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2006年にタイ人と結婚したときは今より手続きが面倒だった

 タイ人と結婚した。2006年5月のことだ。ただ、海外在住で現地にて婚姻手続きを始めると日本で婚姻が成立した日がよくわからない(もしかしたら戸籍などを見れば受理日が記載されているのかもしれないが、手元にないのでわからない)。というのは、タイの場合は在タイ日本大使館に婚姻届けを最後に出し、大使館が代わりに日本のしかるべき役所へ郵送してくれるので、受理日は大使館ではわからないからだ。そのため、ボクら夫婦はタイで成立した5月2日を結婚した日としている。

 2006年というと今から15年も前になる。そのころは今と状況が全然違っていて、タイ側でやるべきことがいろいろと厄介だった。特に妻は東北地方の出身なので、バンコクではできない手続きもあったりしたからだ。

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 国際結婚はポリシーにもよるが、最も正統的なものは日本と現地人の国の両方で手続きをすることになる。そうすることで生まれてきた子どももすんなりと二重国籍になる。どちらか一方の場合は、その国で正式に夫妻と認められないので、その国の諸々のなにかを享受できない。子どもも婚姻していない国のパスポートはもらえない(子どもだけ自分の子として届け出る人もいるみたいだけど)。とにかく、別にその国の公的サービスなどが必要なければ別に問題はないと思う。

 タイ人との国際結婚の場合、タイで先に婚姻をするときの手続きの順番は下記になる。

①自分で結婚資格宣言書を英語とタイ語で作成

②在タイ大使館領事部にて結婚資格宣言書署名証明書と独身証明書をもらう

③結婚資格宣言書と独身証明書、さらに独身証明書のタイ語訳を作成してタイ外務省で認証を受ける

④上記すべての書類を持ってタイの役所に行き、婚姻登録証をもらう

⑤戸籍謄本や婚姻登録証を持って大使館で日本の婚姻手続きを行う

 ①と②は要するに二重に婚姻することを避けるもので、証明書の英語・タイ語翻訳などを自分で作成し、それを大使館で証明してもらう。このときに日本の戸籍なども用意しないといけないので、それ以前に日本でそれらを入手する必要もある。

 翻訳は、ボクのときは領事部がアソークにあった時代なので近隣に翻訳屋がいっぱいあった。タイ外務省周辺にも翻訳屋があったはず。そこでやってもらってもいいし、手続き代行屋に頼んで全部やってもいい。その代わり時間がかかる。友人は代行を頼んだので、タイ側の手続きが終わるまでに3ヶ月くらいかかっていたはず。

 ボクの場合は全部自分でやった。会社員なのによくそんな時間があったなと思うが、営業に行くふりして手続きに走ってた気がする。とはいえ、1週間くらいで全部終わったはず。過去のブログを見ると、4月24日に初めて大使館に行き、5月2日に認証課で書類をもらい、そのまま役所に行ったはず。そして、5月8日に大使館に行ったようだ。

 ちなみに、代行に頼もうが自分でやろうが、大概大使館から一度書類のダメ出しが出る。代行だとそのやり直しのやり取りで時間がかかる。ダメ出しが出るのは大使館の書式がややこしいからだ。タイの住所を日本風に書くとかいろいろルールがあったはず。書類の書き方や必要なものは大使館のホームページに出ているのだが、それでも間違えるくらいややこしい。

 さらにいうと、婚姻関連の書類はタイは手書きは一切認められない。一方、日本の婚姻届けなど各書類はすべて手書き推奨だった。

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 婚姻届けに関しては必ずしも居住の役場に行く必要はない。タイ全土、どこでもいい。妻は戸籍(タイでは住居登録証と呼ぶ)が田舎にあるままだったが、バンコクに住んでいたので都内の役所に行って提出した。

 ちなみに提出したのはバーンラック区役所だ。名称が愛の家のタイ語発音に似ていることから、バレンタインにはたくさんのタイ人が婚姻届けを出しに来ることで有名な役場だ。なぜここにしたのかというと、当時妻が住んでいたのがこの役場の前だったから。

 タイの役場では一応軽い面接がある。タイ語ができるのかとか、どこで出会ったのかとか。でも、確か妻と並んで座り、担当者から質問されたと思う。これは国際結婚ではよくある面接なのだが、最近の面談は個別で厳しくなっているとか。不良外国人が不法滞在をするための偽装結婚が増えているらしく。

 面倒なのはここからだ。

 先述の通り、妻は田舎に籍がある。そして、婚姻したからといって、それがタイの住居登録証には出てこない。あくまでも転居すると記載されるものだし、外国人は登記できない。つまり、表面上、妻の婚姻の証拠がこの時点では婚姻登録書以外なにもない。姓も変わらない。

 だから、夫婦別姓ならそのままでいいが、同じ苗字にするならさらにアクションが必要だ。今ならタイ全土の役場がオンラインで繋がっているので、別に現地の役所に出向く必要はない。でも、少なくとも2006年はオンラインではなかったので、当時わざわざ400キロ近くも離れた役所に行かなければならなかった。

 これに気がついたのが、実は日本側で婚姻届けを出したあとだった。だから、大使館で婚姻届けを出したときは妻は旧姓のままだったので、日本の戸籍もそのままで記載されてしまった。のちに姓を変え、改めて大使館に行くことになった。だから、姓を同じにしたい人は、日本大使館に行く前にタイでの手続きを終わらせた方がいい。

 我々は後日わざわざ田舎に行き、そのときに姓を高田に変えた。タイ人は当時14歳からIDカードを持たないといけない法律だったので、ついでにIDも更新した。今回の画像はそのときのものだ。

 この年の終わりに娘が生まれた。このときもまだオンライン化されていないので、住居登録証に届けを出したのが翌年の4月、旧正月の直前。出生届は大きな病院だと勝手にやってくれるので、国民番号はそのときにすでに割り当てられていた。でも、住居登録証への登記は生まれてから7日以内とか結構短い設定なので、役人から「なんですぐ来ないんだ」と怒られた。罰金だといわれたが、20バーツだった。

 もしかしたら違うかもしれないが、今はどこでもできる。地方出身者でもわざわざ現地に戻る必要はないはず。IDカードも法令も変わり、最近は小学生になったら取得することが多く、我が家のように住所が他県でもバンコクのワンストップサービスの窓口で手続きできるし。

 余談だけれども、警察もこのオンラインを閲覧可能で、名前、住所、指紋とかで検索できるようになっている。最近は届け出を知らないで無国籍者になるなんてこともなくなっているし、レスキュー慈善団体が仕事にしていた行き倒れの無縁仏もほとんどいなくなっている。いい時代になったもので。

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