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苦楽暗苦 生涯称名

苦しみを伴わずにして
生命は実感できない
苦しんで
踠き苦しんで
のたうち回って苦しんで
苦しみに苦しみ抜いて
ふっとした僅か
生きる感覚が
よろこび?
みたいなものが
心に灯る
そうしてそれは
日常の微睡みに
融けて縺れる
忘れる
だからまた
新たな苦しみを
貪ろうと苦しむ

安易に人生について
楽しいことばかり
とは
とても言えない
言いたくない
今はまだ言いたくない
最後に取っておきたい
今言っても嘘だから
真実は逆だから
苦しみ切った
あー楽しかった
それだけ
最後の最後に
そう言いたい

楽に生きたい
快に溺れたい
けど
そこには
生命の意味は宿らない
あるのは
満ち足ることない心と
虚構
みな空事戯言
命の輪郭も暈けて滲む
生きる感覚も
よろこび?
みたいなものも
心に薄く
そうしてそれは
日常の微睡みに
融けて縺れる
忘れる
結局
生きること
苦しむこと
という
生活の問題は
どう生きる
お前はどう苦しむ
という
生命の問題に
包括されていて
切り離すこともできず

苦は苦の儘に
苦が苦で在ればこその

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