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読書レビュー『語り屋カタリの推理講戯』

はじめに

こんにちは、Takaです。
今回は、円居挽の『語り屋カタリの推理講戯』を紹介します。
円居挽作品で3つ目の紹介になります。やっぱり好きな作家の本は時間が経っても内容を覚えているものですね。同時期に読んだ他の本は全く記憶に残っていないものもあって、レビューどころではありませんでした。

概要

タイトル|語り屋カタリの推理講戯
作者  |円居挽
出版社 |講談社
発売日 |2018/2/20

感想

主人公のノゾムが難病の治療費用を捻出するために、いわゆるデスゲームに参加します。5W1Hに沿った事件を全て解決することで、望みが叶うゲームです。そんなゲームの中で、天才カタリと出会い、推理のレクチャーを受けるという物語です。

この作品は6つの章に分かれており、各章にテーマが与えられています。

  • What:何が起きたのかを当てる

  • Who:犯人を当てる

  • When:いつ事件が起きたのか当てる

  • Where:ここが何処なのかを当てる

  • Why:動機を当てる

  • How:犯行トリックを当てる

それぞれミステリー小説ではよく目にするテーマではありますが、「What」と「Where」については珍しいのではないでしょうか。特に「What」に関して、一般的なミステリー小説では事件(何が起きたのか)を提示され、推理を行うのが基本の流れです。それに対して、本作品では一切のヒントが与えられずに何が起きているのかを推理するという、かなり珍しい展開があります。6つの章から成る短編連作ならではの手法ですね。

またこの本はミステリー小説初心者におススメしたいです。「こういう風に推理するんだよ」と、ミステリー作家が教えてくれます。これを理解したからと言って、他のミステリー小説も謎解きが出来るようになるかと言うと、無理な話ではありますが、読むポイントの目安にはなります。推理のツボが分かると、面白さもきっと変わるでしょう。

おわりに

今回は『語り屋カタリの推理講戯』を紹介しました。
個人的にはもっと早くこういった本を読んでみたかったと思う一方、これを読んだからと言ってミステリー小説が解けるようになったり、より楽しめるようになるといったことは、別になかったと思います。ただ、無意味な描写は無いということを意識して読めるようになったので、ページを戻る回数は減ったように感じますね。

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