見出し画像

現地観戦月間ベスト〜4月編〜

さて今回は、4月に観戦した計6試合の中から私の独断と偏見で決めたベストイレブン、ベストゴール、MVPを決めていきます。

先月も言いましたが、私が現地観戦で決めていること。

それは敵味方関係なくうまいと思った選手、プレーは褒めていきたい。

それでは今月もやっていきましょう!

※2・3月のベストはこちらから

4月の観戦試合・成績

4月の観戦試合・MOMと成績は以下の通り。
4月マッチレビューまとめはこちらから

4/2 柏2-0磐田★(三協F柏)
MOM:戸嶋祥郎(柏)

4/3 相模原1-4松本★(ギオンス)
MOM:横山歩夢(松本)

4/6 ★FC東京3-1神戸(味スタ)
MOM:渡邊凌磨(FC東京)

4/10 湘南0-0磐田★(レモンS)
MOM:リカルド・グラッサ(磐田)

4/24 群馬0-1秋田★(正田スタ)
MOM:新井栄聡(秋田)

4/29 ★FC東京2-0G大阪(国立)
MOM:レアンドロ(FC東京)

4月通算 4勝1敗1分
10得点4失点

今季通算 6勝6敗1分
18得点16失点

★は応援したチーム

4月ベストイレブン

GK

新井栄聡(秋田)

ヤクブ・スウォビィク(FC東京)と迷ったが、群馬戦の完封のハイパフォーマンスのインパクトの強さで選出。

清水でプロデビューも出番はなく、金沢を経由した後秋田へ。昨シーズンデビューを達成し5試合に出場。そして今シーズンはターンオーバーながら不動の守護神・田中雄大と切磋琢磨し好パフォーマンスを続けている苦労人。

群馬戦では畑尾大翔のシュートを2連続で体勢を崩されながらもセーブした至近距離のシュートの強さと、ディフェンスラインの裏へ出たボールや、セットプレーのハイボールの落ち着いた飛び出しと処理が光った。

DF

渡邊凌磨(FC東京)

元々テクニックや突破に優れたアタッカーの選手ではあったが、昨シーズンのチームの負傷禍の影響もありSBにも挑戦。今季もあらゆるポジションをこなす万能戦士として重宝されている。

神戸戦ではあのイニエスタ相手の股抜きでの突破のインパクトを含む積極果敢なオーバーラップを繰り出し、アルベル監督が掲げる「ポジショナルプレー(選手たちがより良いポジショニングを取りながらゲームを進めていく)」を1番体現していた選手であった。

最近では勝ち負け関係なく、自身のYouTubeチャンネルでプレーを振り返る動画がFC東京のサポーターだけでなく、他クラブのサポーターからも好評で、プレーを言語化するのも上手い選手だと言える。

木本恭生(FC東京)

今季からFC東京に加入したCB、ボランチをこなせる男。C大阪や名古屋にいたときは正直地味な選手という印象はあったが、FC東京ではすでに欠かせない選手となった。

前述したポジショナルプレーに加え、今季からボールをつなぐスタイルへと舵を切ったFC東京の中で、彼の高さやカバーリングといった守備だけではなく、縦パスの鋭さが際立っていることが素晴らしい。

永井謙佑や紺野和也など、右サイドのウイングのポジションにはスピードやテクニックで仕掛けられる選手も多い中で、彼のパスは攻撃のスイッチになりチャンスが生まれる。ゆっくりとディフェンスラインでボールを回しているなと油断していると急に鋭いパスが入り相手を慌てさせることも多く、状況判断能力も高い選手だと感じる。

森重真人やエンリケ・トレヴィザンとCBの負傷者が増えて彼にかかる負担も大きくなるが、今後も好パフォーマンスが期待できる選手だ。

リカルド・グラッサ(磐田)

来日が遅れ、ようやく4月の柏戦でデビューした東京五輪ブラジル代表の左利きのCB。スムーズにフィットし、対人とロングパスで攻撃の起点にもなれることで違いを見せ、サポーターのハートをがっちり掴んだ。

特にMOMに選んだ湘南戦では、大橋祐紀やウェリントンとFWの顔ぶれかつ、タイプが違うFWが相手となったが、空中戦でも地上戦でも強さを見せ、安定感があるところを見せつけた。

観戦試合だけでなく、 他の試合でも安定したプレーぶりで波の少ない選手であるところも証明した。今後もチームの順位を押し上げるキーマンとなりそうだ。

三丸拡(柏)

磐田戦では左サイドハーフでプレーし、豊富な運動量とフィジカルで好調・鈴木雄斗を対人で圧倒したレフティー。さらにはマテウス・サヴィオの先制ゴールもエリア内に侵入してからの正確なクロスでアシストするなど攻撃でも大きく貢献した。

鳥栖時代から派手さはないがプレーの安定感はある選手で、柏に移籍した昨シーズンも残留争いに巻き込まれた中で後半戦はレギュラーを掴んだ。アイスタの清水戦で挙げたプロ初ゴールも現地観戦していた。

「守りの選手」という印象だが攻撃のチャンスでもしっかり顔を出しており、クロスのタイミングも相手の状況を見て正確に上げてくる。若手も多く、レギュラー争いも白熱してきた柏において完全に欠かせない選手となっている。

MF

稲葉修土(秋田)

今シーズンはキャプテンも務める、秋田のサッカーに欠かせないボランチの狩人。群馬戦も完全に劣勢となった中でも、輪笠祐士とのボランチコンビで豊富な運動量と高いインターセプト能力で勝利に大きく貢献した。

秋田のスタイルは守り重視かつ、カウンターで少ないチャンスを仕留めて勝ちにつなげていくサッカー。彼の鋭い「魂際(吉田謙監督の言い方曰く)」が光るボール奪取が攻撃の合図と言っても過言ではない。

J2の過密日程かつ、ボランチの負荷が高いサッカーをやる中でも群馬戦の次の岡山戦もフル出場するタフさも素晴らしい。個人的には、攻撃のセンスもアップすればJ1でもすぐに通用する選手だと思っている。

戸嶋祥郎(柏)

縦横無尽にピッチ内に顔を出す「柏のカンテ」。磐田戦ではMOMに選ばせてもらったが、攻守にとにかく効きまくっていた。守りではクリーンなボール奪取。攻撃では追加点となる2点目を決めたことも含め、強力なアタッカーを活かすラストパスも良かった。

新潟時代から豊富な運動量も含め、ときにはサイドもこなすこともあり派手さはなくとも献身的な良い選手だった印象。柏移籍後は大怪我も負ったが、ピッチに一人いるととても助かり、一人で二人分の働きができる選手であると感じる。

安部柊斗(FC東京)

相変わらずのテクニックとスタミナでますます替えの効かない選手になっているチーム一のタフネスかつ、推進力に優れる男。
ゴールがあったわけでないが再三惜しいシュートも放ち、アルベル監督のサッカーにもスムーズに適応した。

この人のプレーでよく思うのは相手ゴールでのチャンスで得点できずカウンターを食らう、というありがちな光景で必ずそれをタックルにせよ、ボールを奪って阻止するときには彼が絡んでいることが多い。「あれ?さっきゴール前にいたよね?」と感じることも多い。そのぐらい戸嶋同様、ピッチのあらゆるところに顔を出せる男。ボランチの青木拓矢、そして大物ルーキーの松木玖生の中盤のトライアングルは今やFC東京のサッカーの要となっている。

レアンドロ(FC東京)

開幕戦以来の試合となった国立での試合、途中出場の少ない時間でのドリブル&キープ力の強さはやはりスペシャルな存在であることを示したインパクトの強さから選出。今後もあるであろう、FC東京の国立での試合の告知で再三使われそうなゴラッソは見事の一言。

少し例年よりも得点力不足に陥っているチームをさらに救うべく、5月以降は遅れてきた男の逆襲が始まる。気分のムラっ気だけは無くしたいところ。

FW

横山歩夢(松本)

相模原戦でスピードとFWらしい「俺が決める」というエゴさも光り、圧巻の2ゴール。現時点でもJ3得点ランキングトップに立ち完全にエースに名乗りをあげた松本の若きスピードスター。
守備もサボらないところは松本でかつて名を挙げた前田大然(セルティック)を彷彿とさせる。その活躍からU-19日本代表候補のトレーニングキャンプのメンバーにも選出された、今J3で最も目の離せない男でもある。

相模原戦で際立ったのは2点目の動き。相手DFが処理を誤ったところを奪って決めたものだが、うまく相手の視界から消え、GKに戻そうとスピードを緩めたところで彼自身は逆にスピードを猛然と上げ、一気に奪い角度のないところから決めた。

昨シーズンはお世辞にも「スピードはあるけどまだまだ荒削り」という印象が否めなかったが、この一年で決定力など一気に成長スピードが加速。チームとしても若返りと成績が上昇していることもプラスだ。

アダイウトン(FC東京)

奪った2得点はヘッドとCKからのこぼれ球を拾ったものだったが、やはりボールを持ったときの力強いドリブル突破はまさしく「重戦車」であり、欠かせない存在。

前線からの守備もそつなくこなし、東京加入3年目で周りを使ったコンビネーションプレーも上手くなった印象。

5月にはアウェー・ヤマハスタジアムにて古巣磐田とも初対決が控える。磐田サポーターの前でどのようなプレーをするのか興味がある。

リザーブ

ヤクブ・スウォビィク(FC東京)

好調FC東京を支える「クバ神」。絶望的なシュートも何度も掻き出す手の長さを武器としたセービング能力は超人的だ。

特にCKなどの混戦の中でも落ち着いて自分のセービングができるところがGK大国ポーランドが生んだGKらしいと言ったところ(カミンスキーもそんな感じでした)。

昨シーズンのFC東京の弱点だったGKに彼が座ったことで大きな安定感をもたらしている。

池田樹雷人(秋田)

左利きの大型CB。攻め込まれながらも無失点に抑えた群馬戦では、持ち前の高さと力強さで途中からも大型FWを多く投入してきた群馬の攻撃を90分間安定したプレーで封じたことを高く評価。

左足のフィードやクリアの力強さもあり、今後の秋田でも必要不可欠な選手になっていくだろう。

下川陽太(松本)

相模原戦では右サイドバックのポジションで特に後半、縦に早いカウンター攻撃の起点として攻守に大活躍。相手のこぼれ球を拾っての仕掛けやミドルシュート、クロスといったところで獅子奮迅の活躍を見せた。

昨シーズンは守備面で裏を取られる場面が目立ったが、今季は身体を張ってしっかりと止めきる場面も増えてきたのは成長の証。もちろん、オーバーラップしてのアシストなどでも貢献したいところだ。

飯尾竜太朗(秋田)

群馬戦ではボール奪取からの素早い切り返しで相手ディフェンスをうまく交わしてのピンポイントクロスで青木翔大の決勝点をアシスト。

両サイドバックをこなせる万能性や、苦しい時間帯でもオーバーラップができる運動量も大きな魅力だ。昨シーズンは終盤に得点を自ら決める場面もあった。

今シーズンはCKのキッカーも務めており、前述した少ないチャンスを確実に仕留め、最後まで走り切る秋田のサッカーにはまだまだ経験も豊富な彼の力が求められる。

岩上祐三(群馬)

今回選んだメンバーの中で唯一敗れたチームの中から選ばせてもらったが、やはりこの男の存在感は抜群だったので選んだ。

今シーズン好調の群馬ではキャプテンマークも巻き、あらゆる場面に顔を出したり、セットプレーのキッカーやロングスロー、左右関係なく力強いミドルシュートなど引き出しの多さと状況判断力が備わったいい意味での嫌らしさは松本や大宮にいた頃と変わらない。

順位こそ昨シーズンよりも上だが、攻撃力には課題のある群馬をもう一段階引き上げる存在になることを今後も期待したい。

菊井悠介(松本)

ボールタッチのテクニックと周りを活かすパスセンスに優れたルーキーで、序盤は途中出場が多かったが徐々に先発にも定着。プレーが止まったときに名波監督からの戦術の指示の伝達役を担っていることからもチームの信頼が伺える。

FW登録になっているがどちらかというとシャドーやトップ下のほうが生きそうなタイプで、かつて所属していた工藤浩平(現:栃木シティ)にプレースタイルが似ているように見える。

前述した横山、そしてボランチの住田将と若い力がどんどん台頭する松本において今後も昇格へのキーマンになりそうだ。

永井謙佑(FC東京)

ゴールこそ4月はなかったが、相変わらずの献身的なスプリントや、神戸戦のアダイウトンのゴールをアシストしたようなサイドでの動きが際立っていたため選出。

開幕当初は紺野和也にスタメンを譲ることが多かったものの、4月は先発の機会が増え、スピードで相手ディフェンスを追い回す形が増え、ミスを誘った。

彼のファウルでゴールこそ取り消しになったが、国立でのG大阪戦で三浦弦太からボールを奪ったシーンは、ほぼゴールの可能性が高くないシーンでも彼のチェックがあればいくらでもチャンスになるということを証明したシーンであり、この試合を実況していたDAZNの桑原学さんもジャッジリプレイでこの献身性を称賛していた。

MVP

戸嶋祥郎(柏)

献身的な選手の選出が目立った今月。

対戦相手の磐田の一人のサポーターとしても、柏に圧倒され完敗した試合で、得点も奪い走り回っていた印象の強さから戸嶋祥郎が今月のMVPとさせてもらった。

チームとしても下馬評が低かった中でここまでの上位争いをしているところも高く評価。

フォーメーションは4-4-2。
スピードと献身性のある選手が多めの選出。
そしてFC東京の出来が二試合とも高かったことも評価

ベストゴール

レアンドロ(FC東京)
FC東京vsG大阪(国立)後半20分のゴール

2021年の1月のルヴァンカップ決勝でも見事なカットインからのドリブルシュートを決め、MVPも獲得している「新国立男」のレアンドロが復帰戦で突き刺した圧巻の個人技からのミドルが今月のベストゴール。

前半にFC東京が先制するもG大阪の反撃ムードが高まっていた時間帯に傾きかけた流れを一人で呼び戻した一撃。手でうまくボランチの相手をブロックしつつ、さらに寄せてくるDFのシュート予測もあざ笑うタイミングを外しての強烈シュートの流れは何度でも見たいシーンだ。

ベストゲーム

4/6 FC東京3-1神戸(味スタ)

未勝利だった神戸が相手のミスから先制し、イニエスタを中心に耐えながらもうまくゲームを進めた前半。

しかし後半になると一変、右サイドを軸に3発で一気に試合をひっくり返したFC東京。シンプルな楽しさと、FC東京の新たなサッカーの可能性を感じたゲーム。

ベストゴールからは惜しくも漏れたが、森重真人の勝ち越しゴールに至るまでのパスワークの流れの芸術点の高さと、感情をむき出しにして膝すべりをする森重も絵になる。

そして試合後に古巣相手に挨拶に来た橋本拳人のときの味スタの空気感も含めて、フットボールの良さが存分に詰まった試合。

今月の感想

毎年当たり前ではあるが、4月になると徐々に実力がわかってくる。下馬評の期待通りのチーム。良くも悪くも期待を裏切るチーム。2・3月は良かったけど化けの皮が剥がれたように失速するチーム。逆に修正してくるチーム。

チームだけではなく、選手の成長もまた然り。4月の例であげると横山歩夢(松本)が一番の成功例だ。彼の項目でも書いたが、この成長曲線の早さは想定をいい意味で遥かに超えてきた。

また、序盤は怪我や来日遅れ、もちろんどうしても実力不足な面もあるだろうが、スタメンから漏れていた選手の逆襲も興味深い。その例だと永井謙佑(FC東京)やリカルド・グラッサ(磐田)が当てはまる。
永井に関しては昨シーズンと変わらない献身性で相手を追い回し続ける姿勢は本当にいつ見ても頭が下がるし、リカルド・グラッサに関しても彼の加入によって磐田のディフェンスラインは若干の3バックの並びの変化もプラスしつつ、当初よりは安定してきた。このように1ヶ月で新たな色が出てくると、より応援するチームの見方は面白くなる。

4月のマスコットたち。
この記事には上げてませんがプライベートで愛媛の一平くんとなぜか来日していたマンチェスター・シティのムーンチェスターにはひっそりプライベートで会ってきました(笑)
Twitterなど見ていると、アウェーマスコットの遠征も徐々に増えてきましたね

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?