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【大人の読書感想文】月まで三キロ 伊与原新

みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです

思うように読書ができていない日々が続いていましたが、先週一週間はゆっ
くりと時間が取れたので、読書を楽しみました。

2か月ほど前、読書仲間に手渡された本。
ようやく読むことが出来たので、サクッと感想を書いていこうかと思います。

【大人の読書感想文】 月まで三キロ  伊代原新 著

短編7本が収録され、非常に読みやすい。
僕個人の小説の楽しみ方としては、じっくり物語が展開していき、点と点がつながっていくのがたまらなく好きだ。なので、実のところ短編集を自分から好んで読むことはほとんどない。おそらく最後に呼んだ短編集は伊坂幸太郎の終末のフールだと思う。といってもあの本は短編同士が伏線になって物語を立体的にしてく手法がとられているので、ほとんど短編集を読んでいる感覚はなかったが。

それはさておき、本書は
・月まで三キロ
・星六花
・アンモナイトの探し方
・天王寺ハイエイタス
・エイリアンの食堂
・山を刻む
・新参者の富士
が収録されている。

僕のお気に入りは、「エイリアン食堂」。
登場人物の地味で無口なプレアさん(僕の妄想では絶対美人だと思っている)が鈴花のけな気で純粋な質問に心開いていくところや、鈴花と謙介の間に起こった乗り越えがたい出来事と同時に起こるプレアさんを取り巻く環境の変化に物語が動いていくシーンは読み手のいろんな妄想を書きたてること間違いない。突然失われる日常に対してもけな気に行動し続ける鈴花と、ラストのプレアさんの台詞、謙介の過去と向き合うシーンは、ジーンとしながら読み切ってしまった。登場人物みんな頑張れ!!と応援したくなる。

月まで三キロ
夜、人通りのほとんどない山道で、主人公である自殺を考える私とタクシー運転手が対話するシーン。
夜木々の間を通り抜ける風の匂い、静けさと月の光。
五感をつかって文字から入るその状況を映像として楽しめるストーリーだった。
お互いに背負うものは重たく、一生そこから抜けることはないのかもしれないが、必死にもがきながらも前へと進もうと決めた私と、それを後押しするちょぴりユーモアあるタクシー運転手のセリフが何ともふわりと軽く、それでいて繊細でだった。

僕個人的には、天文学が好きだ。本書は全体を通して、月の話、粒子と宇宙、天文学、地層学など、かなり専門的な知識も入っていて楽しめる。専門的なんだけれど、それでいて堅苦しくない。物語との親和性も高く、学びながら物語りに入り込み、どれも最後には心地よく裏切られた。
読んだあとにほっこり、スッキリ。
これは読んでおいてよかったな、そんな作品たちと出会える本。
是非、よんでみてくださいね。

良かったら読み終わった後にこちらにコメントもらえたら嬉しいです。
読書感想文を語り合える、そんな場所にもなればと思います。
次は、「傲慢と善良」辻村深月さんの本を読んでいこうかと思います。
楽しみです。

※投稿内容は全て個人の見解です。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます!
よろしければフォローも是非お願いします!!
また次回お会いしましょう。
Best,
Tai

✎2024年より✎
2024年1月1日 能登半島地震で被災された皆様、1日も早い安心安全な日常への復旧を願うとともに災害に関わる医療者として自分に出来る形でのサポートを模索していこうと思います。
亡くなられた方々へのご冥福をお祈り申し上げます。
被災地への僕なりの形として、国内外の災害に精通する医療者として、日本の民間企業の災害支援事業をアドバイザーとしてサポートすることになりました。一般社団法人Nurse-Men のメンバーを中心といた民間の災害対策本部を設置し、中長期的な被災地支援を実施していきます。
ご支援いただけますと幸いです。

尚、ぼくの投稿は全文公開にしていますが、有料記事設定しています。
頂いた金額は2024年1年間は能登復興支援に活用させていただきます。
よろしくお願いします☺

「🏝Naluプロジェクト🏝」
みんなで応援し合える場所づくりとしてメンバーシップを立ち上げ運営しています。2024年で2年が経ちました!興味がある方は一緒にメンバーシップを盛り上げてくれると嬉しいです。


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