッド6枚切り」と決めている。
とっても美味しい食パンである。

立っていることの難しいお父さんは、左右に少しずつ歩いたりしながら、時には後ろの洗濯機に寄りかかったりしながら、車椅子と台所を何度も往復し、「俺のリハビリだ!足腰を鍛えなきゃ!」そう言って毎晩このサンドイッチを作ってくれるのだ。

時に体調が悪い時は、息がヒューヒュー言う。
そういう時はすぐ食事づくりをやめにする。
酸素飽和度を測り、数値を確かめる。
あんまり ヒューヒュー言う時は、肺に水が溜まってないかどうか、訪問看護師さんに聴診器で診てもらう。

そんなこんな 繰り返す日々をやっているうちに、なんとお父さんの体力が向上し機敏になってきた。
ヒューヒュー言わなくなった。
お布団を持ち上げても、ヒューヒュー言わなくなった。

いつも眠るとき、布団を直す時にお父さんは、息がヒューヒュー言って苦しげ だったのだ。
そのたびに 私は、酸素飽和度を測り、脈拍を測っていた。

お父さんはいつも言う。
「これがリハビリになるんだ。どってことねぇよ!」

本当にそうなった!!
なんと今現在、お父さんの酸素飽和度は、99という数値を はじき出している。

夢みたいな数値だ。

退院したとき、88 しか取れなかったお父さんの酸素飽和度。
92まで上がればよかった、お父さんの酸素飽和度。
どんなに絶好調で体調が良くても、やっと 94 だった酸素飽和度。

それが今。
サンドイッチを作り続けた結果、酸素飽和度は99というものすごい元気な人でもここまでは出ないだろうというぐらいの正常値まで、見事に回復した。

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