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【観劇レポ】我が愛は終わ"ら"ぬ 劇団四季「オペラ座の怪人」

観劇レポ。劇団四季「オペラ座の怪人」前楽です。

昨年夏から定期的に通った「オペラ座の怪人」大阪もいよいよ終盤。8/27の千穐楽は残念ながらチケットがご用意されなかったものの、8/26ソワレにてMy楽として観劇納め。余談ですが、バースデー観劇でした。この上ないプレゼントです。ありがとう。

劇団四季の作品の中でも、ミュージカルの作品の中でも、僕が愛してやまないこの作品。しっかりと目に、耳に、肌に焼き付けてきました。

キャストはこちら。

8/26ソワレ

レポ本編

残り上演回数も数えるほどという中、キャスト、カンパニーの熱量が120%増しに感じた今回。

飯田ファントムは、4人のファントムの中で一番多く拝見したファントムですが、この上品さが本当にステキ。声量爆音で向かってくるタイプのファントムではなく、覆い尽くす闇というより密かに拡がる影って感じ。染みる。「Music of the night」はまさにそんな感じ。洋輔さんのこの曲は本当によくお似合いだと思います。

海沼クリスティーヌは、今回間近で観て改めて、ファントム(の歌声)への陶酔と、怪人への恐怖と憐れみとのバランスが絶妙で、表情豊かなお歌だと感じました。「Think of me」、「墓場にて」と、歌い上げるシーンの圧巻たるや文字通り圧巻。

光田ラウルは、表現しがたいんですけどTHEラウルって感じ。あと脚が長い。クリスティーヌへの想いくらい真っ直ぐ長い。片膝ついた状態で、座ってるクリスティーヌと目線一緒ってどういうこと?

佐和ジリー、なんか前回観たときより、愛が垣間見えました。クリスティーヌへの接し方が、どこか母のような。怪人への恐怖ゆえのミステリアスさもあるんですが、ちょっとした瞬間の柔和さを感じました。

日浦アンドレは芸術オタク感満載で、ちょっと高めのお声が優しく柔和な紳士。佐藤フィルマンは斜に構えた、擦れた感じがとても良い(褒めてます)。

黒柳メグ、いや、君もエリッサ歌えるやろ!って思ってしまう歌唱力。「クリスティーヌ・ダーエなら歌えるかもしれませんわ!」って言うてますけども。エモーショナルな海沼クリスと、パワーのある黒柳メグの「Angel of music」、よかったなあ…。

好きなシーン書き納め

何よりもですね、プロローグ終わりのシャンデリアがテーマ曲とともに昇っていくところが何回観ても好きなんです。舞台を覆うカーテンがバサッと引っ込んでいくときの、わずかに客席にも届く風も含めて、あの序曲は本当に素晴らしい。一気に時計の針が巻き戻る感じもエモーショナルですよね。

そして見納めというのも相まって、全然泣くシーンじゃないのに涙滲んだ「ハンニバル」。カンパニー大勢で華やかに明るく歌う場面って、実は「マスカレード」とこの場面くらいですよね。なんか、劇団四季っていいなって感じちゃった。カルロッタ演じるエリッサが、ハンニバルだけでなく奴隷使いの男性とも関係がある、というのを聞いて今回見ていたら、本当にアイコンタクトしてる。

ハンニバルに限らず、元ネタのオペラ作品とかをちょっと勉強すると、奥深いというか、作り込まれているのが知れてすごく興奮します。歴史もののグランドミュージカルは、こういう楽しみもあるから特に好きなんです。

余談ですが、エリッサ(カルロッタ)が待機している石像幕が最初若干引っかかっていて、ちょうどカルロッタが待機しているところが見えました。オーヴァーチュア終わるくらいにいつも通りになってましたが、やはり舞台は生物ですね。というかあんな序盤からカルロッタは待機しているんやと初めて知りました。

「All I ask of you」は、普段は僕の気持ちがファントムに寄ってることもあって、「ええ曲やなあ」くらいなのですが、なぜか今日はすごく心に染みてきました。
この曲を終盤でファントムがクリスティーヌに歌うのもいいですよね。ファントムが考えに考えた結果、クリスへの愛を歌うには、皮肉にもラウルとクリスの愛を歌う曲であったと。

そして目がいくつあっても足りない「マスカレード」。多重影分身して一人ひとりを観たいくらい、衣装や設定が凝っているこの場面。オペラ座の豪華絢爛を担う名場面。最後に出てくるファントムが、最初から本物なのか、あとで出てくる方が本物なのか、謎は解消できませんでした。

「墓場にて」ラストの三重唱は、まさにこれぞミュージカルと言える、プリンシパル3人による歌のぶつけ合いで、耳じゃなくて肌で聴く曲。

そして最後のフィナーレ。無音を含めて一切に無駄のない空間。セリフや歌詞で直接的に語るだけでなく、行間や背景を読み取らせるというのも好きなんです。

いや、イル・ムートも好きやし、プリマドンナも好きやし、PONRも好きやし全部好きなんですけど書ききれないなどうしよう?

カーテンコール

いやー、今回すごかった。通常カテコに加えて、プリンシパル3名の登場、飯田ファントム単体、全員での走り抜けカテコも追加で何度か。何回あったか忘れちゃったくらい多かった。

本来、キャストはめちゃくちゃ疲れてると思うんですよ。一刻も早くソファに見を放り出して水分補給したいと思うんですよ。ましてやソワレなので、マチネと合わせて2公演やってるわけで。
それでも、鳴り止まない拍手に応えてくれたカンパニーに感謝

海沼さんはずっと満面の笑みでキュンキュンしたし、単体で出てきたときの飯田さん、ちょっと照れた感じで可愛らしかったです。あと光田さんの脚が長い(しつこい)。

FOREVER

ファントムの最後のセリフに「我が愛は終わりぬ」というのがありますが、僕の「オペラ座の怪人」への愛は終わりません。終わらぬ。

この1年弱、何度も拝見できて本当に幸せでした。

オペラ座は大阪を去り、次は横浜で開幕するそうです。流石に遠征は何度もできないですが、大阪では難しい生オケでのオペラ座も観てみたいな。(といいつつ…関東圏の方には悪いのですが、一刻も早く関西に帰ってきてください)

ありがとうオペラ座。これからも大好きです。

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