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函館で死にたい 石川啄木

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大森浜の浜辺を散策して『一握の砂』を詠んだ     東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて 蟹とたはむる
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函館で死にたい 啄木

風も狂ひ火も狂ひ 「明治40年6月11日 石川一、 函館區彌生尋常小学校代用教員拝命  月俸拾貮圓」 明治15年の開校当初から綴られ古びた 「彌生小学校沿革誌」の一ページに記された 石川啄木の足跡である。 いまも校長室の耐火金庫に大切に保管されている。 天才詩人と名が出始めた啄木をあたたかく迎えいれた 文学仲間のツテで、薄給の弥生小学校代用教員となる。 が、「烈しい山背の風で一本のマッチから起った火を煽りに煽って……雲も狂ひ風も狂ひ火も狂ひ人も狂ひ巡査も狂ひ犬も狂ひ

東海の小島の磯

天気が良いので、コンブ、イカ、ウニの匂いがただよう⼤森浜の砂をふんで、啄⽊⼩公園から函館⼭へむかってそぞろ歩いた。 ⽬に⾶びこんできたのは、浜辺にたつ⽩亜の館。陽の光に輝いている。 まるで、“エーゲ海の⽩い宝⽯”といわれるミコノス島の⽩いペンキを塗りたくった家のようだ。 いきなり現れたギリシャにどっき り。 真っ⽩に輝く館は、ヘア&メイク「ルルーディー Luluwdy」。 店の名前は、ギリシャ語で“花”を意味するとか。 ⽩髪頭の“枯れ⽒”でも散髪、いやカットしてもらえるだ