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鬼ごっこというインフレの塊

多くの人は子供の頃に「鬼ごっこ」という遊びをしたことがあるはずだ。

念の為やったことがない人のために説明すると1人だけ鬼という役が与えられ、
他はその鬼から逃げるというゲーム。
鬼にタッチされるとその人が次の鬼となる。鬼が誰かをタッチして鬼を交代する。これが無限に続いていく遊びだ。

この遊びは派生版が多くあり、自分がやった中では「増え鬼」や「氷鬼」
「ケイドロ」など。
どれも独自のルールがあり、個人的には「増え鬼」と「ケイドロ」が殿堂入りといった感じ。

一見インフレなんて起こりそうにもない遊びだが、実は問題が一つだけある。
その問題とは、
鬼ごっこをする多くが子供だということだ。

基本的に子供という人種は自分を有利にしたいものなので、
ゲームバランスを崩壊させてしまうことなんてよくある。

「鬼ごっこ」というのはそのインフレの集大成と言っても過言ではない。

最初にタッチすることで鬼になると書いていたが、みんな手でタッチすると思ったのではないのだろうか。実際そうだ。そういうゲームだ。
しかし、彼らはそんな面倒臭いことはしない。
彼らは指からビームを発射し、そのビームでタッチするという新技術を開発する。
もう分かると思うが、無茶苦茶だ。固定概念に囚われて無さすぎるとこういうことになってしまう。

無論、このビームが開発されてしまって逃げる側には不満が募る。
彼らは鬼と交渉し、ビームの発射を禁じたのだろうか?いや違う。
彼らはそれを防ぐバリアを編み出した。意味がわからない。
自分たちの大業が簡単に防がれてしまったのだ。鬼はもちろん面白くない。
今度こそ交渉した?いや違う。
バリアを貫通するビームを発明した。

なんだそれ。

新たなビームが開発されたことでもちろん逃げる側も絶対に貫通されないバリアを作り出す。
後出しジャンケンが繰り返されている感じだ。なんと馬鹿馬鹿しい。

こんなもの一体誰が考えるんだと思う人も多くいるだろう。
正直に言おう。保育園の時に自分が考えた。
仲間内で初めて考えたのは自分だった。
当時はビームタッチみたいな理不尽すぎる感じではなく、5分に1回だけ懐中電灯を使用することができ、その光に触れたものが鬼になるという感じ。
それが徐々に形を変えられていき、みんなご存知のビームタッチとなったわけだ。
正直後悔している。
自分が発明したものが勝手にいじられて、全く別のものになってしまうのだ。
自分の発明品が望まない方向へ進化を遂げてく姿というのはなんとも言えない虚しさがある。
エジソンも発明した電球が光る帽子へと変化すると悲しくなるに決まっている。

発明してそれを広めるというのは、良くも悪くもいずれ進化するということだ。
これから何かを発明しようとしている人はそれを忘れないでほしい。

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