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60代男性、ジョギング中の心拍データーから見つかった大動脈瘤

【ランニング中、苦しくないのに心拍数が上がることはありますか?】

60代男性、ランニング暦15年の方から診療中に質問されました。
ランニングウォッチを装着して走ったデーターをみなおしたところ、どうも見慣れないデーターがあるとのこと。
苦しくないにもかかわらず、走り始めに心拍数が上がるとのこと。

ランニングウォッチカロスペース3で
こちらの波形でした。

カロスペース3からのデーター

かなりの急勾配をダッシュしたような心拍の上がり方をしています。

ペースを確認してみたところ
7'00"/km で、ゆっくりしたジョギングペースでした。

ランニングペース

強弱もありますし、苦しい上り坂でもありません。
ゆっくりとジョギングをした状況でしたが
心拍数が一気に160-170程度まで上がっていました。

ランニングコースはこちらでした。

近所の公園

ご相談をいただいたのが、2024年3月14日。

当日診療中にお伝えしたことは3つありました。
・心臓の専門医に拝見してもらう可能性を感じたこと。
・同様のデーターが繰り返して発生するか確認してほしい。
・生活の中で苦しさや動悸、息切れがあるかどうか?

経過観察をお願いしたところ、翌日に3月15日に走ってみたところやはり同様のデーターになったとのことでした。

心臓に関しては、提携先でもある心臓外科医の南和友先生を、ご紹介させていただきました。

2024年4月10日
心電図検査、気管支鏡検査

心電図から負荷がかかったときに虚血状態あり。
心臓部分に血液が行かない状況が起きているとのこと。
考えられる原因は、血管の硬化、心臓の筋肉肥大、肺の酸素不足とのことでした。
気管支鏡検査から
リンパが腫れているとのこと。間質性肺炎のCT検査へ

2024年4月18日
南先生の心臓エコー検査、肺CTの画像診断より
上行大動脈に大動脈瘤があるとのこと。

この場所にあると南先生からご説明を
動脈瘤のサイズ


上行大動脈は、
心臓血管系の大動脈である大動脈は、身体の中で最も太い動脈です。
通常は30mm程度ですが、46mmは危険な閾値でした。

結論は、心臓に長く負荷がかかるマラソンは禁止。
1年の経過観察となりました。

原因として考えられることは、過去の高血圧やマラソンの影響で肥大しているとのこと。

ランニングをされる方へ

ランニングが終わったときに、自分のデーターを毎回確認してみましょう。
苦しさや、速度、足のピッチなどよくわかります。
自分の実感値と比較することが大切です。

今回のように異常な波形があることで、チェックすることもできます。

時計をつけているけど、データーを見ていない方はぜひ、確認してみてください。
初心者であっても、自分の健康コンディションを客観的に確認することができるので大変便利な道具です。


心拍数のデーターを確認して、違和感を感じるデーターがあるときは心臓の専門医の診療を受けましょう。

今回の以上を見つけたデーター

今回問題が見つかった心拍数データー


私のジョギング心拍データー(60分 7'20"/kmペース)

私のジョギング2024年4月15日

今回のデーターは、私も驚きの結果でした。
より走る方々のデーターに気をつけながら診療していきたいと考えています。
事前に兆候がまったくないと言われている大動脈瘤を発見するきっかけになり本当にいい勉強になりました。

このノートを通じて、走られている方が一人でも早期発見につながれば幸いです。

適切な姿勢はランニングのパフォーマンスを向上させるだけでなく、不必要な負担、怪我を避けるためにもとっても大切です!
姿勢治療家(R)は、骨格構造の問題を無くして、死ぬまで歩け走れる体づくりをめざしてます!
お気軽にご相談ください。

姿勢が変わると、人生が変わる。
姿勢治療家(R) 仲野孝明


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