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OKRは最高の経営システムだ

ユーザベースの佐久間です。

OKR = Objective & Key Result(目標と主要な結果)

GoogleやFacebookなどシリコンバレーの有名企業が取り入れていることで有名な、組織の目標設定・運用手法です。

Objectiveという定性的でチャレンジングな目標に、その達成を図る定量的な指標、Key Resultをセットにします。シンプルな例はこんな感じ↓。

Objective = 顧客の満足度を高める新機能をリリースする
 KR1 = 2021年2月1日に一般公開する
 KR2 = リリース初週の機能利用率が50%を超える
 KR3 = 新機能利用者の満足度アンケートの平均評価が4以上

そして、上位のOKRのKRと下位のOKRのOをつなげることで、1つのテーマ(最上位OKR)から有機的に、それぞれが挑戦を設定し、全体として大きなテーマの達成につなげることができる、という仕組みです。詳しくはぜひ、「Measure What Matters」という本を読んでください。

Googleトレンドで、米国での人気度を見てみると、2014年くらいから人気度が大きく上がり、今ではすっかりメジャーなコンセプトになった様に思います。

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日本でも、メルカリなどスタートアップを中心にOKRを採用している企業は増え、ユーザベースでは私の担当のSPEEDA事業などで2016年からOKRを取り入れてきました。

今年から、稲垣と共に私がユーザベースの共同代表に就くことになったのですが、改めて、OKRをユーザベース全体の経営システムにしていきたいと思い、OKRで「どの様な組織を、どう作っていきたいのか」について、現時点の考えを書きます。書きたい。

OKRを5年間やってみて良かったこと

まず、天下り的に、OKRを2016年から5年間やってみて、良かったことを3つ書きます。

1. ビジョン実現に近づく
後述しますが、OKRはビジョン実現のための「今」を切り取るもの。それをみんなでやり切ることで、経営数値的にも確かな結果が得られ、ビジョン実現に近づいた実感があります。

ビジョンについては色んな定義がありますが、「その企業が実現したい世界を言語化したもの」と考えてもらえれば。

2. みんなが成長する
ビジョン実現のための「今」を切り取り、そこに全チーム、全メンバーの力と意志を結集させ、その目標を達成することは、まさに経営者の仕事です。それを3ヶ月周期で繰り返すリズムがつくれ、ビジョン実現に向かう経営者としての「型」が磨かれてきた実感があります。経営には決まった型がないですが、3ヶ月毎のOKRサイクルの運営は、ブラッシュアップを重ねていく経営のベースの型になり得ると思います。

経営者が、成長する。

最上位のカンパニーOKR達成のために、自分達のチームが今最もフォーカスすべきことは何か、カンパニーOKRとのつながり、即ち経営視点・ビジョン視点で、それぞれのメンバーが自発的に考え、自律的に目標を設定して実行するサイクルがつくれてきました。この過程で、多くのメンバーが育ち、偉大なリーダーがたくさん生まれました。

メンバーが育つには、経営視点で自分で目標を設定すること。そして、それを高い強度で実行し切ること。OKRではこれが実現できます。

みんなが、成長する。

3. わくわくが生まれる
OKRは3ヶ月周期の「祭り」でもあります。ビジョン実現のために「今」フォーカスすべき最重要なことは何か、頭を振り絞って考える。そのテーマ(カンパニーOKR)が決まったら、それを実現するために何が必要なのか(チームや個人のOKR)を具体化する。具体化したら、4DX(後述します)等で実行のサイクルをつくり、「やり切る」。

それを繰り返すことで、確実にビジョン実現に近づいていく実感がみんなに生まれる。

カンパニーOKRとしてテーマを絞り、その絞ったテーマにすべてのOKRがつながるので、「なぜこの目標に取り組むのか」という意義が明確。自分が取り組む目標が、ビジョン実現につながることが明確なので、ビジョンに共感しているメンバーには、やり切る力が生まれる。やり切るから、ビジョン実現に確かに近づき、さらにわくわくが生まれる。

いやーこんな最高の経営システムをやらない理由はないと思うんですよね。OKRとの出会いは、私が経営者になる最大の契機だったかもしれません。広めたい。

OKRとの出会い。OKRに統一解はない

2016年に、当時私が担当していたSPEEDAの日本事業でOKRを導入しました。そのきっかけは、How Google Worksという本に出会ったことです。そのGoogleのワークコンセプトについての本の中に、

もう一つ、透明性の具体例といえるのがOKRだ。OKRとは個々の社員の目標(Objectives、達成すべき戦略的目標)と主要な結果(Key Results、その目標の達成度を示す客観的指標)である。すべての社員が四半期ごとに、自らのOKRを更新してイントラネットで公開することになっており、他の同僚がどんな仕事をしているかが簡単にわかる。社内で会った人物がどんな仕事をしているか詳しく知りたいと思ったら、Momaに行ってOKRを見ればいい。

という記述があります。当時、事業部の人数が100人を超えて拡大し、

・人が増え、情報をオープンにするコストが増え、情報格差が生まれている
・他のメンバーの業務内容や目標が分からず、自発的な協力が生まれない

という問題意識を持っていた私は、「これだ!OKRだ!」と直感します。

そこからOKRについてのリサーチに入りました。当時、OKRについての本は、今は日本語訳もされている「Radical Focus」しか無く、一番の情報ソースになったのはQAサイトであるQuoraでした。Quora上でOKRの論争が活発に繰り広げられており、ブログ、記事等のリンクも大量に貼られていました。

当時の論争の主なテーマはこんな感じです。

・OKRの評価と給与評価を結びつけるべきか、そうではないか
・どの様な難易度の目標を設定すべきか。ストレッチゴールとは何か
・そもそもOKRとは何のためにあるのか

それらを一定消化した結果、OKRに正解は無く、「OKRは自分たちが目指したい組織、文化に基づいて設計すべきものだ」という考えにいたりました。

私たちが目指す組織・文化とOKR

ユーザベースが目指す価値観は7バリューと言い、対外的に開示されています。詳細はリンク先をご覧ください。

・自由主義で行こう
・創造性がなければ意味がない
・ユーザーの理想から始める
・スピードで驚かす
・迷ったら挑戦する道を選ぶ
・渦中の友を助ける
・異能は才能

この価値観を体現し、強化する経営システムとは何か、OKRとは何か。

1. 管理ではなく、意義と対話によるマネジメント
2. 自分でゴールを決めることによるやり切る力
3. 目標や進捗のオープンな共有による、自発的な共創

この3つを自分たちオリジナルのOKRの仕組みをつくる目的にしました。

自由主義、創造性、ユーザーの理想を実現するために、管理ドリブンではなく、意義ドリブン・ユーザー価値ドリブンで、自分でゴールを決める、挑戦を決めるやり方にしたい。ゴールは与えられるものではなく、自分で決めるもの。

異能を結集して新たな価値を創造したり、渦中の友を助けることが出来るように、目標や進捗をオープンに共有して、自然にコラボレーションやチームを超えたサポートが発生する様にしたい。社内での共創を生み出したい。

そして、ビジョン実現にスピーディに近づくように、個々の力がバラバラに発揮されるのではなく、OKRで1つの大きな力に集中させていきたい。

Netflixに関するNo Rulesという本に、「Lead with context, not control」という言葉があります。

「管理ではなく、意義と対話によるマネジメント」が意味するのはまさにこれです。

一人一人の創造性が自由に、最大限発揮されるためには、管理(コントロール)ではなく、意義(コンテキスト)による組織をつくらなければならない、と本には書かれています。

管理的な目標だけでは、想像を超えるものは生まれない。意義を共有してこそ、どう達成するかという創造性が開放される。自律性、自発性が生まれる。

上からか、下からか

一般的な全体戦略の策定方法として、「積み上げ型」と「テーマ設定型」があります。

積み上げ型とは、ボトムアップ的な下からのアプローチ。解決すべき課題を集め、それをグルーピングして上位目標として、それらをさらにグルーピングして最上位目標とする様な考え方です。

このやり方のプラス面は、どのチームもやるべきことが明確になる点にあります。逆にマイナス面は、全体を通した戦略、意義が伝わりづらくなることです。

「なるほど、この課題を解決するのは確かに大切だ。あなたが担当するその課題も大切だろう。だが、これらの課題の解決を積み上げて、我々が達成したいゴールは何なのか?」

となりがちです。また、目標の変更が困難です。なぜなら、システムの中に目標の変更の余地が組み込まれていないからです。1ヶ月後、状況が大きく変わった場合、「何を基準として」目標を変更すべきか、変更すべきではないのかが分かりません。

テーマ設定型は、この逆です。

最上位に明確なテーマを設定することから始める、上からのアプローチ。そのテーマを達成するために、具体的なゴールをその下の階層が自主的に考えて設定し、さらに下の階層がそのゴールを自主的に考えて設定します。この連鎖により、全体のゴールが設定されていく。

※ピラミッド型組織を前提にしています。我々のビジョン、バリュー実現のために、階層が極力少ないピラミッド型組織が最適だと考えています。

このやり方のプラス面は、全体を通した意義が明確で、かつ、自分でゴールを決めるのでオーナーシップを持ちやすい点です。また、大きく状況が変わった場合、その状況に応じて下位の目標をどう変えればよいのかも明確です。上段のテーマを達成するために必要なことを、状況に応じて再度考えて設定すれば良い。

マイナス面は、統制が効きにくいことです。ゴール設定の自主性が大きく、そもそも自分たちは何をゴールにすべきかを、自分たちで考えてつくる必要があります。

「なるほど。会社全体のテーマは分かったし、それは確かに意義深い。ただ、それに自分の仕事をうまく結びつけることが出来ない。何をやれば良いのか分からない」

となりがちです。また、人によってテーマの解釈が違えば、ばらばらの動きになりかねません。トップが想定していた各チームのゴールを、各チームが自主的に定めてくれるとは限りません。想像を超えて良い場合もあれば、想像を超えて悪い場合もあり得ます。

はい。ユーザベースが目指すのは「テーマ設定型」です。
上からのアプローチ。

テーマ設定型でこそ、OKRを導入する3つの目的の内の2つ、

1. 管理ではなく、意義と対話によるマネジメント
2. 自分でゴールを決めることによるやり切る力

を達成することができると考えるからです。

もちろん、積み上げ型と、テーマ設定型は究極は矛盾しません。私自身、両方の考え方を行き来しながら、抽象化された大テーマと、具体的な課題の積み上げを行き来しながら、カンパニーOKR(最上位のOKR)の解像度を上げていきます。ただ、どちらを重視するか、目指す組織のスタンスを明確にしたく、両者を対比的に書いています。

ビジョンの今を切り取る

では、OKRで掲げるべきテーマとは何でしょう。企業がビジョン実現を目指す組織である限り、「ビジョンを実現するために、今最も大事なこと」が必然的にテーマになります。

私はこれを、「ビジョンの今を切り取る」と表現します。

ビジョンは会社の存在意義や、会社が実現を目指す未来のイメージ等として定義されます。その様な長期的なものであるからこそ、抽象的で、解釈の幅が広く、「今」との関連性が希薄になりがちです。

「ビジョン」と「今」に橋をかけることが最上位のカンパニーOKRの役割

ビジョン実現のために、今最も大事なことを明確にカンパニーOKRとして定義し、やり切ることを続けることで、着実に、ビジョンの実現に近づいていく。わくわくが広まっていく。

マイナス面を解消する

テーマ設定型のマイナス面を解消する最大のポイントは「オープンな対話」です。

まず、最上位のテーマ(カンパニーOKR)について、「なぜ今それが最重要なテーマなのか」をしっかり説明し、対話を通して、みんなが腑に落ちる必要があります。もちろん、対話の結果、より重要なテーマが見つかれば、そちらに変更する。

私がよくやることは、カンパニーOKRについて、ポエムを書くことです。自分の言葉で、情熱を込めた文章で、その意義を説明する。

そして、メンバーと対話する。100人を超えてくると、全体での対話はとても難しいですが、メイン質問者を数人指名し、それ以外の人もチャットでオープンに質問できる様にすることで、全員との対話は実現できると考えます。また、そのオンラインミーティングの模様を録画し、全体に公開します。

このやり方は改善の余地が多く、私もまだベストなやり方は見つけられていませんが、「全員との直接の対話を諦めない」ことがとても重要だと考えています。

元TechCrunchの編集長でGoogleを経て、今はCoral Capitalで働かれている西村さんという方がいます。

彼がこの記事の中で、

私は社員番号が約20万番目の社員としてGoogleの日本法人に入りました。全世界で社員数が8万6000人から10万人に増えるまでGoogleの社員として働きましたが、この間、一度たりともGoogleのスンダー・ピチャイCEOや、Google共同創業者でアルファベットCEOのラリー・ペイジCEOといった経営陣と距離があると感じたことはありませんでした

と書いていて衝撃を受けました。

その理由の詳細は記事を読んでいただきたいのですが、GoogleがTGIF(毎週金曜日にトップがみんなの質問に答えたり、方針を話す)などの小さなスタートアップの頃から続けている仕組みを継続し、従業員が数万人に増えても、「自分が質問すればラリーも答えてくれる」という様な感覚を西村さんが持っていたからだと捉えています。

ユーザベースは全員がこの感覚を持つ組織にしたい。全員との直接の対話を諦めずに、やり続けたい。

そして、最上位のカンパニーOKRだけではなく、その下の部門OKRについても、同様にOKR決めの議論をオープンに公開し、誰でも参加可能にしています。

その部門OKRを決めるミーティングで私は、カンパニーOKRの意義を、その部門に沿った文脈で伝え、対話します。私の意志と部門のメンバーの意志がぶつかり合うことで、カンパニーOKRとのつながりが明確で、かつ、部門のメンバーが「自分で決めた」とオーナーシップを持てる部門OKRが出来上がると考えています。

私は、私が考えたカンパニーOKRにツッコミを受けるだけではなく、部門のリーダーが考えた部門OKRについてツッコミを入れる立場にもあるのです。

この様に、メンバー → 経営者、経営者 → メンバーの双方向のオープンな対話により、テーマ設定型のマイナス面「どうOKRをつくれば良いかメンバーが分からない」、「自律性に任せることで、それぞれのOKRの結びつきが弱くなる」が解消されると考えています。

プラス面を最大限に活かす

マイナス面の解消だけではなく、テーマ設定型のプラス面を最大限に活かすことを考えましょう。2つのポイントがあります。

1つ目は、カンパニーOKRを1つに絞り切ることです。多くても2つ。3つにはしない。

これは感覚的になりますが、1つにフォーカスを絞りきった時の組織の力は恐ろしいものがあります。2つや3つより、1つの方が力が何倍にもなる。明確すぎるほど明確なOKRは、絞りすぎるほど絞りきったOKRは、組織に大きな力をもたらします。

そして、そのカンパニーOKRがメンバーの口から自然に出るように、シンプルな、言いやすい言葉にしましょう。

Slackやミーティングでその言葉が繰り返されることで、組織としてのフォーカスがどんどん浸透していきます。浸透してこそ、やり切る力がうまれます。カンパニーOKRの具体例については、後ほど書きますね。

2つ目は、OKRの期間を3ヶ月にすることです。6ヶ月ではなく、1年でもなく、3ヶ月にする。

これは、1つ目と明確に結びつきます。6ヶ月や1年では、フォーカスを1つに絞りきれないからです。期間を長くすると、どうしてもカバーしたい最重要課題が多く頭に浮かんできて、絞り込み切れません。3ヶ月であれば、1つに絞り込めることができる。

より短く、1ヶ月や2ヶ月を試したこともあるのですが、カンパニーOKRを決めるための対話に2週間、そこから部門OKRや個人OKR等を決めるのに2週間はかかるので、1ヶ月や2ヶ月では十分にカンパニーOKRの意義を全体に浸透させたサイクルがつくれません。その点からも、3ヶ月がベストだと考えています。

我々のOKRのサイクルは以下の通りです。これを、3ヶ月おきにぐるぐる回し、経営のサイクルをつくります。この3ヶ月サイクルに、すべての経営サイクルを合わせることが重要だと考え、給与水準のためのタイトル評価などもすべて3ヶ月サイクルにしています(これはまだユーザベース全部ではないけど)。

・四半期の最終月の第1週の頭に、カンパニーOKRの素案を発表し、全体対話のオンラインミーティングを実施する

・第2週の頭に、カンパニーOKRを確定して発表する。部門リーダーが部門OKRの素案を発表し、全体対話のオンラインミーティングを実施する

・第3週に、部門OKRを確定して発表する

・第4週に、チームOKRと個人OKRを確定して発表する

やり切るリズムをつくる

やり切るには、実行と説明責任のリズムが必要です。

こちらの本で提唱されている4DX(4 disciplines of execution)という考え方があります。実行し切るためには、4つの規律、

第1の規律:最重要目標にフォーカスする
第2の規律:先行指標に基づいて行動する
第3の規律:アカウンタビリティのリズムを生み出す
第4の規律:行動を促すスコアボードをつける

が必要だという考え方です。これに習い、我々はResilyというOKRの進捗を全体共有するシステムを使い、さらに、「全OKRの進捗をしっかり確認し、問題があればすぐに手を打つ」ことを目的とした週次会議を設定することで、

・誰でもすべてのOKRの内容とその進捗をResily上で確認できる
・毎週、OKRオーナーがOKR進捗をResilyとSlackで報告するリズムをつくる
・OKRの進捗に課題があれば、週次の会議でその対策についてオープンに議論し、リカバリー策を決め切る(もしくは、OKRを変更する)

という、4つの規律を果たすサイクルをつくっています。これは、やり切るリズムをつくることに貢献するだけではなく、OKRを導入する目的の3つ目、

3. 目標や進捗のオープンな共有による、自発的な共創

にも大きく寄与しています。

一方、「規律をつくることは、ユーザベースの7バリューにある「自由主義でいこう」と矛盾するのではないか」という意見もありますが、我々が考える自由主義は責任とセットであり、説明責任、結果責任を果たしてこそ、自由が得られると考えています。

このOKRサイクルに則って説明し、その進捗が順調であれば、どうOKRを達成するかという過程は自由。守るべき最低限の規律が明確であることで、自由に創造性を開放することができると考えています。

まとめ。ユーザベースのOKRの考え方

まとめます。

OKRに統一のやり方はなく、自分たちが目指したい組織、文化に合わせて設計する必要がある。そして、ユーザベースでは、7バリューをベースに、

1. 管理ではなく、意義と対話によるマネジメント
2. 自分でゴールを決めることによるやり切る力
3. 目標や進捗のオープンな共有による、自発的な共創

をOKRの目的として、オリジナルのOKRシステムをつくることを目指しました。

具体的には、課題積み上げ型ではなく、ビジョンの「今」を切り取るテーマ設定型を選択し、オープンな対話でOKR解釈の一貫性と、メンバーのオーナーシップを高めることに注力している。

最上位のカンパニーOKRは基本1つに絞りきる。OKRのサイクルは3ヶ月。やり切るために、「全OKRの進捗をしっかり確認し、問題があればすぐに手を打つ」週次の全体会議を設定、さらに、Resilyというシステムを使い、誰でも全OKRの内容と進捗をいつでも確認できる様にした。

という感じです。

書くとあっさりですが、5年に渡り試行錯誤してきた結果です。いやー、色々失敗しました。マジで。だけど、楽しかった。

OKRは最高の経営システムなので、ぜひ色んな企業で取り入れて、独自のOKRシステムをつくって欲しいです。

ユーザベースにおける具体的なOKRの例

最後に、具体的なイメージを持ってもらうために、ユーザベースの子会社FORCASを例として、過去のカンパニーOKRの例をObjectiveについてのみ書きますね。

FORCASはABMというデータ分析ドリブンな新しいBtoBマーケティングを実現するSaaSです。その事業を分社化したのが2017年10月。

分社化後、最初のOKRです。

2018年1〜3月のOKR:スピードで驚かす
事業立ち上げのために、まず注力するのは「スピード」一点。スピーディに行動し、行動量を積み上げないと、その後の質への転化もなく、事業が立ち上がらない。そう考え、このカンパニーOKRを設定しました。

これに紐づく各チームのOKRもスピードや行動量にフォーカスするものばかり。この期間、驚異的なスピードでマーケ、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスの分業体制(1名チームなど)ができ、それぞれが部分最適、スピード、行動量に注力し、お客様に価値を届ける体制をすぐに立ち上げることが出来ました。

2018年7月〜9月のOKR:Account Based Everything(ABE)
上記のOKRから2四半期後、スピード、行動量へのフォーカスにより、事業の立ち上げが見えたタイミング。次に、部門横断的なABMの実践、質にフォーカスしたいと考え、このカンパニーOKRを設定しました。

ABMはAccount Based Marketingと言って、価値を届けるべき企業をデータ分析により最初に特定するマーケティング。我々自身がそれを実現し、マーケティングチームだけではなく、セールス、カスタマーサクセス、さらには開発部門も含め、全員でAccount Basedな状態、明確に特定された顧客だけに価値を届けることにフォーカスした状態を実現する。それがAccount Based Everything、ABE。そして、プロダクトだけではなく、ABM実行のベストプラクティスも我々自身でつくり、広める。

この期間、FORCASの各種転換率(商談転換率や契約率など)は大幅に上がり、確かな価値をユーザーに届けられる手応えを感じました。

2019年1月〜3月のOKR:最高の仲間を集める
組織づくりに課題が移るタイミング。この時の最大の課題は事業成長のための人材採用。採用担当1人に任せるのではなく、主にリファラル採用を通した全員採用を実現したく、このOKRを掲げました。

週次の全体会議では、営業の進捗より、「リファラル採用で声をかける時に気をつけること」、「リファラル採用で声をかける人の探し方」などの議論がメインになり、高い強度で全員採用が実現でき、結果、リファラル採用比率は約6割に向上。今FORCASで活躍するメンバーの多くが、この時期に入社しました。

ユーザベースに興味を持っていただいだ方へ

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これは、「ユーザベースとゆるいつながり」をつくる試みです。ご登録いただいた方に、ユーザベースの記事やイベントを発信させていただき、将来的に、何らかの形(副業などの形でも)でユーザベースに関わっていただく機会をつくれればうれしいなと。

ご興味持っていただいた方、ぜひ気軽にご登録お願いします。