高原智史

高原智史

最近の記事

「~になるため」でない知識人論のために

旧制第一高等学校の生徒の思潮について研究しておりますが、「~になるため」でなくてもある、学校生活の意義というのが紡ぎだせたらと思っています。 第一高等学校、一高といえば、戦前のトップエリート校であり、さらに帝大へと進んで、官界、経済界、学界で指導的な立場に立つ人々が輩出した場でありましょう。 まずもって官僚になるために、立身出世志向が翳ってきた明治末以降も、教養ある人間になるために、というのが高等学校から帝大へと進み、高等教育を受けようとする者の矜持であったことかと思います。

    • 【レポート】対話する上映会:映画『籠城』をみんなで観ておしゃべりする場@学問バーKisi

      高原智史 僕らが大学のプロジェクトとして制作した映画「籠城」を、新宿の学問バーKisiさんで上映し、観賞されたみなさんとトークしました。 まず、映画そのものについて説明します。 そもそもの発端は、東京大学東アジア藝文書院(EAA)という組織が2019年に発足して、僕がリサーチ・アシスタントとして加わったこと。EAAでは、「一高プロジェクト」というのが始まって、ちょうど第一高等学校(現東京大学教養学部)についての修士論文を書き終えて、博士課程に上がったところの僕を加えてもらい

      • WunderBarArs 酒税レクチャー開催報告と、Zoom動画の販売

        わが町小岩のバー、WunderBarArsで開催しました酒税レクチャー、2回合わせて10名ほどの方にご参加いただき、無事終了しました。 https://x.com/takabu_kmb/status/1715629459217568152?s=20 当日参加できなかった方のために、Zoom配信動画の録画をご用意いたしました。恐縮ですが、当日の参加費と同じ1000円にて販売いたしたく思います。 36分11秒の動画と、画面に映したスライド(パワーポイント)をアップロードしてい

        有料
        1,000
        • 酒税レクチャー「酒税の基層」

          10月28日(土)の16時からと18時から、江戸川区小岩のWunderBar Ars(江戸川区西小岩1-19-32薮田ビル 201)にて「酒税の基層」と題して酒税レクチャーを開催します(2回とも同内容です)。 酒税制度についてや、今次のその改正についての早わかりというのではなく、歴史的、経済的、法的にその「基層」に迫ることを目指します。 予定している目次は以下の通りです。 Ars現地でご参加いただける他、Zoomでも配信します(録画を後に販売する予定もあります)。 参加

          有料
          1,000

        「~になるため」でない知識人論のために

          ギルドとしてのBar・大学論(初稿)

          前回の初投稿で、このnoteのさしあたりの目標は、「ギルドとしてのBar」論を完成させることと書きましたが、すでにプロトタイプ的なものはあります。7月21日にTwitterに26連ツイしたものです。以下、こちらにも転載します。 なお、文中に小岩という地名が出てきますが、東京都江戸川区小岩。僕の地元です。ここ一年間、小岩の3つのバーに通いながら、酒場ということについてよく考えさせられ、こういうことを書き綴っているわけです。 昨日の「バー・大学=ギルド論」は、わりかし面白い着想

          ギルドとしてのBar・大学論(初稿)

          エリートということ

          学部から数えて東大に18年在学している、現在博士課程在籍の高原智史と申します。 Twitter(いまやX?)に、研究か酒場か、あるいはそれらの入り混じった連ツイ(最大26連)を投下してばかりいるこの頃ですが、このたび note を始めました。 noteの最初の記事は、どういうことを書こうかと考えるに、やはりこれしかない。「エリート」。最初に書きましたように、東大に入ったはいいけど、ずっと出られないでいる僕なんぞは、エリート志願者の成れの果てでしかないわけですが、しかしだか

          エリートということ