縫 崇

「ラジオとDXの結節点」を目指す音声クリエイティブ・ブティック 株式会社SEVEN代表…

縫 崇

「ラジオとDXの結節点」を目指す音声クリエイティブ・ブティック 株式会社SEVEN代表。東京と福岡で、音声コンテンツや広告を制作しています/ラジオ人31年目/radikoやSpotify、Audiostartといった各種オーディオアドをカジュアルに活用するお手伝いをしています。

最近の記事

せっかく動画広告を使うのなら

TVerやTOKYO PRIME、YouTubeといった動画広告を観ていると、とにかく音声が酷いものが多い。映像は割と頑張っているのにナレーションが素人丸出しとか、なにも調整していないAIナレーション(同じソフトウェアを使っていると一発でわかる)などが蔓延していて、広告主も広告制作者も音声を軽視している傾向が解る。なにがツラいって、大企業の広告でさえそんな体たらくなのである。 タクシー広告は音声が小さかったり、音声を切っていることも少なくないのでまだマシ(あくまで"マシ")

    • 激変する広告業界で生き残りたいワケだが

      広告業界が変化しにくい根本的な理由(さとなお.com) さとなおさんの10年前の記事。 当時はまだその萌芽が見えてきたところだったが 電通や博報堂といった広告大手や一部大手メディアは、 従来型広告人とテック系広告人の割合が逆転しつつあるように見える。 もう広告は「変化しにくい業界」ではなくなっている。 まして電通デジタルやDAC、CCIといったデジタル系広告会社はそういう広告人がほとんどだろう。 一方で割と大きい会社でも、従来型がメインストリームのままというところは決して少

      • ぜひ聴いてほしいCMがあります

        先週金曜日、ラジオ大阪の特別番組でオンエアされるCMの収録を行い、 先程搬入を終えました。 CMと云いながら、実際にはラブレターです。 矢沢永吉が好きで好きで、どうしようもないほど敬愛しているひとりのアドマンが、制作を私に託してくださいました。 彼が書いた原稿を読んで、私は「Oさん、これナレーターには読めませんよ。これはOさんがご自分で読むべきです」とお伝えして、ご出演をお願いいたしました。 素人のナレーション? そんな出来ではありません。 たまさかOさんのバリトンが

        • 戦う舞台は選べる。

          日経クロストレンドのこの記事は、放送局……特に地方テレビ局の皆さんはかなりお読みになったのではないか。いよいよ地方から「テレビの危機」が具体化し始めた!と思われたかもしれない。 テレビ朝日HDの提案は、地方局を中継局や支局水準に置くということだろうか。平成新局(この言い方も久しぶりだな。今も使うのかな?)の多い同系列はキー局が支えるにも限界が低いのだろう。 この記事中のUber Eatsの件は別の記事でも書かれていたけれど、東名阪福札が投下エリアの限界で、広仙すらネットス

        せっかく動画広告を使うのなら

          クレイジー・モバイラーなので。

          【副題:ヲタクってよく分からないことを早口で一気に喋るよね。】 ガジェット好きかつ旅好き(あるいは出張族)となると、いかに満足できるパフォーマンスを軽量で持ち歩くかという点に執着する。はずだ。たまに1.5kgくらいありそうなノートPCで仕事している人を新幹線の車内や飛行機で見かけるけれど、あれは旅して仕事するスタイルではない。と思う。個人の感想です。 ワタクシの場合、まず移動中などは操作性よりも即応性を重視するのでiOSデバイスが良い。これはiPhoneとiPad min

          クレイジー・モバイラーなので。

          「専門性」はデジタルで拡張する。

          今週、ちょっとした動画を作成しました。 外部パートナーの皆さまにお願いするだけの予算はなかったことや、ややこしい内容ではなかったことから、自分でiPhoneとPowerPointを使ってやってみるかー。などと考えておりました。 で、その話を会議でポロッと話したら、うちのパート社員のSさんが「それなら私が編集しますよ!」と云うのです。普段YouTube動画を制作をしているので、その程度なら出来ます、と。 じゃあ試しにやってみてくれる?……とお願いしたら、めちゃクオリティ高くて

          「専門性」はデジタルで拡張する。

          反省だけならサルでもできる

          「反省だけならサルでもできる」というコピーがあった。 大鵬薬品工業のチオビタドリンクのCMで、仲畑貴志さんが1993年に作ったコピーだ。この言葉が人口に膾炙して30年になる。 で、さっきこのコピーを調べていたら Yahoo!知恵袋で「ことわざに『反省だけならサルでもできる』というものがありますが……」という質問があった。 30年経つと、名コピーはことわざに進化するのだ(笑) しかし実際、セイコーのCMコピーだった「一秒の言葉」(小泉吉宏 1985年)は、今や教科書に載る名

          反省だけならサルでもできる

          もう叩く石橋もない時代に

          Web3や暗号資産、そしてメタバース……。 最近のITトレンドは、その覇権を握りたい企業や人々が必死に盛り上げようとして、結局上手く行かなかった印象がある。 Web3は結局何が言いたいのか分からないし、メタバースは死屍累々。NFTはまだ「使い方次第」な印象はあるけれど、暗号資産は最早魑魅魍魎とその餌食しか居ないように見える。(極真の大山倍達の孫が仕掛けたマス大山コインとか、Gacktが宣伝塔になってた奴とか、アイコンは立派だけど胡散臭い事例が多すぎる。) これまでのWeb

          もう叩く石橋もない時代に

          「好きじゃないとやってられない仕事」じゃダメなのよ。

          「憧れのあの人と働けるなら!」とか「修行だから」と 無報酬(or極端な低賃金)で働く労働契約。 残念ながら、私がいるラジオ産業でもまだまだ存在します。 先程、「芸は無報酬で学ぶもの」とし、 自身が出した求人に「報酬は?」と尋ねた人を「悲しいね」とか「今風だね」と評しているDJ氏の記事を見かけたので、筆を執りました。 求職者側(応募側)がそういう立場なら仕方ない場合もあるけれど、求人側(採用側)がそれを求めるのって、普通に考えてとんでもないことです。 でも僕らの業界にもそんな

          「好きじゃないとやってられない仕事」じゃダメなのよ。

          ラジオはAIで代替できるのか?

          https://futurimedia.com/radiogpt/ RadioGPTのデモを聴いている。米国のラジオに較べるとやはりクリーンで、現地のリスナーからすると不気味の谷は越えられているのかな?まあこの程度のトークならOKなのかな?と思う。 一方情報源はSNSになるらしい。ここは正確性の担保(と速報性の両立)をどうするかが課題になるだろう。日本にはJX通信社があるので、その辺のノウハウは先行できるかも。 日本版RadioGPTの鍵を握るのは、更に進化したTTSだ

          ラジオはAIで代替できるのか?

          緩い交通整理の必要ーSNSとラジオ

          mixiもTwitterもFacebookも Instagramも、結局SNSは必ず成長に天井があり、構造とそこに収容されるターゲットが丸ごと商業的・広告的価値を次第に失う宿命にあるってことなのかね。metaやTwitterの惨状を見ると、そういうことなのかなと思う。 Twitterがイーロン・マスクの買収によって混沌とし、その中で「トレンド操作」などのキーワードで、社員によるTwitterの政治的操作を疑う人が増えている。現時点で真偽は不明なので何とも言いようがないけれど

          緩い交通整理の必要ーSNSとラジオ

          スポーツ紙の変容にラジオ人が思うこと

          西日本スポーツだけでなく、道新スポーツまで……。 日経の電子版戦略(これは世界的にも珍しい新聞DXの成功例だと読んだことがある)とは明らかに違う、後退としての「ウェブサイトでの情報発信」に、遠雷のような地殻変動の音を感じる。 県紙や地域紙(この辺は細かく見ているとかなり多い印象……特にフクニチや新大阪が廃刊して以降の30年くらい?)の次にブロック紙系列のスポーツ紙となると、次はブロック紙、全国版のスポーツ紙や夕刊紙、全国紙……みたいに繋がっていくんだろうか。そのへんは詳しく

          スポーツ紙の変容にラジオ人が思うこと

          意中の相手はあなたを探してはくれない

          …というと恋愛指南っぽいですが、さにあらず。 今回は声優さんやナレーターさんの「仕事の獲りかた」について書こうと思います。 私の会社は結構な数の音声CM(ラジオCMやオーディオアド)や番組を制作するので、定期的にオーディションを実施します。最近では「レギュラーメンバー」も充実してきたので回数は減っているものの、それでも年に6-8回くらいはやっていると思います。エントリー数は仕事の内容によりますが、少なくても30人。多いときは90人くらいのご応募をいただきます。 で、先日も

          意中の相手はあなたを探してはくれない

          KANITSU

          【蟹通(かに-つう)】は、かつての広告大手。 1914年北海道函館市にて創業。のち東京都千代田区に移転した。 日魯漁業(マルハニチロの源流企業)が1913年に衛生缶を使用した「あけぼの印」の缶詰生産を開始した際、日魯漁業創業者の一人である堤清六がカニ缶に広告を入れることを発案し、子会社「日魯蟹通信社」として設立された。 広告入りのカニ缶は廉価で販売され、庶民も北洋漁業発展の果実を得ることができた。現代の「アフォーダブル・ラグジュアリー」に通底するマーケティングは、当時勃興

          30年目のラジオ屋でございます。

          そう云えば今日は4月1日。なんとラジオ人30年目に突入しました。 こんなに長い間、ほとんどラジオや音声の仕事しかしていないのに 全然飽きないというのは、やはりそれだけこの産業が魅力的ということなのでしょうね😆 10年目のこの日は、九州某局の社員として東京支社テレビ営業部に赴任。 新卒入社以来ラジオひと筋だったので驚きの人事でした。 しかしそれが「俺はラジオマンだ」という意識を強くしてしまい、 7ヶ月後に在京某FM局に転職したのでした。 20年目と30年目はSEVENのワタ

          30年目のラジオ屋でございます。

          あなたの起業はベンチャー?中小零細事業?

          アカウントはずっと前に取っていたけれど、TwitterとFacebookでお腹いっぱいなので放っておいたnote。初めて記事を書いてみます。ここ数日触れた幾つかのニュースとか、SNS界隈の記述、自分の周りの状況から考えたことを、ふと残しておこうと考えたからです。あまり役に立つとも思えませんが、独立をお考えのかたの思考の補助線になれば幸いです。 起業を考えるひと(特にサラリーマンから独立する人)に、是非お勧めしたいのが「どのような起業をするのか」を正確にシミュレートすることで

          あなたの起業はベンチャー?中小零細事業?