「弱さ」の効能と、「強さ」の毒と。その1かな?


続いてですが、「オタクと漢籍のチャンポン麺」で・・

同じような設定ですが。

の映画版の後日譚みたいなもので・・

登場人物は・・・



・・・・・・・・・

自宅にて、夕食の後に、片づけを終えて、本を読み始めるラクス・・

キラは、テレビを見ていたけど、振り返ってみると・・

柔に身を置けば美徳を得ますが、剛に身を置けば賊として憎まれます。弱に身を置けば人の助けがありますが、強に身を置けば怨まれて攻められます。

ですが、柔はものごとに対応して備えることができ、剛は動いて与えることができ、弱は無茶をせずに人を用いることができ、強は及ぼすことができます。

この柔・剛・弱・強の四者には、ここであげたような使い所がありますので、うまい具合に制御して使うことです。

{三略 上略}


「これをどう思いますか、キラ。{弱さ}ってなんなんでしょうね・・。」

「僕は、「弱さ」のは、基本的に悪とは思うけど・・。想いだけでも力だけでもっていったよね」

「そうですよ。その「力」ってのは、常に「強さ」なのでしょうか、それとも「弱さ」なのでしょうか」

「どういうこと?」

「強さゆえに、孤立しますよね・・・。また強さゆえに、恨まれもする。なんなら強さゆえに、多くの人が、その人に判断を丸投げをするようになる・・・」
「それだけでなく、例えば、顔回さんとか、どう評価すべきなのでしょうか?
強い?弱い?」

顔回が貧しく、食物を手に入れるのすら難しかったとき、

「正直、ディステニープランなどでは、彼は落第点で、今の社会でも、プラントなら、役立たずと評され捨てられるでしょう。
でも、彼が居るから、仲間内の雰囲気が良くなる。それは果たして「強さ」なのか「弱さ」の効能なのか、どっちなんでしょう?」

「う~それも強さなのだろうけど」

「そうとも言えますよね。これはある意味で「弱さ」が故の「強さ」になった。「「非力」ゆえに「力」に成った」っていえますよね。」

「それもそうだけど」

「{剛に身を置けば賊として憎まれます・強に身を置けば怨まれて攻められます} ってのは、本当に世の中に結構あります。
例えば、コーディネイターは、個人でナチュラルを圧倒することが多い場面があります。
逆に、集団となると、ナチュラルは数が多いのもありますし、マリューさんやムウさん・ノイマンさんのような特異な異才も居て、それでコーディネイターを圧倒することも可能になります。」

「確かに」

「また、強さは、それに晦まされて、盲目にすることもあります」

「ああ・・・」


司馬遷は『史記』の中で「項羽が勃興したことは何という速さだろう。項羽は土地も有していないのに、勢いに乗って民間の中から決起し、3年で秦を滅ぼし、天下を分けて王侯を封じて、覇王と名乗るまでになった。終わりこそ全うしなかったが、古今、いまだかつてなかった事業であった。(中略)(項羽は)自分のなすべきは覇王の業と考え、武力で天下を征服・管理しようとして、5年間で己の国を滅ぼし、自分自身も死んでしまった。それでも、死ぬ前にもまだ悟らず、自分を責めようとしなかった。『天が私を滅ぼすのだ。戦い方の過ちではない』と語ったのは、間違いの甚だしいものではないか」[39] と評価している。


項羽と同時代の人物であり、かつて項羽に仕え、後に劉邦についた韓信は、「項羽が叱咤すると、皆、恐れるが、すぐれた将に任せることができない。これは『匹夫の勇』である。また、人と会うと相手を敬い慈しみ、言葉づかいは穏やかで、病気の人には涙を流して食事を与えるが、手柄のある人に土地や爵位を授けることはできない。これは『婦人の仁』である」、「項羽が行き過ぎるところで、残滅されないことはなく、天下の人は大きな恨みを持ち、民衆はなつかず、ただその威と強さを恐れているだけである。覇王と名乗っているが、実は天下の人心を失っている」と評している

永田英正は、著書『項羽―秦帝国を打倒した剛力無双の英雄』において、「項羽は教養もあり、礼儀正しく、純情で正義感の強い男であったが、ひとたび腹を立て怒りを発すると自己を抑制することができず、残忍な行為にはしった」、「かれはまた気にいらないものは徹底的にしりぞけ、利を以て味方につけるという打算的な考えを持ちあわさず、さらには貴族の生まれからくるエリート意識が強烈で、すべて独断専行したために協力者を失い、民衆の心を失ってしまった」、「項羽の敗北は、いうなれば戦国武断主義の敗北であり、対する劉邦の勝利は新しい中国的合理主義の勝利であったとみることができる」と評している[

{ちらと、項羽の事績を、キラに見せるラクス}

「たしかに、これは恐ろしいことだよね。アスランに言われたことを、いまさらながらに、思い出すよね。
あと、オルフェが、最後に、国民を愚民といい、ラクスを罵倒したのと、項羽の「自負心」の強さ・それが過ぎるのが、被るよね。。。」

「あと、デュランダル議長が、ディステニープランを出したのも、この項羽の過ぎる自負に近いと思いますは。
レクイエムを発射できるのは、ちょうど項羽が、{純情で正義感の強い男であったが、ひとたび腹を立て怒りを発すると自己を抑制することができず、残忍な行為にはしった}てのと同じで、{自分たち}に以外に残忍になれてしまったのですし」

「私たちも、いつそうなるか、わかりませんし。。責任感や思いやりで始めたことも、焦りや孤立や、逆に追い詰められたりすることで、力や権限をもっていると、それを一機に振るって解決しようとして、思っている以上に多くの人を巻き込む悲劇を生みだしかねないのです。
キラはご存じでしょうけど、アコードの能力の件とか」


「一般の人は、知られてないし、報道で知っても、ファンデーション王国とあの人たちの敗亡で、「なんか妄想めいた法螺」ってなっているし、その辺の過分な火消しは、カガリやアスランやメイリンたちがしてくれているけど。」

{途中に挟みます。

アコードは能力自体は特に損な要素は無いし、気にしない人間ならひたすらに得しかないんだけど

自分の歌を皆が好きになってくれた→アコードとしての能力だったのかも…

辛いけど世界のために仲間を率いて戦った→アコードとしての習性だったのかも…

とラクス個人に限っては最悪な要素になってるっていうね

抜粋おわり}

「キラとは良いんですが・・・それ以外に関しては、本当は怖くて仕方が無いのです・・・・・。
曲がりなりにも、私は「コンパスの総裁」って権力者です。カガリさんとか居ますが、まだ「ラクス様の一声があれば動く」って人が世界にも多くいます。
ただの歌姫なら良いですが、政治的なことまで思考を丸投げして、私の意見にただ追従する。本当に恐ろしいのです・・」

「でも、そうやって心配しているのなら、きっと大丈夫だよ。以前貸してくれた本に・・・・

書き下し文
知りて知らずとするは上、知らずして知るとするは病(へい)なり。それ唯(た)だ病を病とす、ここを以(も)って病(へい)あらず。聖人は病あらず、その病を病とするを以って、ここを以って病あらず。

現代語訳
自分がよく理解していてもまだよく解っていないと考えるのが最善であり、よく解っていないことを解ったつもりになってしまうのが人間の欠点である。そもそも自分の欠点を欠点として自覚するから、それを改善することもできる。このように「道」を知った聖人は、自分の欠点を欠点と素直に認めて改善しているからこそ、欠点の無い聖人でいられるのだ。

てあるし。それに

こんな言葉もあったよね・・

生まれついた地の主が 主君か!?
一族の所在で生涯の主君が決まってしまうのか!?
われは 自らの意思で 主君を戴き
われは 自ら選びとった運命を生きる!

もし、遺伝子や、力に飲み込まれていたら、今ごろ、僕と一緒にこうやって話をすることも無かったかもしれないよね。
まあ考えたら少しぞっとするけど・・」

{少し間をおいて・・・・}

「そうですはね。これも覚悟を決めて使いこなせば、少なくとも、多くの人を傷つけることは無いのでしょうね・・・・・

・・・で、こんな「か弱く寂しがっている」私を、今晩は可愛がって慰めてくださいね」





・・・・・・・・・・

今回はこれで一応、本編の所は終わります。が、まだ補筆するところもあると思います。


あと、集団的西側って、「腐った項羽」ですはな。

そりゃ、人類の厄災になってしまいますは。

あと、この文章は、顔回先生と覇王さまのご助力がなかったら、書けま
せんでした。
ありがたや、ありがたや。

「弱さ」をどう活用するかを、書ききれなかったです。

この「二人」では、ちょっとそれは書ききれない気がします。

「強さの毒」については、それなりに、書けたと思います。


まだまだ書き手が未熟ですので、精進あるのみです・・。


追記


よくも悪くも、ロボットアニメやSFで、これを真剣に話の重要部分に持ってくるのは、少ないよね・・・


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