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読書レビュー『このままでは飢える!』


はじめに

こんにちは、Takaです。
今回は『このままでは飢える!』を紹介します。
私にしては珍しいジャンルの本を手に取ったと思います。基本的にはミステリー小説か、投資本ばかりを読んでいますが、今回はこの本のテーマである「野田モデル」に興味を惹かれて、読んでみようと思いました。

概要

タイトル|このままでは飢える!
作者  |鈴木 宣弘
出版社 |日刊現代
発売日 |2023/10/30

感想

この本は、日本の農業の抱えている課題と、その解決策として株式会社プラスが考案する「野田モデル」と呼ばれる仕組みが紹介されています。

前半は日本の農業の抱える課題として、農家の低収入化を訴えています。今日の日本では、いつでも、どこでも、同じような値段で野菜を購入することが出来ます。これは流通機構が巨大化したことにより実現できるようになりました。
その一方で、力関係も明らかに農家より流通及び大手小売店の方が強くなってしまいました。小売店が価格決定権を持ってしまったことにより、原価コストに関わらず、農家の得られる収入が増えないという状況が生まれています。

その解決策として株式会社プラスの運営する農産物直売所「産直市場よってって」です。簡単に言えば、直売所の多店舗化ですね。これまでも道の駅など直売所の成功例はありましたが、規模が小さく小遣い稼ぎの枠を超えることが出来ませんでした。それをうまく多店舗化を実現し、農家の収入の柱にすることを可能にしたビジネスモデルです。

私自身、実家が農家であったこともあり、この課題については元から興味がありました。バイク旅行でも道中の道の駅は必ず寄るようにしていて、直売所を覗くのを楽しみにしています。そんな中、こういった本が出版されたと知り、速攻で手に取ってみたということです。

個人的に興味深い内容ではあったものの、もう少し「野田モデル」のビジネスモデルについて深く語って欲しかったなと思っています。「野田モデル」の現状について表面をなぞった程度だったので、立ち上げの苦労話や現状の課題、さらには今後の展望など、もっと話を広げて夢を語って欲しいなと思います。
正直、前半の農業政策に対する政府批判のパートが長く、著者としてはこっちが書きたかった内容なのかなと勘ぐってしまいます。

おわりに

今回は『このままでは飢える!』を紹介しました。
ちなみにこの本を読んだ後、すぐに『産直市場よってって枚方北山店』に行ってきました。野菜以外にも精肉店を入れるなどして、普通のスーパーマーケットと同じような使い勝手の良い店舗を実現していました。とは言え、そこそこ距離があるので、滅多に行ける所じゃないのは残念です。


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