参勤交代について思うことというより、参勤交代を教える学校での日本史教育について思うこと、ですかね()

（注意：この記事は完全に自己満です。許してね）

僕の周りには日本史選択が全くと言ってていいほどいないので伝わるかどうか不安ですが、随分前に興味深いツイートを見かけたのを思い出したので、書こうと思いました。

詳しくは覚えてはいませんが、そのツイートは、「参勤交代の目的について正しい理解に直してくれた、ありがとう○○先生！！！」みたいな内容でした。そのリプ欄があまりにも的はずれなことを書いてツイ主を批判する人たちがめちゃくちゃ多かったんです。それでこのnoteを書こうかなと思い立ったわけです。

皆さんは、「参勤交代」についてどのくらいご存知ですか？

小学校の授業でも扱うので、それがなにか知ってるよ！って方は多いと思います。
江戸時代に、幕府が諸大名を江戸に参勤させる制度のことです。

そこで、皆さんにお聞きします。

「参勤交代の目的は、なんだと思いますか？」

小学校六年生で受けた歴史の授業の知識だったら僕は堂々と
「大名のお金を減らすため！！！軍事力を下げるため！！！」
と、アホ面さげて答えていたでしょう。

実際、こう教えている学校、多いと思います。

ですが、これは大変な間違いなのです。その誤認を今日は直していただけたらなぁという思いです。

本編:なぜ参勤交代を行ったか？

ここで、参勤交代について、江戸時代の背景とともに考えていこうと思います。

江戸時代は、一言でいうと　武家社会　です。
武家社会とは、主人とそれに仕えるものが、「御恩」と「奉公」の関係によって結ばれる、封建制度によってなりたつ社会のことです。
御恩は、将軍が御家人に領地を与え、奉公は、御恩を受けた御家人が、戦争などで成果をあげることで、将軍に忠誠を誓うものでした。
つまり、御恩と奉公は、「片務的ではなく、相互に利益を加え合い、主従関係をはっきりさせた概念」というわけです。どこかの近代のアメリカさんとは大違いですね(参照:日米和親条約)。
そして、この制度は、武家社会の始まりの鎌倉時代以降も続いていきます。

先程、奉公は、「戦争などで成果を上げることで」と書きました。
では、戦争がない平和な時代には、どうやって奉公したと思いますか？

これが、参勤交代です。

大名は江戸の将軍のもとに行くことで、「自分はこんなにも将軍様のもとに行きますよ！！！！！！私達、絆、深いですよね！？！？！？！？」っていうことを、大名たちはやりたかったわけです。

参勤交代は、戦争ができない平和な時代に、御恩と奉公、つまり将軍と大名の主従関係の確認する、つまり軍事の平時化を図ったのものだったんですね。

参勤交代は、お金がかかります。そりゃそうでしょ、当時新幹線なんか無いし、何日もかけて江戸まで行かなきゃならんのですから。金かかるのに、大名たちは参勤交代しまくるんですよ。忠誠誓いたいから。
その結果、藩の財政がめちゃくちゃ苦しくなります。

ここが、世の中の高校生の抱える勘違い、いや、大人でも勘違いしている人いるかも知れませんね。目的が「大名のお金を減らす！軍事力下げる！」であるという大きな大きな勘違いの原因です。
あくまで結果です。お金が減ったのは。目的ではありません！
（そもそも米価安諸色高で財政難に終始苦しんでる江戸時代に、大名のお金を減らさせている場合ではないのです。この米価安諸色高については今度話すかもしれません。）

これできっと皆さんの誤解は解けたはずです。

ちなみにですが、江戸時代が進むに連れて、「享保改革」という改革がなされます。この中に、参勤交代を規制する改革があったんです（江戸にいるのを一年から半年に）。
これは経済的負担を減らすためのものです。

ここからも、大名が参勤交代しすぎていて、それを幕府が抑えようとしているということがわかりますね。

過去にこのような入試問題が出題されたことがあるようです。
「参勤交代は、大名の大きな経済負担となり、大名の軍事力を低下させる役割を果たした。その反面、参勤交代時における大名行列の通過等により、都市や交通が発展する重要な契機になったことは事実である。しかしこれは結果であり、参勤交代が制度化された理由ではない。参勤交代が制度化された真の理由を説明しなさい。」

しょーもない教育しかしてこなかった学校の授業だけではこの問題は解けないと思います。超難問です。
しかし、この記事を読んだみなさんなら、簡単に答えることができるはずです！

最後に:日本史を学ぶ楽しさ

今回は、日本史を勉強する中でみなさんが陥りやすい一つの誤認識である参勤交代についてお話ししました。
どうでしたか？自分の曖昧だった認識が刷新されていって、論理とともに新しい理解につながるのは、楽しかったですか？
僕は、高校の授業で日本史を学んで、すごく楽しいです。
今回のような、みなさんがよく誤認している日本史は、たくさんあります。参勤交代の目的はその中のたった一つに過ぎません。
これからも(暇があればですが)、このような記事を書いて、皆さんに日本史の楽しさを少しでも味わってもらえたなら、僕はとても嬉しいです。

ありがとうございました。