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折れてみてわかるもの

2023年の私の三大ニュースにも入る、人生初の骨折。

10月半ば、引っ越し作業中に、暗くて見えなかった側溝に落ち、バランスを崩して肋骨を強打。あばら骨を2本折った。
49歳にして初の骨折である。

だいたいあばら骨というは、咳をし過ぎて折れる人もいるくらい、けっこう簡単に折れるものらしい。そんなことも初めて知った。

そして、右わき腹のあばらを折って、わかったことがある。

あばら骨は、意外な動きで頑張っている、ということだ。

たとえば、北海道の地方都市では車が欠かせないので、毎日当たり前のように車を運転するが、何の気なしにシートベルトを締める。
これが痛い。
たぶん、一番痛かったと思う。

運転時に「シートベルトを締める」という動きを分解すると
右斜め上についているシートベルトを、上半身をやや左にひねりながら右手&左手で掴み、そのまま左下に向かって引っ張り下げて、金具に装着する、となる。

この「右斜め上から左下に引っ張り下げる」という動作をするとき、右の肋骨は意外に動く。ということがわかった。

これまで何度となくシートベルトを締めてきたが、その時にあばらを意識したことがあっただろうか…。いや、ない。
今まで、シートベルト着用時に、こんなにあばら骨に世話になっていたことを骨折して初めて知ったのだ。

そして、運転時にもう1つ。
左に曲がる際、ハンドルを左に回す動作、これも痛かった。
こんな時にも、右のあばら骨は頑張っていた!

折ってみて、初めて知るあばらの活躍。

失ってみて、初めて知るその人やモノのありがたみ。と同じだ。

そんなことをしみじみ思う年末。
骨折から2か月たち、おそらくくっついたであろうあばら骨はもう痛まない。ありがとう、あばら。
一度意識を向けたあばらに対する感謝を、わたしはもう忘れない。



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