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『1億人のSNSマーケティング』は、SNS活用を考えている人は一度は読んでおくべき一冊

こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
今回は、インプレス様から献本いただきました『1億人のSNSマーケティング バズを生み出す最強メソッド』がとても勉強になりましたので、ご紹介させていただきます。

この本を紹介する自分について

何を考えている人間が「この本は良い!」と言っているかがレビューには欠かせないと思いますので、まず最初は、僕自身について、ちょっとだけ語らせていただきます。

僕は、これからの時代、ごく一部の超大手企業を抜かしてすべての会社が倒産したり、事業縮小によってリストラされる可能性があるがゆえ、「自分は何ができる人間であるか」を1人ひとりが意識して、自分を売り込んでいく必要があると考えています。「ジブン株式会社」という考え方ですね。そのためには、セルフブランディングが肝になり、個人が情報発信していけるSNSの活用は欠かせないと思っています。

その一方で、今、世の中に出ているSNSマーケティングテクニックなるものは、「なんか再現性に乏しいよね」とも思っていたんですね。例えば、「ツイッターで1日30件投稿しろ」とか言いましても、たしかに数打てば誰かに何かが刺さる確率は上がりますが、誰もがクリティカルヒットな投稿ができるわけではないし、誰かの役に立つ情報かもしれないけれども多くの人にとっていらない情報かもしれないものを投稿し続けることがプラスになるとも思えないんですよね。何が言いたいかというと、SNSマーケティングテクニックなるものは「一部の強者の“俺はこれで上手くいった話”であることが多く、それが自分の戦い方に合っているとは限らない」と、ずっと感じていたということです。

とはいえ、前述した通り、SNSを使ったセルフブランディングは欠かせないので、「どうしたものか…」と悩んでいました。
 

そんな僕がこの本を読んだ感想

これは、「再現性がある!使える!」というのが、この本を読んだ僕の感想でした。なので、今後、僕が行なっていくセルフブランディングのためのSNS戦略は、この本で学んだことをベースに行なっていこうと思います。
 

なぜ、「一度は読んでおくべき」と思ったのか

まず、お断りしておかなければならないのは、この本は「バズを生み出す方法を直接教えてくれるものではない」ということです。

では、何が書かれているのか。

Twitter、Instagram、YouTube、TikTokなど、世の中にはさまざまなSNSが存在しますが、それぞれのSNSは、どのような特長があって、どんな人がどんなことを考えて使っていて、どういう情報発信が受け入れられるのか・受け入れにくいのか、このようなことが事細かく書かれています。

デジカメで例えると、4つのメーカーの新作デジカメが、それぞれどのような機能を持っていて、どんな時の撮影に向いているのか、どういう使いかたができるのかは教えてくれるのですが、自分に向いているデジカメが何かを教えてくれるわけではなく、それは与えられた情報の中から自分で考えて選んでください、というスタンスです。

どんな写真を撮りたいのか。どんな撮影が得意なのか。撮った写真を投稿してどう感じてもらいたいのか。それによって「正解」は変わってきます。なので、この本は、2020年時点での最新SNSマーケティング基礎知識が網羅できる、というメリットがあると思いました。
 

コンテンツの紹介

Chapter1 SNSマーケティングの本質
01 SNSマーケティングのおさらい
02 SNSマーケティングの転換期
03 SNSマーケティングの「本質」を捉える
04 各SNSの特長と使い分け
05 SNSマーケティングによくある7つの誤解

Chapter2 SNSを活用する戦略づくり
01 SNSマーケティングのKPI設定
02 SNSを活用したブランディング
03 ビジネス別のSNS戦略
04 SNSを成功させる組織づくり

Chapter3 「シェア」されるための法則
01 SNSは評判の増幅装置
02 シェアされる(信頼される)経営を心がけよう
03 シェアされるコンテンツとディストリビューション
04 シェアしたくなる心理

Chapter4 SNS別最新活用法
01 購買行動への導線を強化するInstagram
02 クチコミ拡散の起点になるTwitter
03 目的設定が活用のカギになっているYouTube
04 独特の文脈を持つTikTok
05 画像検索の場として利用されるPinterest
06 親密なコミュニティが形成されるFacebook
07 企業顧客のCRMに活用できるLINE

Chapter5 「成果」につなげる分析方法
01 人々の思考や行動はソーシャルデータに反映される
02 運用アカウントの分析
03 クチコミ分析のポイント

Chapter6 「語られるコンテンツ」の作り方
01 コンテンツのさまざまなタイプ
02 インフルエンサーを使ったマーケティング
03 UGCに火をつける「PGC」
04 シェアされやすいコンテンツの構築
05 SNSをペイドメディアとして活用する
06 SNSの動画広告
07 SNSを活用したキャンペーン
08 Twitterのフォロワーを増やす施策

Chapter7 SNS検索行動とユーザーの検索行動
01 Google検索とSNS検索
02 SNS検索とエゴサーチ
03 SNSが提供する検索機能
04 SNS検索とユーザー行動
05 SEOとSNSの「指名検索」

ご覧の通り、横断的&網羅的に情報が詰め込まれています。総ページ数207ページ。1ページあたりの文字数は小さめであるため、全体の情報量は結構あります。すべて読み切るのは大変です。「ビジネスでブランディングのためにSNSをフル活用したいんだけど、詳しいことはよく分からないんだよねー」というレベルの方をメインターゲットに置いているため、「SNSほとんどやってないよ」という人にはやや難しい専門用語があるように感じられるかもしれないと感じました。
 

どんなことが学べるか

前述した通り、2020年段階でのSNSマーケティングについて、横断的&網羅的に書かれている本なのですが、一部だけ抜粋してご紹介しましょう。

例えば、僕みたいな制作の人間は、「いいモノを作れば、役に立つものを作れば、多くの人に見てもらえる」と思いがちなところがあります。これは、SNSマーケティング的には何もやっていないことと同じ。多くの人に見てもらいたいのなら、シェアされやすいカタチに加工したり、コミュニケーション方法を考えるべきであり、シェアされやすいカタチやコミュニケーションの方法はSNSユーザーの志向によって“正解”は異なるわけです。

Instgramの場合、SNS機能として面白いのは「親しい人」リスト機能でしょう。ユーザー数の増加に伴い、いろんな知り合いと接点を持ってしまったがゆえに気軽に投稿できなくなる、というのはSNSあるあるですが、「親しい人」リスト機能を使うことで、ごく親しい人にだけ発信する「場」をつくることができます。コミュニティ内発信ができるということは、他の利用者との親密さを維持しつつ、定期的な情報発信ができるということです。加えて、インスタグラムライブやIGTVといったアプリによる動画配信も進んでおり、伝えられることも増えてきました。

また、Instagramのミッション「大切なことや大好きなことと、あなたを近づける」をもとにどのようなアルゴリズムが組まれているのか、要はどういう情報発信がつながりやすいのかなどもこの本では教えてくれています。
 

どんな時に役に立つ本か

何度も書きますが、2020年段階でのSNSマーケティングについて、横断的&網羅的に書かれている本ですので、「SNSを何かのブランディングに活用してみたいんだけど、2020年代のSNS関連の情報をネットで集めるのは大変」と思っている方にはベストバイでしょう。

また、「Twitterを結構長くやっているんだけど、全然フォロワーが増えないんだよな」と思っている人は、自分の投稿の何が問題なのか、ユーザー心理とSNSの特性から改善ポイントが分かる、といった使いかたができるかなと思います。

問題点もあります

問題点というか注意点なのですが、「横断的&網羅的に書かれている」という点は、人を選ぶかもしれません。情報量が多い本ですので、人によっては必要ないChapterもあると思いました。延々と密度の濃い解説がつづきますからね。しかし、「Twitterしかやってこなかったけど、Instgramも始めてみようかな」と思っている人には、他のSNSのことを知ることで見えてくる世界があると思います。実際、僕の場合はそうでした。

とにかく情報量が多い本です。内容も濃いです。個人で使うには少し荷が重いかもしれませんが、「会社全体でSNSマーケティング強化していくぞー」という時には絶対にチームで1冊はあったほうがいい本だと思いました。実は、昨年末からSNSマーケティング関連の本をいろいろ物色していて。もっとも全体と細かい部分が分かりやすく解説されていたのは、僕にとってはこの本でした。

ちょっとお値段は高いですが、充分、元は取れると思います。
気になる方はどうぞ。



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