芝生の上に横たわる

芝生の上に横たわる
中にはまだ生まれたての新芽が混じり
まだ青さの残る草原に
秋空の夕日は似合わない

見上げる空のどこか
誰も見たことのない国があると信じ
空中に透明な足場を作り
それを登って
私は改めて世界に平たな部分が
一つもないことを知る

か細い木陰が
時刻を明確に教えてくれる

曖昧な向こうの山際に
まだ目を刺すような感動は訪れない

柔らかい土の上
やがて生まれる小さな命と共に眠り
その温もりで
私もかつて生まれた小さな命へと還る

少し冷たい風
やがて生まれる小さな命と共に眠り
肌の底の方で
私は既に生まれてしまった命だと知る

まだ生まれていないもの
既に生まれてしまったもの
その境界に限りなく近いところ
私を過去へと解き放ち
未来を恐れるのを許さない場所

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