なにかできないか、なんとかならないのか、悩んでみてもなんともならない。変えられるとするならば、いつも自分。自分以外の問題は、コントロール不可能。これが鉄則。

　主義化したコミュニティも、それを成す人間独りひとりも、これまで築き上げるのに要した時間に至っても、全て自分以外の問題。

　小さな声で訴えても届くまい。

　しかし、そんな自分にだって、できることがないわけじゃない。

　空回りしだした共同体主義の内側でも、自分は、自分だけは、与える側の幸せを得るの。

　おいおい嫌だよ、無理だ。そんなの損なの、解ってるじゃん。

　そうだね、損だね。損なところから見ている限りは、いつまでたっても損だよね。

　じゃあさ、反対に聞くけどさ、得って何なのさ、損をしないことかい？

　違うね。損をさせないことさ。
　ほらね、やっぱり与える側の幸せさ。

　誰かに与え、誰かに尽くし、誰かを満たす、人間としての仁徳、徳を積んで、得を得る。