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ぼくのロヅメイグ二次創作文

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天使狩り

 太陽照り付けるロゼンウェル庄の広大なる農耕地帯に清らかな風が吹く。その一角、幾何学模様の描かれた麦畑の上、不自然に捻じ曲げられた麦を踏みつぶしながらグリンザールは駆けた。その姿は正しく死に神の如し。ぬばたまの髪を流し、濃緑のフォロゼ外套をなびかせた彼は焦げついた異臭を切り裂き無慈悲なる曲線たるラーグニタッド刀を眼前の敵へと振り下ろす。

「……チイッ!!」だがその刃は肉を切り裂く事無く。膝程の高

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雪降る路傍

雪降る路傍

 雪は、ロヅメイグではまず見れぬ類の物だ。

 それは最上層付近の者達のみへの天啓である――――からではない。かの積層都市における冬の象徴とは即ち夜霧であり、同時にまとまった雪が降った事など、この数十年無いからだ。故に、灰都で生まれ、長らくそこで過ごしてきたものは、そのちらつく雪を見て自身が故郷より遠く離れてきたことを強く強く実感するのだと云う。

 路銀を稼ぐべく、路傍でナーバルドをかき鳴らして

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彷徨い、帰着の朝食

彷徨い、帰着の朝食

「なぁグリンジぃ、お前どう思う?」「何がだ?」「今の給仕。いい尻してたよなあ」冷水で喉を潤したかと思えば、キッチンへと帰ってゆく若い給仕の後姿を指差して宣うゼウドに、疲労困憊のグリンザールはどんよりとした顔で溜息をついた。

 此度の依頼も、また碌な物では無かった。グリンザールは天井を見上げた顔を掌で覆い、如何に己が呪わしき定めに縛られているかを思案した。紆余曲折の奔走、遺跡での狂人たちとの小競り

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隻腕剣士とステーキ

隻腕剣士とステーキ

「……お前どうやって食うんだ、それ?」云って、ゼウドはグリンザールの眼前に置かれた一枚のステーキを顎で指し示す。そして苛立った顔でステーキを睨みつけるグリンザールの顔を一通り観察したのちに、ゼウドはフォークとナイフを鮮やかに操って、切り口から豊潤な肉汁がこぼれだす最高級のそれを丁寧に口に運んだ。

「うめえ」ゼウドの感想は単純で端的だった。表面を素早く焼かれた柔らかいその肉を噛みしめる度に口の中い

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紫煙、苦し

紫煙、苦し

「グリンザール、グリンザール、グリンザールよ」ガズ=カーは、ふと思い出したが如く、呪わしき隻腕剣士の名を口にした。彼は平時、両目蓋とその口を斑糸で封ぜられ、その生首をグリンザールの失われし左腕に縫い付けられた自由なき存在である。たとい口を開くことが叶っても、それは彼の呪詛の力無くしては陥りし窮地を脱することが能わぬ、とグリンザールが判断した場合のみであり、その窮地を脱した後も、この老呪詛使いがこの

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酒の神

酒の神

 剣士が一人、夜闇を歩く。既に月は昇り切り、そこらで騒がしかった多くの店も灯が消され始めた頃。ますます冷え込んできた夜風にフォロゼ式外套と波打つ漆黒の頭髪を揺らし、隻腕剣士グリンザールは道行く人に紛れ、街の片隅にある小さな酒場へと向かっていた。

「おおい、竜の仔」酒場近くまで来たグリンザールの耳に、聞きなれた男の声が入ってくる。グリンザールは酒場の壁によりかかって蹲る灰毛長髪の隻眼詩人を見出して

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逃走

逃走

「ハッハー! ざまあみやがれ!」ゼウドの放った矢は馬上という悪条件にもかかわらず、<黒襤褸>の馬の額を過たず射抜いていた。咄嗟に<黒襤褸>は砂へと飛び降り、派手に転げる馬に巻き込まれる事を逃れる。その脇を<灰襤褸>と<茶襤褸>の馬が駆け抜けるが、<黒襤褸>の姿は見る見る内に小さくなって消えていった。

 並び駆ける灰襤褸と茶襤褸の二者は馬に鞭打ち、徐々にであるが確実に距離を詰めつつある。既に彼ら共

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別れ去る。

別れ去る。

 静かに衣を纏ったゼウドは、最後に未だに眠る彼女に歩み寄り、肌蹴た毛布を掛け直してから部屋を後にした。物音を立てず、立ち止まることもなくゼウドは宿の戸を開いて、表通りに向かって歩き出す。通りへ出てすぐ、道端に浮浪者めいて蹲る隻腕剣士の姿を認めた。「……よぉ、グリンジ。来てたのかよ」彼が歩み寄ると隻腕剣士は立ち上がり、脇に置いていたゼウドの麻袋を放って背を向け、 振り返ることもなく歩み出した。

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寂しい何か:2

寂しい何か:2

【承前】

 文明と商業と合理主義の国、西方国イト。多くの者が希望、あるいは絶望のもとに訪れ、酩酊と退廃の果てに掠れ行く国。その南東に一つの坩堝が在る。

 地に沈む、六十と八の階層より成る積層都市。そこには全ての神秘と欲望の香りがあり、また新たな全てが生みだされ、打ち捨てられ、忘れ去られてゆく。誰もが一つの宵を越えられる事に感謝し、しかして明日の光明を見出せぬまま眠りにつく。地の底では今だ絶える

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さみしいなにか、01

さみしいなにか、01

エニアリスさんは雲ひとつない晴れの2月の正午、壊れたピアノのある廃墟で面白くなかった芝居に興味があるふりをした話をしてください。 #さみしいなにかをかく https://shindanmaker.com/595943

 お題作品。ってもお題をきっちり書いたわけではないし好きに書いたら全然さみしくなくなった。

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「ねぇ、ゼ

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