生物学的経済学3:閑話休題1

仕事が一段落して時間ができたので、生物学的経済学の続きを再開します。といっても、本格再開の前に、閑話休題の話題をひとつ。

もう30年も前に「生物学的経済学」と題して、当時のパソコン通信の経済フォーラムに連像投稿していたことがあることは前に書いた。当時、その最初の書き出しの回を、次の文章で書き起こしたのである。
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さて。。。
自然科学の一分野に、生態学「Ecology:エコロジー」というものがあり、
社会科学の一分野に、経済学「Economics:エコノミクス」がある。

そこでこれら二つを比べてみると、「どこか似ている」と思わないだろうか。
そう、「Eco:エコ」という最初の3文字の部分が、共通なのである。なぜだろうか。
通常はまったく異なる分野の科学と思われている生態学と経済学に、このように共通の部分があるのは、単なる偶然だろうか。もちろん偶然などではない。これにはれっきとした理由があるからである。

じつは「Eco」というのは、ギリシャ語の「OIKOS:オイコス:家」という単語を元にして作られた人造語なのである。ほかの部分も調べてみよう。(OIKOSは英語の「house:家」の語源でもある)

Ecologyのlogyの部分は、ギリシャ語の「LOGOS:ロゴス:学問」という単語が元になっている。また Economicsのnomicsの部分は、ラテン語の「nomos:ノモス:管理・経営」という単語が元になっている。したがって、語源に従って意味を読み取ると、
●Ecology:OIKOS+LOGOS:家+学問:家の学問=「家庭学」くらいの意味。
●Economics:OIKOS+nomos;家+経営:家の経営学=「家政学」くらいの意味。
となるだろう。ちなみに、これら語源については、オクスフォード英語辞典を見れば出ている。

前に書いたように、H・G・ウェルズは「人間の仕事と富と幸福」という彼の経済学書の冒頭に「経済学は生物学一分野」だと書いた。社会学である経済学は、彼が言うように「人間生態学=ヒューマン・エコロジー」にほかならないのである。
(つづく)


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