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なぜ、デザインなのか?

デザインとは、課題を定義し解決すること

私たちの仕事を説明するときにデザインという言葉を使っている。

ここで言うデザインとは、美しい意匠を制作するという狭義の意味ではなく、複雑に絡み合った課題を整理して解決するという広義の意味である。

事業構想大学院大学では、事業構想をProject Designと英訳している。
ここでは、デザイン = 構想であり、画餅(絵に描いた餅)や意匠のことではなく、複雑な社会課題を解決する事業を組み立てることを指している。

先日、パネルディスカッションでご一緒した人形師の中村弘峰さんは、以下の言葉の定義を語り、後藤がやっているのはデザインそのものだと断言してくれて、すっきり腹落ちしたのを鮮明に覚えている。

デザイン = ソリューション …社会の課題を解決すること
アート  = クエスチョン  …社会に問いを立てること
(中村弘峰)

大きな構想に裏打ちされた小さな第一歩を

不確実な時代に、未来を正確に予測することは不可能だ。
精緻な静止画としての未来像を描き、その実現に向けた中長期の工程を描く、旧来型のマスタープランはうまく機能しない。

それゆえに、大きな方向性の仮説にもとづいて小さな行動を開始し、成果を細かく検証しながら軌道修正を重ねていくアプローチが必然となっている。ポートランドの地域骨格計画も、その一例である。

未来を予測する最も確実な方法は、それを発明することだ
(アラン・ケイ)

テクノロジーの革新によって、個人の社会に対する影響力が増している。
これまでは大きな資本や組織でしかできなかったことが、個人のネットワークによってできる時代である。

将来を構想する作業を完全に放棄して、目の前のやれることだけをするのでは、もったいない。

実験で終わる実験
行動に繋がらない調査
書棚に飾られる計画
未来を語らない呑み会
いずれにも空しさや徒労感がつきまとう。


やれることではなく、やるべきことに取組むことで、やりがいは出てくるのだと思う。
そして、大きな構想に裏打ちされた、志のある小さな仕事は、保守的な人々をも結果的に巻き込み、社会を大きく変えていく可能性を持っている。

私たちは、小さくても社会にインパクトを出す仕事をして行きたい。
そして、そのような思いを持つ方々と一緒に、行動をして行きたい。

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