振り返れば2021年12月から、ブックファースト新宿店さんからお声をいただいた選書企画「木澤佐登志書架記」がはじまったのでした。お陰様で好評だったようで、現在もブックファースト新宿店さんにて書架記の第三期が行われているようです。また、それと並行して、地方在住で書店にアクセスするのが難しい方々から「選書データを有料noteで上げてほしい」というお声をいくつか頂くようにもなりました。私の怠惰ゆえに公開が結局このようなタイミングとなってしまいました。お待たせしてしまい申し訳ありませんでした。
遅れの原因としては、怠惰と先延ばし癖の他に、有料noteの価格設定に悩んでいたというのもあります（これも言い訳でしかありませんが…）。もともと書目リストの冊子は対象書籍の購入特典なのでそれ自体には価格がついておりません。かといって無料で公開してしまうのも、書店で購入特典として手に入れた方たちに対してフェアではない気もするのでそれもどうかと思い……。よって書目リストの適切な価格は果たして幾ら程なのか、というのが地味にアポリアとなっておりました（ちなみに、私はブックファーストさんから１円も報酬のようなものは受け取っておりません。完全に「好き」でやらせてもらっています）。
現在もこれといった正解には至っていませんが、買いたい人は買ってください、というマインドに結局は落ち着きました。

以下には、2021年にブックファースト新宿店にて行われた「木澤佐登志書架記」（仮に第一期とする）と、2022年に行われた「木澤佐登志書架記　ユートピアの未来と亡霊」（第二期）の二つの選書棚の書目リストデータ（重複込みで合計975冊分）と、拙著『失われた未来を求めて』が出版された際にブックファースト新宿店にて購入された方に特典として付された小文冊子「本棚をつくること　――廃墟としての書架」のテキストが収められています。また、書目データには若干の書籍の入れ替え及びコメントの加筆修正を新たに行っています。