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北京の秘境

1996年秋、誘われて中国へ旅立った。
最も行きたかったのは、「中南海」。

二つの湖をかかえた
広大な中南海こそ、
北京のど真中の秘境といわれ、
朱色の高い城壁で囲まれている。

北京                 暗闇の露店               1996

中国共産党中央と国務院(首相府)がおかれ、
かつては毛沢 東、周恩来といった最高首脳の執務室と住居があった。

いまも主席、首相などが住み、
一級の賓客だけが招かれる

ニクソン、田中角栄もここで毛沢東と差しで会い、
歴史的和解を実現した。
側近によれば、毛沢東は、
ニクソンより田中角栄に好意と高い評価を与えたとか。

路地裏                         1996

また、共産中国誕生から激しい政争の舞台となったここで、
張春橋、江青ら
文化大革命四人組の逮捕劇もあった

部下に逮捕通告された江青は、
「お前もか!」と
カエサルのごとく叫んだという

夜もふけるころ、中南海を
ぐるりとタクシーでまわった。
途中、停めてくれと言ったがフルスピードのまま。
四ヵ所ある門は、兵士が立ち巌重警戒、
中南海のまわりは、
全て駐停車禁止であった。

街中           自転車部隊        1996

建国を成しとげた
「現代の皇帝」毛沢東のあと

黒猫白猫の鄧小平、実務家の江沢民……

14億の民をすべる独裁者の行方、
こはいかに?—新たな毛沢東があらわれるのか

共産党一党独裁がつづくかぎり、
特権的な中南海は、
厚いベールを脱ぐことはないだろう。

 

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