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【人道支援チャド】緊急支援チームでの働き方~僕はチャドでも住所を持たない~

割引あり

みなさんこんにちは
人道支援家のTaichiroSatoです。

ご無沙汰しています。
気が付けばチャドに来てから1か月以上が経過している今日この頃。
なかなか見えにくいチャドでの活動を少し文字に整えて、可能な範囲で見える化していきたいと思います。

ここ数週間は、電波のない地域でシャカリキ活動していたため、noteを更新できていませんでしたが、本当にいろんなことがありました。本当に1か月しかたっていないのかと疑いたくなるほど。今は首都の電波の入る場所に返ってきて少し一息ついた段階でnoteを更新してみます。
面白ネタは、次回以降に投稿ということにして、
今回は活動概要をお伝えすることにします。

緊急支援チームへの加入
チャドの緊急支援チームの看護師マネージャーとしてチームに加わった僕。チャドの首都ンジャメナを拠点として、首都とそこから800Kmほど離れた地域(例えるなら、東京と九州で活動するイメージ、大きさもちょうどそのくらい)の2か所をカバーしている。
現在の基本的な活動内容は、感染症アウトブレイクの対応と終息。
小さな子供たちの命を守る活動だ。

九州地区(チャドです)の感染対策。
軽傷から重症の感染症患者の治療と、感染患者の発見と診療、
コミュニティへの理解、ワクチンキャンペーンetc…

僕たち緊急支援チームの目的は、できるだけ短期間に緊急的な事態を脱し地域の通常運転に戻すこと。
病院職の人はわかるかもしれないが院内で言えば、コードブルー、院内急変チームのような存在で、緊急事態に立ち向かい、解決し去っていく。それのチャド国Ver.といったところだろうか。

チャドという国は、4方を他国に囲まれ、北は砂漠、西にチャド湖という自然資源、南にカメルーンと中央アフリカ、東にスーダンという環境であり、常に隣国や自然環境によるインパクトを受けやすい国である。そのため、各々の場所をいろんなNGOが担当を分けてプロジェクトを持っていて日ごろから政府各省と連携し経過を観察している。何かしらインパクトが起こったときにすぐに誰かが初動を起こせるようにしてあるというわけだ。

僕の経験上、緊急支援という名のつくもの、48時間以内に出動、などいろんな基準があり、国や団体など様々な取り組みをしているが、例えば普段からその地に精通していない緊急支援チームがいきなり外からやってきて2~3週間でパフォーマンス出すのかかなり困難だと実感している。
ここではあくまで理想の話をしよう。平時から火が起こりそうなところに、火が起こったら大変なことになる脆弱な場所に常にチームの誰かが滞在していて、煙が出たらすぐに駆け付けるフットワークの軽いチームがいること、これこそ一番質の高い緊急支援チームなのだと思う。
もちろんそこにかかる費用やマネジメント労力、など考慮すべき点はたくさんある。そして、そんな活動を体現しているのが僕らの今のチームである。


4月5月の激動を終え、ついに九州地区(チャドです!)での感染の終息の迎えた。久々に首都へと帰り、数週間ぶりに戻った僕の部屋にある代り映えのないベッドに倒れ込むと、僕はそのまま眠りこけた。
そしてそのあと、しばらくの間僕は、疲労のせいなのか食事のせいなのか、派手に体調を崩したのであった。

チャドであっても住所のない看護師
看護師として世界で活動する僕のことを、とある先輩は
「住所のない看護師」と表現した。
それは今の等身大の僕を表すのにちょうどいいと思ったので、自己紹介やプロフィールなどで使わせてもらっている。
日本にいる滞在している期間も1年間のうちさほど長くなく、いろんな国で活動する僕だが、活動する国に入ったら一か所に数か月滞在し活動するのが今までだった。

しかし今回のチャドは、チャドの首都の拠点にですら何日滞在しているかわからない。
来週からどこに行くのか、どのくらいそこで活動するのかも未定。
カバン1つと僕の体と大切な仲間たち。
ジプシーな生活は続く。
僕が考える緊急支援チームのカタチを体現しているチームでの活動は、
チームを支える仲間たちも、
一緒に活動するメンバーたちも、
かなりタフじゃないとやっていけないようだ。

携帯のメモ
九州地区(チャドです、)から首都への帰り路。
プロジェクトの疲労と、丸2日間の移動でほとんど覚えていないが
でっこぼっこの道なき道に揺られながら、
携帯にこんなメモをしていたようだ。

世界のどこにいても
必要なところに行く努力をしよう
そこで僕らに出来ることを見つけ
なければ作り、できる限り解決しよう

今日も僕らは動く

病院に急変対応チームがあるように
世界で活動するエマージェンシーチームがいる

毎日、大なり小なり問題が起こる
時々ものすごいのが来る
その都度僕らは
足を使って現地へと行き
チームで解決するのだ

僕らはチェーンのほんの一部でしかない
支えてくれる50人のコーディネーションサポート
そして、僕らと共に活動してくれる
200人以上の医療スタッフや現地スタッフがここにいる
更に800キロ先の首都にも僕らの仲間たちがいる

オーガナイズすることは簡単じゃなくて
プランはあくまでプランで
準備は怒涛で
日が昇る前から日付が変わるまで
毎日がしゃかりきだけど、

住所のない場所に住む人たち
その地で生まれ育つ子供たち

そんな現場に足を運び、
それぞれのスタッフの活躍を見ると
やっててよかったと思える
現地の人たちや子供たちを見ると
頑張ろうと思える

そしてアウトブレイクの終息。
その日を迎え
子どもたちの命が守れたこと
防ぎ得る死を減らせたことが
やはり大切なことだと実感する

僕らの先には
体重が10キロにも満たない
腕周りが10cmくらいしかない子供達の
眩しいくらいの笑顔と世界の未来がある

彼らの為にできることが
今の僕らのチームにあるのであれば
僕らに住所なんていらない


あとがき:スーダンでのインパクト
首都へ帰還後、
僕の体は短眠不休で満身創痍。
九州地区での活動が終わり、
仲良しのブバカ(現場の指揮官、一番偉い人)と少し疲れたらから休もうよと、僕は冗談を言った。

するとブバカは、

スーダンの件があるのに俺らのチームに休んでる暇なんてあるか!!
はっはっはーー!!

と笑っていた。
彼もタフな男だなーと思っていた翌日、
僕もブバカも、ばっちり、体調を崩したのだった。

僕らが体調を崩している間も、
コーディネーションチームは次なる場所の計画を進め
そして僕らはまた次なる場所へと動く。

サポートが必要な人たちのもとへ。
カバンひとつ。
チームの心もひとつ。

そして自分の体もたまには大切にしようと思う。


※投稿内容は全て個人の見解です。
最後まで記事を読んでいただきありがとうございます!
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また次回お会いしましょう。

Best,
Tai

✎2022年5月より✎皆さんの「知らない世界🌎」を少しでも身近に感じてもらうきっかけになったら幸いです。

みんなで応援し合える場所づくりとして「🏝Naluプロジェクト🏝」サークルを立ち上げました!また、国際看護師をサポートするSNSコミュニティ「🌏NurseTerminal✈🌎」(通称ナスタミ✈)も仲間と一緒に立ち上げています。

https://instagram.com/nurseterminal

投稿は全文公開にしていますが、有料記事設定しています。みなさんへの感謝と頑張れ👍気持ちを込めてnoteの活動をしていくことがお互いのwin-winにつながったらこんなに嬉しいことはありません。是非とも応援よろしくお願いします☺


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