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「紀三井寺」参詣録【和歌山県・和歌山市】

紀三井寺きみいでらは、和歌山県和歌山市にあるお寺です。「紀三井山金剛宝寺護国院きみいさんこんごうほうじごこくいん」が正式名称です(紀三井寺は通称)。紀三井寺いわれは、紀州にある三つの井戸が有るお寺という意味で名付けられ、今も境内には清浄水しょうじょうすい楊柳水ようりゅうすい吉祥水きっしょうすいの3つの清水が湧き出ています。奈良時代に唐僧の為光いこう上人によって開創され、ご本尊は十一面観世音菩薩です。2017年(H29年)には「世界文化遺産」の構成文化財の一つに加えられました。春は早咲き桜の名所として有名で、近畿地方では最も早く開花することが通例なことから「近畿地方に春を呼ぶ寺」としても知られています。・・・と言うことで、今回は紀三井寺の参詣レポです。🙂👍



紀三井寺

紀三井寺きみいでらは、和歌山県和歌山市にある救世観音宗ぐぜかんのんしゅう総本山となるお寺です。正式名称は「紀三井山金剛宝寺護国院きみいさんこんごうほうじごこくいん」ですが通称は紀三井寺と呼ばれています。この紀三井寺とは「紀州にある三つの井戸が有るお寺」とのことから名付けられたと言われ、今でも境内には清浄水しょうじょうすい楊柳水ようりゅうすい吉祥水きっしょうすいの三井より清水が湧き出し、年中絶えることがありません。これら3つの湧き水は紀三井寺の三井水さんせいすいとして、1985年(S60年)に名水百選にも選定されています。😋ご本尊は、十一面観世音菩薩で、厄除・開運・良縁成就・安産・子授けにご利益があるとされています。紀三井寺の起源については、今から約1250年前の奈良時代(770年)に唐僧為光いこう上人によって開創されたと言われています。為光上人は唐(中国)から来日後、仏法を広めるため諸国行脚の途中、この地に訪れた時、自ら十一面観世菩薩像を彫り、建屋を建てこの菩薩像を安置されたのが始まりとされています。その後、境内には多くの文化財や宝物が伝来し、楼門、鐘楼、多宝塔は国指定の重要文化財(重文)の建造物です。境内から景勝和歌の浦を一望でき、遠くは淡路島、四国も眺望できる紀三井寺は、観光地としても人気のスポットです。境内は桜の名所として有名で、日本さくら名所100選にも選ばれています。本堂向かって左の桜の木が和歌山地方気象台のソメイヨシノの標本木に指定されており、近畿地方では最も早く開花することが通例のため、「近畿地方に春を呼ぶ寺」として広く認知されています。🤓


紀三井寺へのアクセス

■所在地
 〒641-0012 和歌山市紀三井寺1201

■公共交通機関でお越しの方
【京阪神・関西航空方面より】
 JR線和歌山駅より紀勢本線(きのくに線)乗り継ぎ、普通電車南方面へ2駅目紀三井寺駅下車。徒歩10分
【南海電鉄】
 和歌山市駅より和歌山バス海南方面行き乗車 紀三井寺バス停下車。徒歩10分
【高野山方面から】
 高野山-橋本(JR和歌山線)乗り換え、和歌山駅下車。約2時間20分
【新宮・那智・勝浦方面から】
 新宮-那智-勝浦(JRきのくに線)-海南駅(乗り換え)-紀三井寺駅下車。約4時間
■お車でお越しの方
【大阪から】

 阪神高速または近畿自動車道阪和自動車道を利用し、※和歌山ICまたは※和歌山南IC(スマートICにつきETCのみ)で下りる。
【関東方面から】
 東名・名神高速道路を経由し吹田ICで近畿自動車道、阪和自動車道へ乗り継ぎ、※1和歌山ICまたは※2和歌山南IC[スマートICにつきETCのみ]で下りる。
【九州・中国方面から】
 中国自動車道などを利用し吹田ICで近畿自動車道、阪和自動車道へ乗り継ぎ、※1和歌山ICまたは※2和歌山南IC[スマートICにつきETCのみ]で下りる。
 ※1和歌山ICからは、高速を下り、宮街道を和歌山市内方向へ進みJRの高架下をくぐり、田中町交差点を左折し国体道路を約4km。
 ※2和歌山南ICからは、高速を下り右折し、小雑賀交差点を左折。国体道路を南へ約1.7km。
【串本・白浜方面から】
 国道42号線を和歌山方面に北上し、湯浅御坊道路、海南湯浅道路、阪和自動車道を進み海南ICで下り、国道42号線を和歌山市方面に北上。

紀三井寺公式HP>アクセスaccessより抜粋
紀三井寺の所在地


境内マップ

紀三井寺境内の散策には、
紀三井寺の公式HP>境内の様子
から参照できる下記「境内の地図Precinct yard Map」が便利です。

境内の地図


境内散策(楼門~普門院~穀屋寺~芭蕉句碑~清浄水、楊柳水~松樹院~宝蔵院~仏殿)

楼門ろうもんへと続く参道(門前)から参拝スタートです。🙂👉

門前紀三井寺へ続く参道です。左右にお店が並んでいます🫡」
楼門仁王門〕(重文)/1509年(室町時代)に建立され その後何度も修理されました。間口3間(5.46m)、奥行2間(3.64m)あり、下階に扉が無い開放式で正面両脇に仁王像が安置されています🙂」
金剛力士像/ちょっと見え難いけど・・・🤨」
宝印奉持閻魔大王像/その昔 奈良長谷寺にいた徳道上人が冥土で閻魔大王に会った時、極楽往生できる33所の観音巡礼道(西国33所巡礼)を開くよう33個の宝印を授けたとされ、この33個の宝印を持つ閻魔大王はここにしかいないそうです😭」
「石段231段(結縁けちえん坂)の旅が始まる・・・🫡」

・・・因みに、みかん船で大儲けした紀の国屋文左衛門がこの坂の途中で草履の鼻緒が切れ、丁度そこに玉津島神社の宮司の娘が通りかかり、鼻緒をすげ替えたのが縁で二人が結ばれたと言うことから、この坂を「結縁けちえん」と呼ぶようになったんだとか・・・。😍

楼門(重文)・・・の後ろ姿」
普門院/紀三井寺の塔頭たっちゅう。扁額には「七鈴観音」とありお堂には十一面観音が祀られています。楼門から入って直ぐ左側です😌」
穀屋寺聖徳太子地蔵菩薩が祀られています。普門院の真向いです😌」
芭蕉翁句碑/「見上ぐれば 桜しもうて 紀三井寺」意味:せっかく桜の名所(紀三井寺)に来たのに、見上げると桜は散っていたなぁ😭」
紀三井寺の【三井】の由来、三位水の立て看」
清浄水しょうじょうすい水場/紀三井寺三井水の一つ。「罪障を洗い流し清らかな心に導いて下さる霊水」とあります😌」
楊柳水ようりゅうすい紀三井寺三井水の一つ。「飲むと人々を病から救って下さるありがたい水」😌」
「石段を歩いて登らずこのケーブルカーを使うと拝観料を取られます!(24/4/4までは徒歩参拝者は無料です!)😮」
松樹院紀三井寺塔頭たっちゅうです。身代わり大師がご本尊。災厄を代わりに受けてくれる厄落とし人形・厄除けのお守りなどあります😌」
宝蔵院紀三井寺塔頭たっちゅうです。」
「赤い前掛けのお地蔵さん/このお地蔵さんの右側道路を進むとケーブルカー山上駅です🙂👉」
還暦厄坂六十段/石段踏破まであと一息・・・六角堂の頭が見えるぞ!🫡」
仏殿仏殿の3階は展望台になっています(ただし有料)」
夫婦桜・正博桜と和代桜・・・って、なんにも咲いてないんですけど?🙄」
「大千手十一面観世御菩薩像/(撮影可です)寄木造りの立像としては日本一の高さ(全長12m)の木造千手観音立像😌🙄」
仏殿(2階展望回廊)からの眺望🫡🫡🫡」

・・・次は 六角堂・鐘楼方面へ移動します。🙂👉


境内散策(六角堂~鐘楼~大師堂~多宝塔~開山堂~本堂~松下講堂~善壽院)

続いて六角堂、鐘楼、大師堂、多宝塔、開山堂、本堂の拝観へ・・・🙂👉

六角堂(県指定有形文化財)/1750年(江戸時代)建立。西国33所観音霊場のそれぞれの礼所のご本尊を模した33体の観音像を祀っています🙂」
鐘楼(重文)/1588年(安土桃山時代)に再建、桃山時代の特徴が残っている建物🙂」
幸福観音像/敗戦後、日本に戻れず異国の地で命を落とした人々の冥福を祈って造られた観音様なのだそうです・・・😭」
大師堂(県指定有形文化財)/弘法大師(空海)を祀っている・・・はず🤔」
三社壇現(県指定有形文化財)白山はくさん権現、熊野くまの権現、金剛蔵王こんごうざおう権現を祀っている社です😌」
春子稲荷/迫りくる秀吉軍に対し当山観音堂に使えていた春子が白狐になって現れ、羽柴秀長から焼き討ち禁制の書状を取り付け、紀三井寺を戦火から救ったとの伝承がある厄除け稲荷社です😮😮」
多宝塔(重文)/1449(室町時代)建立。境内では最古。五智如来を祀っています。😌」
開山堂(県指定有形文化財)/本堂の横石段を上がって直ぐ左側です。(開山した為光上人を祀っている・・・はず🤔)」
本堂(県指定重文)/現在の本堂は1759年(江戸時代)に建立。桁行(横)と梁間(縦)が5間(9.1m)の入母屋造いりもやづくり、本瓦葺きの大建築物です🙂」
本堂/斜めサイドビュー🫡」
本堂/受付付近🙂」
お身代わり賓頭慮尊者/お身代わりなで仏・通称:びんずるさん。心身に痛み・悩みのある人は、自分の痛み・悩みのある部位とびんずるさんの同じ部位を交互になでてご祈念下さい😌」
絵馬殿/紀三井寺の伽藍の絵画が掛かっています🙂」
絵馬殿/(本堂と繋がっています)絵画や絵馬が掛かっています🙂」
手水舎/水は勿論、三井水の一つ 吉祥水=幸福招来の水です😮」
如意輪観音像/ごくらく橋を渡った正面に鎮座されています😌」
松下講堂(左)と本堂(左)/軒続きになっています👈🙂👉」
和歌の浦を望む眺望🫡🫡🫡」
一願地蔵尊/奉納金箔が1枚1500円で自分で貼ります・今だけ・・・だと思いますが😐」
「境内に、なんとエレベータ(2020年製)があります!😮」
「こりゃいいや、エレベータで下りよう!😊(閉まりつつあるエレベータのドア・・・)🤫」
善壽院ぜんとしいん紀三井寺の塔頭の一つ。お寺が真言宗から独立する前の「真言宗の石碑」が見えます😐👉」
善壽院/内部です」

ここでタイムアップ!お寺に到着してから1時間弱位。裏門方面への進出は断念し、楼門方面へ引き返しました。多少参拝が抜けた塔頭たっちゅうもありましたが、主要な建造物、仏像はお参りできた・・・かな?🤔

・・・紀三井寺の参詣録はここまで。


感想

意気込んで紀三井寺境内へ乗り込むと、いきなり石段231段の洗礼!
「フフン、めてもらっちゃ困るね!こちとら奈良は室生寺参拝の日に石段千段越えの上り下りの苦行を積んでるんだ!」などと気持ちだけは威勢が良かったものの、いざ登り始めると結構な急勾配ですぐに息切れ状態。
「ハアハア、ゼイゼイ・・・すみません、私の方がめてました」😖
てな感じのスタートでしたが、「結縁坂」の途中途中にあるお堂やお地蔵様の参拝を挟みながらだったので、何とか余力を持って登頂できました。😆

で、苦労して登った石段ですが、実は2022年に楼門のすぐ横から本堂すぐ下までケーブルカーが開通しており、更に山上駅からバリアフリーの遊歩道を通ってエレベータ乗り場へ移動すると一気に徒歩無しで本堂前まで行けちゃいます。でもこれってどうよ?‥何だかラクして参拝するのってご利益あるのかな?って感じ。でもまーそこは元山岳仏教の真言宗のお寺(現在は独立されていますが・・・)だけあって、しっかり石段を登って来た拝観者は拝観料が無料。ケーブルカーを使った拝観者は拝観が有料と、徒歩参拝者の心意気を汲んだ粋な計らいに 多少溜飲が下がりました(・・・但し、これも24/4/4までの時限立法だとか)🤔

仏殿では金ピカな高さ12mの大千手十一面観世音菩薩像を参拝しましたが、どこかの新興宗教の仏殿に建つ巨大観音様のような雰囲気・・・他の寺院ではほぼ間違いなく撮影禁止エリアなのですが、ここでは撮影OKと言うのも、その場にいた外国人は喜んでいましたが、日本人の私には違和感ありあり。さらに、1階からの拝観は無料なのに(もしくは、通常の拝観料のみ)、3階の展望回廊はプラス料金(100円)が必要と言うのも、参拝者と言うより観光客を意識しているかのようで、ちょっと商根の逞しさを感じました。🤨

・・・いや何もケチを付けたいと言う話ではなく、これから増々ますます高齢化が進む日本において、そして 当日も外国人観光客らしき団体を境内で見たことを考えると、高齢者のニーズやインバウンド需要をお寺側でもしっかり受け止め その時代時代の要求に応えて行くこと・・・つまりは、古臭い考え方に捕らわれず、お寺側でもどんどん革新的な変化・リフォームをし続けることこそが、この先が見えない混沌とした現代社会でお寺さんが生き残っていくために必要なことなのかもしれません。そう言う意味では、現代~これからのお寺はどうあるべきか?を考えさせられた参拝になりました。😊

最後まで本記事を読んでいただき、ありがとうございます。😌


まとめ

今回の参拝ルート


おまけ

西国三十三か所に纏わる伝承です。奈良の長谷寺(西国八番)の徳道上人という高僧が急な病気でお亡くなりになり、冥途の入り口で閻魔大王に出逢ったところから・・・。

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