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ぼくたちの夏休み2023@東北 初日①:東北道を進路に取れ

少し遅めの夏休みを、会社からもらった。
去年は10月ごろだったが、今年は少し前倒して9月の頭にした。

春の新婚旅行は南、九州へ。
連休明けの小旅行は西、山梨へ。
何かと日差しが強そうな方面に、二人で出かけることが多かった。
本来、僕のルーツは父方が新潟と富山、母方は山形という雪国サラブレッド。
おかげでついた肉や脂は落ちにくいことこの上ないけれど、水であったり風土であったりに親しみがあるのは間違いなく北の方面だ。

妻に聞いてみたところ、仙台以北に行ったことがないという(交際し始めた頃、僕は仙台を拠点に働いていた)。
そして、東北はまるっと未経験という。
僕も南東北にあたる山形や宮城は経験があるけれど、福島側の山形や北東北はあまり行ったことがない。
自分のルーツと地続きの東北へ、そして妻にとっては全くの未知となる東北へ、今年の夏は足を伸ばすことにした。

行ってきたぜ、東北。

出発:東北道を進路に取れ

出発は日曜の昼過ぎになった。
妻の仕事が午前中に入っており、仕事終わりに妻を拾ってそのまま東北へ繰り出すという、なかなかな冒険旅行だ。

青春18きっぷはまだ余裕があったけれど、今回は夏前に納車したマイカーで出かけることにした。
我が家にやってきたのは、スバル・インプレッサスポーツ2017年式。

納車1ヶ月前に純正ナビの更新期限が来て、PioneerのディスプレイオーディオDMH-SZ700を導入。

旅行に出る時点で燃費がリッター10kmという、天井知らずにガソリン価格の値上げが続く中で狂おしくなるほど贅沢にエネルギーを使って走る可愛いやつだ。
木更津の道の駅などにはこの車ですでに出かけていたけれど、今回の旅行は総走行距離1,000kmほどのロングドライブ。
これまで折に触れて借りたレンタカーたちと比べて安定感のあるポテっとしたボディと、それに似つかわない人馬一体感。そしてなによりも、ドライバーの負担を軽減すると共に(きっと)燃費を伸ばしてくれる運転アシスト機能「アイサイトver.3」が搭載されている。

この車で東京の三多摩地区から一路、東北地方を目指す。
ディスプレイオーディオ(ナビ機能がなく、スマホのアプリなどと連動してくれるカーナビみたいなモニター)は大泉ICから東京外環を経由して東北道へ誘導してくれた。
日曜日の午後ではあったものの夏休みのどピークを過ぎていたためか都内・住宅地は比較的空いていて、長距離移動前の給油も含めて問題なく東北道へ向かうことができた。

後から考えれば、できすぎるくらいスタート。本当に何事もなかった。
きっと、嵐の前の静けさだったのかもしれない。

SAラプソディ前編:蓮田・那須高原

お昼過ぎのスタートだったので、ランチはSAで取ることに決めていた。
東北道の南側、埼玉北部〜福島までは名物SAがいくつもあり、美味しいものには事欠かない。
個人的には、移動が本格化する前の栃木・上河内SAで宇都宮餃子なんかを食べられればなと考えていた。

が、妻との合流時間から移動時間を逆算すると、栃木に着くのは早くても14時半ごろだった。
仙台は近過ぎず、そして遠過ぎない地方拠点都市だ。
東北は広い面積の県がいくつもあるけれど、縦にはそこまで長くない県が多く縦断するにはそんなに時間がかからない。
仙台では後述するが夕食で何を食べるか決めていたため、そこに向けてお腹を作っておく必要があるが、上河内から仙台までは2時間半、長く見積もっても3時間あれば着いてしまう。
宇都宮餃子と仙台名物(言わずもがな)、二兎を追う者は一兎をも得ずとはこのことだ。
昼食は、お互いのお腹の調子を見ながら早めに埼玉県内のSAで取ることにした。

蓮田SA どこでもあるどこか

ランチ会場となったのは、早めも早め。
東京外環から東北道に入って最初のSA、蓮田SAだ。

有名チェーンが並ぶようなフードコートも特に入っていない、Theいにしへの横に細長いサービスエリア。

下り側は割とこぢんまりとしていて、上り側はまるで基地のように大きい上下非対称の規模感を持ったSAだということは、帰りに気がついた。
僕は炙り豚丼、妻はオムカレーを頼んだが、90~00年代に家族旅行で高速道路へ行ったことがある方なら「あるある」と頷いていただけるであろう、どこにでもある金太郎飴みたいなSAだ。
地名はマイルストーンとしての意味以上は持っておらず、昨今増えてきたテーマパークのようなSAや道の駅の様相はそこには見えない。
自宅より少し待ち時間のかかるレトルトメニューを頼み、外食価格のそれをお腹に収めたら飲み物を買ってそそくさと移動することにした。

目的地は仙台。
仙台は近過ぎず、そして遠過ぎない地方拠点都市だ。

那須高原SA 安全運転で行きましょう。

蓮田で購入したのは、二人ともコーヒーだった。
メインで運転する僕はブラック、仕事終わりでゆったりしたい妻はラテ系と違いこそあるけれど、二人ともしっかりカフェインを摂取していたのである程度お腹が落ち着いて時間も経ってくると一呼吸入れたくなってくる。

また、ある程度走っているとなんとなく道中の車の感じが見慣れ始め、同じ速度感で走っている車にはなんとなくだが仲間意識も芽生え始める。
一方、爆速で飛ばしていくスピード狂を見たり、縫うように車線を行き来して前の車を追い抜いていくドライバーを見ていると、一体何に取り憑かれているんだろうと不思議な気持ちにもなる。

一台のスポーツカーが、まだ東北道が三車線の間にものすごいスピードで駆け抜けていった。
東北道は栃木エリアと岩手エリアでそれぞれ120km制限を実験的にしていたけれど、その速度に合わせて走っていてまるで光のように抜けていったあの車は、きっと都内や大宮以南を走っている新幹線よりもスピードを出していたと思う。

そんな爆速スポーツカーと再び顔を合わせたのは、一呼吸(すなわちトイレ休憩)を取ろうと立ち寄った那須高原SAだ。

SA自体も駐車場から階段を上がった高台にあった。そういうところも高原感ある。

SAへ入ろうとしたら、入口をすこし進んだところでスポーツカーと銀色のセダンが寄り添うように止まっていた。
何か問題があったのかなと思ったら、銀色のセダンの天井に回転灯があり何があったのかを一瞬で察した。

アイサイトver.3のドライブアシスト機能「クルーズコントロール」は、最高速度が法定速度以上には出せないように設定されている。

そして、我が家のインプレッサは納車時の設定だったのか、なぜか最高速度の設定が120km/hまで至らないようになっていた。
これは最初はちょっとストレスを感じたけれど、那須高原SAで自分達を追い越していったスポーツカーを見てなるほど、と思った。

車という、走ることも休むことも自分達でコントロールできる移動手段で旅をしているのだ。
安全に、そして気持ちに余裕を持って走るのが一番だ。
車と会話するように走れるこの機能を妻にも使ってみて欲しくなり、ここから次の休憩までハンドルを預けることにした。

☝️初日聞いていたプレイリストより。DEENの最初のベストアルバムは、その後バイトするレンタルビデオ店でのディスク研磨サービスに何度もお世話になるくらい、我が家では旅行中のナンバーとして聴き込んでいた。
(思ったより長くなったので、パート②へ分けます。)

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