【映画レビュー】「マリー・アントワネット」(2006年 アメリカ、フランス)〜キルスティン・ダンストの魅力が光る一作〜

【タイトル】

「マリー・アントワネット」(2006年 アメリカ、フランス 122分)
原作 「マリー・アントワネット」アントニア・フレーザー著
監督・脚本 ソフィア・コッポラ
出演  キルスティン・ダンスト


 1774年。フランス国王となったルイ16世の王妃マリー・アントワネット。本作は、彼女の半生を切り取った伝記映画です。
 マリー・アントワネットを演じるのは、サム・ライミ監督版スパイダーマンシリーズ(2002~2007)のヒロイン、メリー・ジェーン・ワトソンを演じたキルスティン・ダンスト。

 この映画は伝記映画でありつつも、カラフルで煌びやかな青春映画としても描かれている。
 だが、公開当時。この作風が「フランス革命」において重要な人物であるマリー・アントワネットのイメージを壊しかねないとブーイングを受けたそうで。

 実際に観てみると、オーストリアの皇女であった少女・マリーが、母の命令で見知らぬフランスに嫁ぎ、贅沢な暮らしをしつつ、周囲からのプレッシャーの中、世継ぎのための子作りを強いらされる複雑な青春時代が描かれています。
 そして、マリーは「フランス革命」によって、すべてが崩壊していく……。

 牧歌的な風景がありつつも、カラフルなお菓子と煌びやかな衣装が散らばる豪華絢爛な装飾による映像が凄く、所々でポップな演出がされたりと、一味違う伝記映画。

 キルスティン・ダンストも見事にマリー・アントワネットになりきっており、可憐だったり、優美だったり、妖艶なだったりと様々な姿を見せている。
 キルスティン・ダンストの魅力が光る一本だった。

 マリー・アントワネットの伝記映画として見るか、それとも彼女の青春映画として観るか。
 私は、いろんな形の伝記映画があっても良いと思うので、この映画は楽しめた。


 だが、マリー・アントワネットのその後を考えると辛くなってくる映画でもある……。
 彼女は贅沢をし続けて民を苦しめた悪女なのか、それとも時代に翻弄された女性なのか……。


 ちなみに、この映画に出てくるデュ・バリー夫人(ルイ15世の公妾・愛人)役の女優さんがやけに存在感あるなと思ったら、ダリオ・アルジェント(イタリアンホラー映画界の巨匠。代表作「サスペリアPART2」「サスペリア」「インフェルノ」など)の娘、アーシア・アルジェントだった。
 存在感ありすぎ!!

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