手間がかかる。誰かを幸せにするって、簡単じゃない。とはいえ、本来はそれが、それこそが快く楽しかった。だって、幸せなんだもん。幸せホルモン出るんだもん。

　自然に添って、この身を委ねると、心が快く楽しむ感覚を思い出す。苦悩の大海原に溺れる前の記憶。

　ただ、剥き出しの自然に人間は生きることができない、弱い弱い生き物。だから手をかけ、暇(時間)を費やし、自然と共に生きるの。
　自分の幸せだけを求めて、抗えば抗うほど、自然と自分が破壊され、幸せは遠退いてく。

　楽や便利なことばかりを追いかけていると、何でもないことが、苦になってくる。
　面倒なことでも楽しもうと工夫していると、何でもないことが、有り難くなってくる。

　神さまが人間を造ったわけじゃない。人間は習慣で造られている。習慣なら、人間にも工夫できる。
　誰かを幸せにする習慣を、日々に取り入れる工夫が、僕らの世界の歴史の、記憶にちゃんと刻まれている。