How to 越境EC phase: 6 何故ebayでの販売をオススメしないのか

では今回は、何故私がebayでの販売をオススメしないのかについてを書いていきます。

まずは開始時に様々な制限があるという点です。
ebayでは販売開始時に出品数と取引額に制限があります。
細かい数字は忘れましたが、最初は出品数は50まで、金額が500ドルまでのような制限が課せられ、売り上げが出てくればebayにリクエストを送る事で少しずつ制限が解除されていきます。
これがとても厄介です。
昔は日本からの出品がそこまで多くはなかったので、日本の商品は数が少ないため検索上位にも表示されやすく比較的売れやすさがありました。しかし、現在では出品者・出品数が増え、他と比較されがちなので、最初は中々売れず、商品数を増やすことで目立たせるという事もできないためハードルが高くなりました。
他の出品者が出していない物から出し始めるという手もありますが、現在のebayの出品数、種類ではその物を探すのも簡単ではありません。

次にebayは宣伝や集客をほとんどしてくれない、という点です。
ebayに集客力がある理由は歴史が長い分ユーザーが多く、amazonの様にまずはebayで検索をする人が多いからです。
しかし、先ほども述べましたが今は出品数が多いため検索にも引っかかりにくくなり、またebayが出品商品の宣伝をしてくれる事はほぼないため、結局集客・宣伝は自分で行わなければいけません。
それでも昔はそれなりにお金を持ったバイヤーが多かったので顧客を見つけやすかったですが。そのためebayでの集客力は現状ではあまり期待はしない方がいいでしょう。

次にカスタマーサポートの対応が悪い、という点です。
ebayジャパンがあるのでカスタマーサポートを日本語で対応してもらう事はできます。
ただ、そこのカスタマーサポートのレベルがかなり低いのが問題です。

以前私が理不尽なクレームを言ってきた客の件で問い合わせた時も、まともな解決策を提案するどころか、

「私達(ebay)はあなたに売ってほしいなどとお願いしておりません。文句があるのであればebayを利用しないで下さい」

とまで言われました。毎月多額の出品料、販売手数料を支払い、それで給料をもらっているカスタマーサポートがこの様なレベルの返答をしてしまう。私はこの言葉を言われた時にebayに見切りをつけて販売を縮小、ウェブショップでの販売を強化していく方針に切り替えました。
また、近年では日本語でのカスタマーサポートは審査が通らないと受ける事が出来なく、審査に落ちてしまった場合はアメリカのebayへ直接問い合わせてくれ、と言われます。もちろん、日本語のサポートはなく英語での対応のみで、国際通話料も自分で支払わなければいけません。

これを踏まえた上での次の問題点はebayはバイヤー(買い手)ばかりを優遇し、セラー(売り手)を冷遇するスタイルでやっています。

これはamazonの方針である顧客至上主義をebayが真似してできた体制ではないかと言われています。
ebayではセラーがちゃんとした商品を送っても、バイヤーがどんな適当な理由でも返品・返金要求をすれば99%返品・返金を受け付けます。最悪の場合、販売した商品がバイヤーから返品されない事もあります。

例えばセラーが新品未開封の商品を送ったとします。それがバイヤーの手元に無事に届いたとしても、バイヤーが説明通りの商品が届かなかった!セラーが詐欺をやっている!とebayにクレームをいれれば、こちらがどんなに新品で説明通りの商品を送ったと訴えてもebayが独自の判断(こちらの意見はほとんど聞きあってもらえません)強制的に返金する事ができます。
ebayのシステムではバイヤーがクレームを上げればその資金は送料も含めて全てebayに「強制的に」ホールドされ、「強制的に」返金するシステムがあるからです。ebayではこれをバイヤープロテクションと呼びます。一応セラーを守るためのセラープロテクションもありますが、名ばかりでほとんど効力はないと言ってもいいでしょう。
この売上金の一時ホールドと強制返金のシステムがebayのバイヤープロテクションで最も厄介な部分です。

一応規約上は強制返金はアカウントを開設したばかりの初心者セラーを対象としています。しかし、評価10000以上(その内ポジティブ評価は99%以上)5年以上は使っている私のアカウントも強制ホールドをされた経験があります。それについてカスタマーに問い合わせても「理由は分かりません」の一点張りです。ここでもカスタマーの対応のひどさが伺えます。
そのため、始めてebayで商品が売れたとしてもすぐには商品代金は振り込まれず、最長で60日間はebayが売上金を「強制的に」ホールドしてしまうので、振込までにかなり時間がかかる事があります。

また、先程も述べたように、強制ホールドされている期間にバイヤーがクレームを出した場合、セラーがいくら正当性を主張しても、売上金は「強制的に」バイヤーに返金されます。これは送料も含めて返金されてしまうので、セラーは仕入代を含む商品代、手数料、送料とかなりの損害になります。
更にじゃあ無視すればいいのでは?と思われるかもしれませんが、一度クレームがあがると5日以内に返答をしなければ、無条件で強制返金されます。

このシステムを悪用してタダで商品を手に入れようとするバイヤーも少なくありません。ネットで検索してもらえれば分かりますが、被害にあったセラーがかなりの数います。

このセラーへの扱いのひどさが私がebayをオススメしない一番の理由です。このシステムがある限り、まともな商売は出来ません。
断言しますが、ほぼ全ての場合でセラーは不利な状況であると考えた方がいいでしょう。

もし、それでもebayを利用したいというのであれば止めはしません。以下の条件の方にはebayでの販売は悪くないかと思います。
- 商品数があまり多くない(目安としては100点以下)
- そこまで頻繁に商品アップできない
- 凝ったウェブショップを作りたいから時間がいる
といった方にはいいかもしれません。
ただどんな場合でも、自分がどんなに真面目に販売していても、自分が損をする可能性「だけ」が高い事は忘れないでおいて下さい。

昔はウェブショップを立ち上げるのにもそれなりの資金と知識が必要だったので、ebayやamazonの様なマーケットサイトからのスタートが資金的にもよかったのですが、現在は大して知識がなくても簡単に安価でウェブショップを作成できるのでそこから始める必要性も薄れてきました。

いかがでしょうか?越境ECならebayで!というのをよく目にしますが、これがebayの現状です。
絶対にebayがダメとはいいませんが、昔ほどオススメする理由が少なくはなってきているのは紛れもない事実でしょう。

越境ECをお考えの方は是非どちらが自分にあっているかを考えてみてはいかがでしょうか?

それではまた次回。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?