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スノーピークは社員全員キャンパー!?キャンパーによるキャンパーの為の会社

こんにちは!TAKAです。

今回は「好きなことだけ!を仕事にする」経営で成長を続ける会社、『スノーピーク』を紹介したいと思います。

コロナ禍でのキャンプブームで、スノーピークのブランドはキャンパーだけでなく広く一般に知られるようになりました。

スノーピークのマグカップ

大ヒットしたスノーピークのマグカップ。

スノーピークの焚き火台

これも大ヒットした、スノーピークの焚き火台。

今回は、これらを生み出したスノーピークの原動力とは何なのか、を解明していきます。


スノーピークは社員全員キャンパー!

キャンパー

スノーピークにはとにかくアウトドアが大好きな人が集まっています。

職場によってはすぐ目の前にキャンプ場があって、仕事おわりにそのままテントを張ってキャンプを楽しむ社員も少なくないそうです。

また、スノーピークはハイエンドなキャンプギアを作る会社です。

そのブランド力を支えるのは社員の力。

スノーピークは特に販売力を高める為に人材育成に重点を置いています。

社員全員に「キャンプ研修」を実施してスノーピークの製品を実際にどのように使い、どんな特徴があるのかを体感させます。

スノーピークは、製品を顧客がきちんと理解するまで説明できるようになるには、しっかりとした形での「使う体験」が必要だと考えるからです。

新卒に不可欠な条件

社長の山井太(やまいとおる)さんは「アウトドアが好きかどうか」「スノーピークが好きかどうか」と同時に「主体的に動けるかどうか」や「周りの社員とうまくやっていけるかどうか」を社員登用の際に重視していると言います。

山井さんは、アウトドアに対して趣味程度の関心しかない人に、スノーピークは関心がない、と言い切ります。

社員は「アウトドアが好きでたまらない」ことが何よりの条件。

それはスノーピークには「スノーピーカー」と呼ばれる熱狂的なファンが多いため、製品の特徴をきちんと伝えられることがとくに大切で、スノーピークに関心がない人は採用しない、という信念があるからです。

スノーピークの製品は永久保証

スノーピーク

スノーピークの製品には保証書がついてません。

なぜなら、製品の保証期限を決めることなく、永久に製品を保証しているから。

ただし、素材には限界がある為、素材自体の摩擦や経年劣化などについては当たり前といえば当たり前ですが、保証の対象外です。

永久保証の根底にあるのは、「自らもユーザーであるという立場」で考える発想です。

これは徹底して製品にこだわり抜いているスノーピークならではの発想です。

燕三条の地場産業との関係

スノーピークの本社は新潟県三条市にあります。

隣の燕市と合わせた燕三条のエリアには江戸時代から続く金属加工の伝統があり、地域全体がものづくりの町になってます。

つまり、製造業に必要な人材やノウハウが揃っていて、スノーピークのどんな製品もこのエリアで作る事ができる。

燕三条にはそういう強みがあります。

スノーピークは製造の大半を地元の協力工場に委ねる形態をとっています。

それは地域の強みを生かす方法を考え抜いた結果だと言います。

キャンプイベント、『スノーピークウェイ』の開催

スノーピーク

スノーピークウェイは顧客とスノーピークの社員が一緒にキャンプを楽しむイベントです。

スノーピークウェイは98年からスタートし、20年以上続いています。
毎年数回、全国各地で開催しています。

スノーピークウェイは2泊3日形式が主流です。

2日目はテントの設営や撤収を忘れて、朝起きた瞬間から寝るまでアウトドアの醍醐味を楽しみんながらコミュニケーションできます。

イベントのハイライトは夜になってから焚き火を囲んで行われる、「焚き火トーク」。

アウトドアの楽しみ方について話すと同時に製品について様々なレビューをしてもらいます。

スノーピークの特徴は顧客と経営者、社員、スノーピークという会社そのものとの距離感が近いところにあります。

会社と顧客との間に特別な壁を作らないことは、他のアウトドアメーカーにない特徴です。

会いに行ける会社、スノーピーク

スノーピークウェイでは、参加者が全員で楽しめるゲームを行います。

たとえば、自分で折った紙飛行機をとばす「紙飛行機大会」は大人も子供もいりまじって楽しめるし、誰が勝っても負けても一緒に笑いあえます。

スノーピークウェイのイベント自体の売り上げ高はゼロです。

一方、社員にとっては休日出勤になり、後日、代休を取得してもらうと言います。

つまり、会社としてコストを掛けたイベントだと言う事です。

期間中、会場で製品の販売は一切、行いません。

あくまでスノーピークウェイは顧客との接点の場であり、セールスの場ではないのです。

アメリカ事業への熱い思い

インディアンのテント

現社長の山井太(やまいとおる)氏は2019年後半から、米国オレゴン州のポートランドに活動の軸を移していました。

それは娘の山井梨沙氏に国内の事業を任せて、自身は会長職に座り、スノーピークの次の展開に専念するものでした。

アメリカは日本の20倍ほどの市場があると言います。

アメリカの場合、過去1年間に1回以上キャンプに出掛けた人は50%ほどです。

一方、日本では同じデータで7%ほどの数値にとどまります。

つまり、アメリカではキャンプに行く人の比率は7倍ほど。

単純に人口が3倍なので、合計で20倍以上という計算です。

日本にオートキャンプという文化を広めたスノーピーク

山井さんは父親が起こした会社に入社するに当たり、2つの事を考えていました。

1つは新事業としてアウトドアに参入して、理想のブランドを作ること。
※もともとスノーピークは金物問屋として創業し、登山用具などの製造をしていました。

2つ目は世の中には自分自身がもとめるおしゃれなキャンプを提供する会社がなかったから、「それならば自分で取り組もう」と発想し、オートキャンプの事業を88年に立ち上げました。

80年代後半からオートキャンプの人気が高まり、スノーピークは急成長。

5億円ほどだった売上高は約25億円まで伸びました。

しかし、当時はあくまでブームであり、ブームが去ると売上高は急速に下落。

3期連続で売上高がダウンした段階で、山井さんは父親から会社を継ぎました。

日米のキャンプの楽しみ方の違い

アメリカで一般的なのはバックパッキングやキャンピングカーによる旅行です。

備え付けのテーブルやベンチがあるキャンプ場が多数であるため、テントだけ張ってフリーズドライの食品を食べる、といったスタイルの人が多いと言います。

一方、日本ではおしゃれなファミリーキャンプを楽しんでいる人が多いようです。

アメリカには今のところ、「おしゃれなキャンプ」というマーケット自体がないのです。

焚き火がキャンプの真ん中にあって、美味しい料理とお酒があってコミュニティが出来る。

そんなキャンプをスノーピークはアメリカで広めたいのです。

おしゃれなキャンプがなぜアメリカで普及しないのか?

スノーピークのテントをキャンプ場にもっていくと、キャンプ場では「ラグジュアリー・キャンピング」といった言い方をされると言います。

「グランピング」というと海外発とみられがちですが、実はスノーピークはかなり早い時期からこの分野の製品を米国で紹介していました。

「おしゃれなキャンプ」がなぜアメリカで普及していないのかというと、テントだけ張るこれまでのスタイルを米国のキャンパーが「当たり前」と捉えているからです。

これはかつての日本と同じ状況であり、だからこそチャンスがあると言います。

非キャンパー向け本格化

スノーピークのコンセプト

2014年12月11日にスノーピークはマザーズに上場しました。

それから1年後の2015年12月11日に東証1部に市場を変更。

上場する前はスノーピークがターゲットにしてきたのはキャンパーだけだったと言います。

それが上場後は非キャンパー向けに事業を展開することを決めました。

「人間性の回復」という発想

アウトドアでは、体の状態、心の状態をリフレッシュできます。

それは、人間本来が持つ野生の感受性をふくめて鋭敏な感覚を取り戻すことができるから。

人間本来が持っている野生の感受性や感覚は都会の現代的な生活の中で損なわれていく一方です。

文明にはプラス面が多いけど、マイナス面も同時にあります。

そのマイナス面をどう癒すかが、スノーピークの目指す「人間性の回復」なのです。

非キャンパーに対してスノーピークができる事は何なのか?

その答えはアウトドアパーソンならではの発想であり、自然の中に身を置いてきたからこそ気付いた事なのです。

「アーバンアウトドア」というコンセプト

都市生活者に対してスノーピークの製品を通して人と自然をつなぎ、人間性を回復してもらいたい。

こうした取り組みをスノーピークでは「アーバンアウトドア」と表現しています。

従来のアウトドアのコンセプトは「自然の中にはいっていくことで人と自然が結びつく」「だから自然の中にいきましょう」というものでした。

あくまでもアウトドアに行くことが前提でした。

これに対してアーバンアウトドアでは、人と自然をつないで人の心の中に自然を取り入れます。

いいかえれば、人々の心の中にあるアウトドアであり、このコンセプトによって都市でもアウトドアができます。

ホームとテントを行き来する服

スノーピークの中でアウトドア用品以外で大きな比率を占めるのがアパレルです。

アパレルはキャンパーからオフィス、住宅向けまですべてのユーザーが着るし、すべての事業をつなぐことが出来ます。

つまり、キャンパー向けの事業から非キャンパー向けの事業に広げるうえでのハブだと言えます。

スノーピークのアパレルのテーマは「ホームとテントを行き来する服」いいかえればキャンプシーンで機能するうえ、都市で着てもかっこいい服のことです。

スノーピークのユーザーはキャンパーであると同時に都市生活者であることも多いです。

それに合わせて、キャンプシーンで着た場合はアウトドアでの機能がちゃんとあり、街で着てもかっこいい。

境界がない服だとも言えますし、スノーピークに合った取り組みです。

スノーピークは定番となる服づくりを心がけていて、流行に流されない服を作っています。

次の年に同じ服を扱っていても全然かまわないし、ファストファッションとは違った考えで取り組んでいます。

スノーピークのまとめ

  • スノーピークは社員全員がキャンパー。

  • 新卒に不可欠なのはアウトドアへの深い愛。

  • スノーピークの製品は永久保証。

  • 燕三条の地場産業との深いつながりがある。

  • 全国でスノーピーク・ウェイを開催してユーザーとの触れ合いの場を大切にしている。

  • スノーピークはアメリカにおしゃれでかっこいいキャンプを広めたい。

  • アメリカにオートキャンプを広めたい。

  • スノーピークは都市生活者の「人間性の回復」がテーマ。

  • アーバンアウトドアという面白いコンセプト。

  • スノーピークはアパレル事業も推進していく。

以上、スノーピークのまとめ10コでした。

スノーピークはとても先進的な企業です。

スノーピークの目指すアウトドアシーンを国内のみならず世界中に広めることを目標にしています。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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それでは、またnoteの記事でお会いしましょう!

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