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吉野家「生娘シャブ漬け」発言への批判が隠す不都合な真実

ちょっと前に、吉野家の取締役が「田舎から出てきた右も左もわからない女の子を無垢・生娘のうちに牛丼中毒にする」「男に高い飯を奢ってもらえるようになれば、(牛丼は)絶対に食べない」という発言をして解任されましたが、これについてちょっと考えたことを書きます。
ことの詳細はググればたくさんでてきます。こういうの。(https://www.businessinsider.jp/post-254054

結論から言うと、僕は「この人は言葉遣いは悪いし、こういう公の場で上場企業の取締役がこういう発言するのはアホだし、解任されて当然だけど、ビジネスって多かれ少なかれこういうこと考えてるよね」と思います。

どういうことか。

多分この取締役の発言が
「お客様(生娘)が他のサービス(=高い飯)に接する前に弊社の商品(吉野家の牛丼)に最大限価値を感じてもらい、なるべく多くの時間を弊社の店舗で過ごしていただける(=しゃぶ漬けにする)ように最大限努力いたしております」

だったら、多分問題にもなってないし、解任もされてないと思うわけです。

でも、だいたい同じこと言ってますよね?笑

ビジネス戦略として、他社に先駆けてユーザーに自社製品を使ってもらい、スイッチングコスト(他社の商品にのりかえるコスト)を高くすることで乗り換えを防ぐことは当たり前のように行われています。

自社サービスになるべく長い時間滞在してもらえるようにいろんなアルゴリズムを駆使してユーザーの注意をひくことももちろん行われています。フェイスブックとかがそれで批判さてますが、どんなサービスも多かれ少なかれやってるでしょ。

でも、こうやって、「ビジネス戦略」とか「スイッチングコスト」とか「ユーザー滞在時間」みたいな、横文字の混ざったビジネス的な言葉を使うと綺麗に聞こえる、というだけだと思います。

逆に言えば、こうやって綺麗なビジネス用語を使ってビジネス戦略をかっこよく語る人も、考えてることはこの吉野家の取締役と同じ、ということが往々にしてある、ということです。ただ言葉遣いがきれいなだけ。

なので、この取締役個人の発言は批判されて当たり前だし、解任されてオツ
でしたって感じですが、この発言だけとりあげて批判しても問題の根本はあんま見えないよね、と思います。

(むしろ、こういう過激な発言をしてくれると問題を表面化させてくれて議論が活発になるので、良いのかもしれません。トランプも、過激な発言をすることでそれまで隠れてた人種間の対立を表面に出した=膿を出した、という意味では一定の貢献があるのかもしれません。)

じゃあすべてのビジネスは搾取だからやめた方がいいのか、というと、そうでもなくて、やっぱりビジネスのお陰で世の中便利になってる側面はあるし(小腹がすいたら吉野家の牛丼さくっと安く食べられる)、すべてが悪いとは思いませんが、すくなくとも、綺麗な言葉を使ってビジネス戦略を語る裏にはなんかあるよなーと常にナナメに社会を見ていくのが良いのではないかと思うわけです。

おしまい。

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