ヤングケアラーになって思ったこと


母親が難病になり、介護生活が始まった。
自分は21歳、ヤングケアラーの定義は18歳未満の子どもらしいので正確には若者ケアラーが正しい。

自分がまず親の介護をするにあたって感じたことは、そもそも最初の病気関連の書類の手続きや各種申請が難し過ぎる、ということ。
このような手順で進めます、と紙にすべて書かれているが、用意しなければならない物や必要な手続きが面倒で、介護をする以前にその事で頭がいっぱいになってしまった。

それから、自分は社会人で仕事をしているが、職場の人に親の病気のこと、介護のことを言うのが非常に言いづらいということ。
まさか、自分ほど若い人が祖父母ではなく母親の介護をしているとは思わないだろうから、どう話を切り出そうかと思っているうちに時は過ぎていき、ついに先日母親が緊急入院する際に、自分が仕事を休まなければならず、それがきっかけで母親が病気であること、今後どうなるかわからない、といった程度のことを話した。
具体的な病気のことや介護にともなって、仕事に影響が出るかもしれないというのは言えなかった。

具体的な介護での悩みは、やはり仕事をしながら介護をするのは大変だということ。
これは若者ケアラーである自分に限った話ではなく、家族の介護をしている人で仕事をしている人なら皆思うことだろうが、やっぱり大変だ。
仕事から帰ってきて、母親の食事を作ったり入浴を手伝ったり掃除をしたりと、心も体も休まる時がほとんどない。
さらに自分にとって苦しいのは、周囲の人に母親の病気や介護をしていることを言っていないため、そのことを評価して貰えないということだ。

自分はこれほど思い詰めて生活しているのに、周囲からは実家で楽に生活していると思われていると思うと、なんだか悔しい。
そんなことは仕方ないし、本当に苦しければさらっと言ってしまえばいいが、今の自分にはそれが出来ない。

ヤングケアラー、若者ケアラーに対して、評価をしてあげる人が周囲にいないというのはなかなかに当事者を苦しめると思っている。
こんなに必死にやっているのに、誰からも評価されない、認めて貰えないということは、特にまだ若い人にとってかなり精神的ダメージになるのだと自分の身をもって知った。

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