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民主主義詐欺師=西欧とアメリカと天皇カルト の終焉の始まり。


より  

上記文抜粋
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東方拡大問題:ロシア提案を報じる米メディア


前のエントリーで書いた、NATOと米に対するロシアの提案ですが、明らかに、誰が考えても、現状この提案が米に歓迎されるはずはない。

だがしかし、提案があったことは米の各紙が報じている。

Russia Lays Out Demands for a Sweeping New Security Deal
https://www.nytimes.com

そして、この手の、いつもの欧米のトーンにはなってない。それこそマジで、プーチンの顔にひげ書いて騒いでもよさそうなネタなのにね。

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最終的に条約化はできないとしても、米は提案を蹴り上げたわけではない、というのが結構重要でしょう。アメ人は受け取ったんです。

一説によれば、1カ月ぐらい前、あの、ウクライナでクーデターを起こした張本人のヌーランドが特例でロシアを訪問した(ヌーランドは個人としてはロシアのお出入り禁止人物だが、国務省の役人として入国許可が出た)時、ロシア外務省のリャブコフ次官とかなり厳しい対立に至ったらしい。

そして、今回、受け取ったのはヌーランドではなく別の人。つまり、ここにアメリカ(もしくはNATO諸国)内部のバトルラインがあると言っていいでしょう。というかそうなのよ。つまり、ネオコン+ネオリベ vs その他、っていう構図。


で、今般の報道でも、バイデン政権の高官の1人は、米国はロシアの提案を同盟国と話し合う用意があるが、この文書には私たちが受け入れられない部分がある、それはロシアもわかっている、などと言ってるそうだ。

Driving the news: A senior Biden administration official told reporters on Friday that the U.S. is prepared to discuss Russia's proposals with its allies, but said that "there are some things in those documents that the Russians know will be unacceptable."
https://news.yahoo.com/u-consider-russias-nato-proposal-165314489.html


21日には、サリバン安全保障補佐官が、ロシアと対話を始める用意はある、などとも言ってる。

US Says It Is Ready to Start Talks With Russia
https://www.voanews.com/a/us-says-it-is-ready-to-start-talks-with-russia/6362394.html

■ あくまで嘘つきのNYT

そして、NATOは東に拡大しないというベイカーがゴルバチョフにした約束は、口約束で、それも東ドイツに関するものの中で出たものでNATO拡大の話じゃない、といったことをニューヨークタイムスが書いているそうだ。

Moon of Alabamaさんがきれいにフォローされていた。
https://www.moonofalabama.org/2021/12/russia-details-secruity-demands-to-us-and-nato.html#more


それは嘘。当時、そう語っていたのはベイカーだけじゃない、ブッシュ、ゲンシャー、コール、ミッテラン、サッチャー etc.といった当時の責任者たちも聞いたり、言ったりしている。そんなことは機密解除された資料がものがたっているし、100年も前の話じゃないんだから、生きて、当時そう受け取っていた人たちがまだ多数存命している。NYTはうぶなもの知らずを騙す、悪質ペテン師。

NATO Expansion: What Gorbachev Heard
https://nsarchive.gwu.edu/briefing-book/russia-programs/2017-12-12/nato-expansion-what-gorbachev-heard-western-leaders-early

私のエントリーとしてはここ。

NATO東方拡大:ゴルバチョフはマジで約束されていた
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/d0cfccb89b11e661aadd28da80887fb7


この状況を単独でひっくり返してNATO東方拡大を決定したのが、クリントン政権。


■ 新しいような古いような

でもって、ロシア提案は、新しい安全保障の枠組みを提案しているんだけど、骨子としてはここらへんがハイライトか。

これ以上NATOをロシア方向に拡大しない。2008年のウクライナとグルジア加盟の提案は廃止する
ロシアの隣国にずらりと並べたロシア攻撃用のシステムを作るな、これを法的拘束力のあるやり方で保証する
NATO諸国(英とか米とか)はロシアと国境を接した国で演習するな


新しいと書いたけど、要するに、冷戦が終わったあたり、クリントン以前に戻せといっていると思えば、なるほどな、というものだと思う。

はたと思えば、これってアメリカの一部のリアリスト系統が求めて止まないものではなかろうかという気さえする。リアリスト系統にはNATO東方拡大は失敗だったという考えをず~っと持ってる人たちがいっぱいいる。ウクライナのクーデターに至っては、西側の失敗であると堂々宣言してる人がいることもよく知られている。

また、ロシアにもアメリカと同様、安全保障を懸念する権利はあるんだ、という考え方が敷衍されているけど、それは、アメリカが一極支配しているので、残りの奴は従え、ロシアには安全保障なんかない、従うだけだ、みたいな過去30年間西側にはびこった思考パラダイムの清算を促されているとも言える。


で、NATOの現在の在り方は、実際問題、ロシア領内を狙うためにルーマニアだのポーランドといった近場にミサイルを配備している危険な状態。また、ワルシャワ条約機構の国じゃなくて、グルジア、ウクライナはソ連の内部なので、そこを取りに行くというのはもうやりすぎだろう、というのは軍関係者の多くは気づきまくってる。この、ぐいぐい押していっていく状況は、ブッシュ政権は一旦諦めたが、オバマ政権になってメディアの押しもあって、まるで何事もなかったかのように達成した。ブッシュ時代には報道の自由があったがその後ない、とも言えるかもしれない。

もちろん、ロシアには、やられたらやり返す手段は大いにあるものの、それはつまり大惨事を呼び起こすものでしかない。また、このままいけば偶発的にさえミサイルの撃ちあいになるから危険だと指摘する声は米ロ両方からある。これに耳を貸さないのが、ペンタゴンの一部もそうだけど、それよりもむしろ「主流メディア」をツールとする隠然勢力が問題でしょう。

つまり、簡単にいえば、過去10年ぐらいNATOというのは公表せずに戦争しているわけですよ。

西側各国民は、何も起こってないと思っているけど、それはちょうど1935年の東京の民は、自分たちはそんなに危険なことに向かっていると思っていなかったのと同じ。

いずれにしても、結局のところアメリカのovercommitment(できる以上に約束してる状態)は明白。従って、放置する方のリスクが大きい。つまり、アメは無駄な負担を放置したくないのなら、清算する方向に行かざるを得ない。


■ 本家ナチがあからさまになる日々

で、この動きに対して本家ナチのドイツが反発してる。

前のドイツの国防大臣は、核でロシアを脅せと叫んでいたが、

核ミサイルでロシアを脅すのだと叫ぶドイツ国防大臣
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/c1442163396cda68efb514fd9b776e25


今度の人は、

ロシア人に命令される覚えはない、と言ってる。

ロシア人に命令されるのは嫌だが、ロシア人に命令するのは当然だと思ってるのがドイツ人。

これはつまり、現在NATOと自分たちの間は平和的共存体制になってない、この状態は直すべきである、という提案をロシアが出している中にあって、ドイツ政府はノーを言ってしまっているということでしょう。

この意味をこの人たち、ホントに気づいているのだろうか???

他方、ドイツの経済担当大臣は、ノードストリーム2は地政学的にやるべきではなかったのだ、とかも言ってた。総じて、そもそも今度の首相がそういう人。

これは、このプロジェクトはあくまで経済合理性の上にあるものです、という路線で完成させようとしていたメルケル路線から大きく変化した。

メルケル路線というのは、ずるい路線だったわけですよ。東方拡大をしているのに、ドイツとロシアは共存するんです、という表面を取り作っていた。これはつまり、ヒトラーの再軍備をソ連が手伝ってたようなものですね。

で、ロシアの方としては、再軍備したい気持ちはわかるが、平和裏に解決できる体制にしませんか、私たちには安全保障の枠組みが必要ですね、というアプローチを再三してきたが、のらりくらりのドイツは「かわす」ことは上手いが、真面目でも誠実でもなく、ロシアから見たら、これはもうダメだな、となりましたというのが今ではなかろうか。

ドイツ政府の方が自分から、ノーだ、ノーだと言っているが、その前に、ウクライナにミンスク合意(国連安保理の決定でもある)を履行させる、という案件を結果的にドイツが無視してきた、というのが、案件としてはpoint of no returnだったと言っていいんじゃないかと思う。この間までのドイツ外相のハイコ・マースは、ミンスク合意の枠組みを変えよう、とか言い出し、ロシア外務省をかんかんに怒らせていたものだった。

そう考えると、ロシアは、二度同じ間違いを犯す前に、ある種の「最後通牒」を盛大に公表することによって、ナチの侵攻を食い止めることにした、って感じか。


■ 安全保障の枠組み問題

で、一歩引いてみるに、security architecture(安全保障の枠組み)の問題を通して、ロシアはアメリカと対話します、という形になっていくんだろう・・・とは思う。アメリカは上述したように、断ってはいない。

そして、中国は、ロシアの提案を支持しているのであろう、と言われている。ボイス・オブ・アメリカがいち早くそれを指摘していてなかなか興味深い。

Russia Gets China’s Support to Get Security Guarantee from NATO
https://learningenglish.voanews.com/a/russia-gets-china-s-support-to-get-security-guarantee-from-nato/6356105.html


提案した後、すぐに習近平・プーチン会談が行われているが、その中で何か言ったのかもしれない。私は中身を見てないが、中国が反対する道理はない。(実は、ロシア隣国でのビルドアップを問題にするという点で、これは日本にも関係のある問題なので、中国が支持する理由は十二分にある)

今後どうなるのかわからないけど、アメリカは、現状、つまるところ、ロシアと中国に、顔を立てるというか、水面に顔を出すというか、そういう機会を与えられたと読むこともできるんじゃないか。

この次の人になりたいですか? みたいな。

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だがしかし、前から書いている通り、国内がデマだらけ、クズだらけなので、方針転換をしようにも議論を整理できない。時間はアメの味方じゃない。

■ オマケ

今回の提案の主要な立役者であるロシア外務省次官のリャブコフが、今般の安全保障の話についてEUのボレルさんが参加したがっているよなことを言ってる、私たちは彼らの意見は聞くが、私たちの考えは米と対話するということだ、と言い切ってる。EUの妄想と奸計にはまる気はもうねーよ、ってことだね。

■ オマケ2

今後の成り行きを見るに、要するに、東西ドイツ統一とはナチス勃興の日だったんだな、とか、リベラルの歴史修正主義が根本的に問題だったんだな、みたいなことが不思議でもなんでもなくなる日が本格的に来ておるなと、私は喜んでる。

ベルリンの壁の崩壊:ナチ・リベ勃興の日
https://blog.goo.ne.jp/deeplyjapan/e/d12a3715be00b639b6896a789b60ed13


■ オマケ3

しみじみ、日本は90年代にぐじゃぐじゃしてて本当によかった。あのままするりと再びドイツの後をおっかけていたら、アフガニスタンに兵隊出して、外征部隊を整えてという成り行きになっていたでしょう。

また、最後は、2015年にロシアがシリア問題で軍事的に王手をかけてくれて、中東大混乱が避けられたことが本当にラッキーだった。これでいろんなものがとん挫した。

日本とドイツを同じように語りたがる人がいますが、同じことを二度三度実際にやるかやらないかは大きな違いがある。


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抜粋おわり

>日本は90年代にぐじゃぐじゃしてて本当によかった。あのままするりと再びドイツの後をおっかけていたら、アフガニスタンに兵隊出して、外征部隊を整えてという成り行きになっていたでしょう。

なんかこれは「塞翁が馬」って気がしますね・・・

面白くなってきたかね。



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