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同じ雲の下の彼

言葉と音楽の力を信じて、書いてみます。

今、私の耳から全身に行き渡っている曲。

さくらしめじ の 同じ雲の下

この曲を初めて聴いた時、脳裏に蘇った数年前の記憶がある。

ずっと、ずっと、しまい込んでいた記憶。

辛い記憶。

さくらしめじの2人の歌声で、辛かったはずの記憶が、優しい胞子に変わった気がする。



小学校低学年の頃習っていたピアノ教室でのトラウマから、ずっと、音楽を好きになれなかった。

そんな自分を変えたくて、中学校の吹奏楽部で楽器を始めた。

楽譜がほぼ読めず、吹く楽器も初めてで、なんの音を吹いているのかも分からない。
でも、周りの同い年の友達は、楽譜も読めるし、楽器は初心者でも音がわかる。

入部した時点での差に怖気付いてしまった。

初心者中の初心者だけど、それを理由に、自分にも、友達にも、先輩にも負けたくない。
たくさんたくさん練習をした。

中学1年生の冬。
アンサンブルで、ソロをもらうことができた。
1・2年生のグループで、ソロをもらえたのは私と先輩だけだった。

すっごく、すっごく嬉しかった。
やっと演奏が認めてもらえた!!って。

もっと上手くなりたい!と思った。

でも…

中学2年生のとき、歯の矯正を始めた。
矯正をつけると、口も歯も痛くて、楽器どころじゃなかった。

でも、やっと音楽を好きになれた。
楽器も好きになれた。

だから、痛みに負けずに頑張ろう!って、休まず部活に行って、たくさん練習した。
矯正の針金で、口の中が口内炎だらけで、ボロボロだった。

合奏中、私のパートの演奏が注意され、
1人ずつ吹くことになった。
私は吹けなかった。
そのとき、指揮の先生にこう言われた。



『使えない。戦力外。』



悔しくて悔しくてたまらなかった。

矯正を吹けないことの理由にしたくなかったから、自分なりに頑張っているつもりだった。

みんなは大丈夫?無理しないでって言ってくれたけど、ほんとは迷惑だって思ってるんじゃないか。こんなやついなければいいのにって思ってるんじゃないか。

どんどん悪い方向に考えてしまう。

学校も、部活も、行くのが怖くて仕方なかった。



そんな日々の、唯一の楽しみがドラマを観ることだった。

『家族のカタチ』

複雑な事情を抱える同い年くらいの男の子 浩太くんが、少しずつ前を向いて歩む姿に胸を打たれた。

浩太くんを見るうちに、今までに感じたことのない、なにか共通点のような、あるいは運命のようなものを感じた。


あとあと母から教えてもらって知った。

まさか、浩太くんが5時9時のゆきちゃんだなんて…更にびっくり!


浩太くんを演じていたのは、髙田彪我くんという、同い年の男の子だった。

さくらしめじというフォークデュオで、音楽をしている同い年の男の子。

検索していくうちに、


2014年 11月 24日
さくらしめじ という名前になった日。
初めてのCDが発売された日

の動画に出会った。


涙を流しながら、小さな体で、大きなギターを弾いて、途切れ途切れになりながらも歌う彪我くんの姿。


がんばって がんばって 練習してきました


涙ながらに話す彪我くんと、自分の姿が重なって見えた。


でも、彼と私は違った。

彪我くんは、着実に前に進んでいる。

私は、傷ついて立ち止まっているだけ。

このままじゃだめだ、なにも始まらない。

この時、私は前に進む決心をした。


まず、矯正をやめた。
親にも、歯医者さんにも、たくさん迷惑をかけてしまった。

その分、絶対に、先生が何も言えないくらい上手くなろう。人の何倍も練習しよう。



中学3年生。

合奏で、私のパートが注意され、1人ずつ!と言われた。

去年の言葉が蘇って、怖くなった。
でも、練習してきたから。
自分を信じよう。

楽器を構えたとき、先生が言った。
『1stは出来てるから、2ndから!』

驚きを隠せなかった。

頑張ってきてよかった。

嬉しかった。


その日、私は、いつか言おうとして言えず、心の中にとどめたままでいた、

ソロコンクールに出場し、賞を取って、音楽高校を受験したい

という意思を伝えた。

先生は、快く賛成してくれた。

『あなたはできる。上手だから大丈夫。受かる。』


私はこの言葉を信じて、練習に励んだ。


初めての挑戦で、不安で押しつぶされそうな瞬間が何度もあった。


そんな時、さくらしめじが音楽と笑顔を届けてくれた。

彼らの存在が、私の動力源だった。


あの日の彪我くんの姿を思い浮かべる度に、勇気をもらった。

身も心も成長していく2人に、負けていられないと思った。



そして

ソロコンクールでは賞を取り、第一志望の音楽高校に合格することができた。

全てはさくらしめじ含む、周りの人の存在のおかげだった。



中学卒業後、さくら〆じのリリースイベントがあった。


奇跡が起き、整理番号 1番を受け取り、彪我くんの前に立つことができた。

なんだか報われたような気持ちだった。


風邪から復活したばかりの彪我くんは、時々辛そうに咳をし、声も裏返っていた。

それでも彼は歌う。

その強さに、再び心を打たれた。


彪我くんに思いを伝えた時、
彼は、キラキラとした目で、まっすぐに答えてくれた。

彪我くんからもらった言葉の数々が、今も私を導いてくれている。

彼らの届けてくれる音楽が、私を優しく包み込んでくれる。


私はもうすぐ高校を卒業。

演奏者の道には進まないけれど、
今までしてきたことや、さくらしめじから学んだことを活かせる職業に就くために、大学を受験する。


不安でいっぱいだけど、同じ雲の下にさくらしめじがいる。

そう思うだけで、気持ちが軽くなる。

なんだか上手くいく気がする。



さくらしめじ というアーティストに出会えて良かった。


明日の気持ちを胸にほら

晴れたらどこ行こう


ふわだ


#君のことばに救われた

#いまから推しのアーティスト語らせて

#さくらしめじ

#髙田彪我 #田中雅功

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