見出し画像

おうまの写真を撮っている

 ドーモ、タイラダでんです。よくいらっしゃいましたね。

 さて、僕は生き物の写真を撮るのが好きである。よく動物園や水族館にでかいカメラ抱えて行ったり、近所の公園をでかいカメラ抱えて歩きまわったりしている(フルセットで3㎏以上ある)。
 そして僕は競馬が好きである。サラブレッドたちが走り競い合う姿は何度見ても最高のものだ。訳あってしばらく競馬からは離れていたが、2年ほど前からまた、のめり込むように楽しんでいる。連れ戻してくれてありがとう『ウマ娘』。
 と、なれば。
 当然のように、それらをミックスした発想に行き着くわけである――「競馬場に行って、競走馬たちの写真を撮ろう」。
 そういうわけで、競馬の写真を撮っている。

おうまの写真は難しい

 サラブレッドたちの写真は難しい。いや、動物園や牧場で、のほほんとしている馬たちの写真を撮るのは全く難しくない。難しいのはレースの写真だ。

2022年8月、小倉競馬場にて

 時速数十キロで駆け抜ける競走馬をしっかりとフレームに収め、ピントを合わせ(この辺はカメラが担ってくれる部分も大きいが)シャッターを押す。電車や航空機、野鳥の撮影などにも通じるだろうが、とにかく「一発勝負」なのである。

2022年8月、小倉競馬場にて

 事前にどういう絵にしたいかを頭の中で固めておいて、その瞬間が訪れたらシャッターを押す。

2022年8月、小倉競馬場にて
2022年8月、小倉競馬場にて

 やはり、馬という生き物は素晴らしく美しい。走っているとその魅力が三倍増しになるわけだが、自分の腕が悪くてその魅力を十分に引き出せているとは言い難いのが悔しいところ。

2022年9月、中京競馬場にて
メイケイエール号
2022年9月、中京競馬場にて
メイケイエール号
構図があまり良くない

 そのあたりは練習あるのみなので、今後も積極的に競馬場に足を運びたいと思う。というか、今のところ小倉、中京、阪神、中山競馬場を訪れたわけで、ここまできたら残りの中央競馬場、すなわち東京、京都、福島、新潟、函館、札幌も訪ねてみたい。旅行は趣味の一つなのでもってこいだろう。

2022年10月、中山競馬場にて
2022年10月、中山競馬場にて
2022年10月、中山競馬場にて

 そう思って、改装された京都競馬場で行われる天皇賞(春)の指定席を申し込んだのだが、抽選で見事に落ちた(落選通知のメールまでもらった)。
 まあ、実際のレースの結果を考えると見に行けなくて正解だったのかもしれない。タイトルホルダーとアフリカンゴールドは一応無事のようだが、正直に言ってもう推し馬の辛い場面は見たくない(競馬観戦を続けている以上避けられないことではあるのだが)。

2022年10月、中山競馬場にて

 今年から働き方を変え、収入を減らす代わりに健康と時間の余裕を取った。例年なら日曜祝日関係なく仕事をしていたものだが、今年はそれが大幅に減る予定だ(なくなるとは言っていない。そもそも僕の仕事はそういうたぐいのものだ)。競馬場に行ける機会は増えることだろう。

2023年4月 阪神競馬場にて
2023年4月 阪神競馬場にて

それにつけても競馬は楽しい、楽しいが

 楽しすぎて困る。レースそのものも、それにまつわる数々のエピソードも。種々多様な人間模様も。奥深すぎてわからない血統のドラマも。何もかもが楽しい。大好きだ。
 だがもちろん、楽しいとばかり言ってはいられない。何事もそうだが、深く知れば知るほど良い面ばかりではないことに気づいていくものだ。
 公営とは言えまごうことなきギャンブル、博打ではあるわけだし、サラブレッドたちはいわゆる「経済動物(最近は産業動物ともいうらしい)」なので、それにまつわる負の側面もたくさんある。金が絡むとヒトはどこまでも卑しくなれる。 

2023年4月 阪神競馬場にて
2023年4月 阪神競馬場にて
ジャックドール号

 また、動物愛護の観点から、競馬なんて動物虐待の上に成り立つ興行は今すぐやめろ、なんて意見を目にすることも多い。
 そういえば、競馬の本場イギリスで先日、レース発走直前に愛護団体が乱入したせいでスタートが遅延したという出来事があった。
 馬は繊細な生き物なので、いつも違う段取りになると途端に大きなストレスにさらされてしまうものなのだが、この愛護団体の方々はその辺りご存知ではなかったらしい。

2023年4月 阪神競馬場にて
2023年4月 阪神競馬場にて
撮影場所が悪かった
もっと熟考せなばならない
2023年4月 阪神競馬場にて
ジャックドール号
お気に入りの一枚

 サラブレッドたちはただひたすら速く走ることだけを求められてきた。そもそも近代競馬のコンセプトは「より速くより強靭な馬を選別するため」というものだ。
 だからそうではない馬たちの行く末は悲惨だ。悲惨だった。愛護団体が目の敵にするのもわからなくはない。

2023年4月 阪神競馬場にて
おめでとうジャックドール号

 だけどそんな現状も変わりつつある。引退馬たちが余生を送るためのシステムが徐々にではあるが構築されつつあるし、現役の競走馬たちにも負荷をかけすぎないという考え方が浸透しているように感じる。これは間違いなく、各関係者の方々が尽力し続けてこられた結果だと思う。

2023年4月 佐賀競馬場にて
2023年4月 佐賀競馬場にて

 要するに、そこには愛があるのだ。ヒトの我欲で生み出された生き物だからこそ、せめて彼らが最大限その生を全うできるよう尽力しようとする、競馬関係者たちの愛が。
 そこには最大限のリスペクトを送りたいし、他のギャンブルではなく競馬にこれほど惹かれている理由があるのかもしれない。

2023年4月 佐賀競馬場にて
2023年4月 佐賀競馬場にて
ダート戦は砂塵のお陰で迫力が三倍増しになる
2023年4月 佐賀競馬場にて
撮影時の設定を間違えた失敗写真だが
これはこれでスピード感が出ていて
いいのではないだろうか(だめです)

未来へ……

 競馬の写真は難しい。だけども、難しいからこそ挑戦する価値があるというものだ。春のGⅠシーズンも盛り上がっていることだし、できる限り競馬場に足を運びたいと思っている(次はヴィクトリアマイルに行きたい。推し馬であり、僕を競馬に引き戻してくれた恩人ともいえるソダシが出走するので)。行くぜ東京、待っていろ府中。
 だけど飛行機だけは勘弁な(高所恐怖症なので)!

2023年4月 佐賀競馬場にて

【おわりです】

そんな…旦那悪いっすよアタシなんかに…え、「柄にもなく遠慮するな」ですって? エヘヘ、まあ、そうなんですがネェ…んじゃ、お言葉に甘えて遠慮なくっと…ヘヘ