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【時事抄】 神田祭り、円相場急変

4月下旬から5月GW期間にかけて、日銀の金融政策決定会合、米連邦準備理事会(FRB)の米連邦公開市場委員会(FOMC)米・雇用統計といった注目のイベントが重なるなか、日本は大型連休に突入して市場関係者が職場を離れ、市場の取引量が薄くなるタイミングと重なりました。外国為替市場に嵐が吹き荒れそうだと予感がありましたが、歴史的な1週間になっています。

米国の強い景気を依然として確認できるのか、注目の雇用統計の発表を今晩に控えて、まだまだ為替台風は沈静化しそうにありませんが、この1週間を振り返るために、今朝の日本経済新聞の記事を見てみましょう。

<要約> 原文1703文字→692文字
為替介入と見られる急速な円高で円相場は1ドル=153円前半まで上昇して、介入を警戒する投機筋は円売りを仕掛けにくくなった。

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループによれば、5月1日のドル円直物(スポット)取引は425億ドル(6.5兆円)超で、その8割近い332億ドルが米東部時間午前4~5時の取引だった。4月29日の最初の介入では、同グループのスポット取引が770億ドル超、1日の取引量としては約7年半ぶりの大きさだった。

これらは日本政府の円買い介入と見られ、一段の円安を見込んで円売り持ち高を積み上げた人々に損切りの反対売買を迫った、と専門家は話す。直近の安値160円台から7円程度も円高・ドル安に水準が進み、投機筋は新たな円売り持ち高を積みにくくなった。

政府日銀が前回行った為替介入は22年10月、1ドル=150円台の節目を超えて円安が進んだときだ。円相場はその後3ヶ月で127円台まで円高が進み、円安基調に歯止めがかかった。今回の介入観測について、市場は「実施時間帯などパターンを変え、市場参加者に疑心を抱かせ、介入効果を高めている」と指摘する。

円安圧力の背景は、日米の経済環境と金融政策の違いだ。1日FOMC後の記者会見でFRBパウエル議長は、インフレ再燃懸念が拭えぬ現況、政策金利の引き下げに慎重な見方を示した。米景気も底堅く推移する。

為替介入観測で投機的な円安の勢いが弱まりつつある。しかし日米の経済・金融政策の転換点はまだ遠い。2年前の介入効果が1年持たずに禿げ落ちた経緯を踏まえると、円安歯止めの時間稼ぎの賞味期限に不透明感が漂う。


今回の相場変動で急速な円高が進みました。短期の為替市場は基本的に典型的な「ゼロサムゲーム」で、「誰かが勝てば、誰かが負ける」という世界です。買うためには売り手がいなくてはならず、円買いが進んだということは、それだけの人が円を売った(売らされた)ということです。

今回かなりの個人トレーダー(投資家ではありません)が退出を迫られ、X(旧Twitter)のトレンドワードに”ロスカット”が出ていました。ある著名なFXトレーダーも大きく損失を膨らせていて、年初には13億円以上あった自己資金を5700万円まで減らしています。(たぶん別口座もあるでしょうけど)

もちろんこの1週間で10億円以上減らしたわけではなく、年初から為替相場は米国インフレ再燃懸念によって、予想もしなかった展開が続いているせいです。徐々に資金を減らしていました。

ただ直近数週間に限れば、

・政府当局の為替介入を見込んだショート(ドル売り円買い)を積み増し
・思惑は外れてドル円=160円まで下落して損切りを迫られた
・当局動かず(事情で動けない)とみてロング(ドル買い円売り)に転じる
・その矢先に当局による巨額の為替介入が入って「往復ビンタ」を喰らう

こんな推移だったのかなと想像します。

一攫千金に目がくらむ変動の大きい状況ですが、素人は手出し無用。
嵐が止むまで静観しているのが良いでしょう。

財務省 神田財務官は介入の有無をコメントせず

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