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政治って何って聞かれたからミートソーススパゲティを食べつつ考えてみたら思いのほか長くなった話①

朝っぱらから「政治って何?」を聞いてきた友達

先月の終わりに、大学の友達からこんなことを聞かれました。

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えっ、難しい…!平日の朝に、お手すきの際に答えられるってレベルじゃねーぞ…

色んなことが頭の中を巡りました。ハロルド・ラスウェルの「Who gets what, when, how」って伝えようか…ダールの定義を使おうか…権力(※power)の概念も説明しないといかんなぁ、とかいう小難しいことから、この場合の政治って何だ…?企業の活動や民間セクターとの対比としての公共部門のこと…?それとも社内政治とかそういう使い方の意味の政治かな…?政治家の仕事って意味かな…?

ひとしきり悩みましたが答えるまであんまり間をあけたくもなかったので、ひとまず自分の中で前々から「政治にしかできないことってこんなことだろうな」と思ってたことを書き始めました。その日の晩ご飯はミートソーススパゲティでした。

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(文体から誰が質問してるのかわかる人にはわかる気がするけど仮名としてOさんとしときます)

政治の役割ってなんだろうね

(ここからLINEの文章をほぼほぼそのまま貼ります)

「政治」がどんなものを想定してるかにもよってちょっと違ってくるかも、ってのを前提として、
政治の役割って超シンプルにいえば…

複数の人に関係する、
・価値や資源(リソース)を分けること
・ルールを決めること

っていえると思ってる。

生きてると一人でできることもあれば一人じゃできないこともたくさんある。
適当に思いついた話するね、
俺はいまミートソーススパゲティを食ってるけど、もし世界に人間が俺ひとりだったらおそらく野ざらしでその辺の草とか食べてる

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(※写真はイメージです。食べたのはこんなに美味しそうではなかった)

パスタの材料の小麦を育てる農家も多分一人だったらせいぜい農家の人の食い扶持を賄う分くらいの小麦しか作れない。
たくさん作ろうと思ったら小麦を育てる水も、道具も、人手もたくさん要る。

じゃあ畑の近くまで水路を川から引いてこようと思ったらそれも農家の人だけじゃできない。
もし仮に農家の人がめっちゃ頑張って水路を引いても、近くに住んでる別の人が勝手にそこの水を使っちゃうかもしれない

それだとせっかく農家の人が頑張って小麦を育てる水を引いてきたのに、水が栽培に必要な量より足りなくなっちゃうかも。。

それならみんなで農家の分だけじゃなくそこに住んでる人が必要な量を賄えるくらい水が流れる水路を作ればいいんじゃない?

誰が・どれくらい働く?・お金出す?
どうやって作る?

→みんなが持ってる労働力っていう資源(リソース)をちょっとずつ出し合って作ろう、とか
個々人が労働力を売って手に入れた貨幣を対価に誰かに集中して作ってもらおう、とか。

色んなやり方があると思うけど、その中のどんなやり方で水路を作るかを決めるのがこの例でいう「政治」

水路が出来てもみんながみんな好き勝手に使ったらすぐ涸れてしまうから…
・使う量は流れてくる流量を等分してみんな一律同じ!
・農家とかたくさん水使わなきゃいけない人はたくさん、そうじゃない人は必要な分だけ
…とか、どのルールにするかを決める(ルールを作る)のも「政治」

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驚くのがこの段落の「政治がどんなものか…」から「…のも『政治』」までが一つのLINEメッセージ(吹き出し一つ分って言えばいいのか)中の文章ってことですね。自分のスマホだと2.5スクロール分でした。長すぎじゃね。でもミスコミュニケーションを避けるには長くなりがちです。文章を短くできるってのは文脈を共有できるくらい相手との関係が近いってことなのかしら。

~~↓続き↓~~

あと、ありふれたたとえだけど一つしかないケーキを取り合う2人兄弟がいるとして、ここにも政治は生まれるかも。

・ケーキっていう価値・資源を分けあう
・ケーキの分け方を決める


喧嘩して勝ったほうが全部取る
お母さんが問答無用で分ける(orどちらか片方にあげる…?)
二人で話し合って決める
…などなど。

政治と経済の役割の違い(?)

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(上のLINEへの返事です。)

これほどの表現使うくらいのわかりやすさがどんなものなのか体験したことないけど、きっと「うっ、わかりやすいっ!!(絶命)」って感じなんでしょう…わからないけど。。。とにかくわかりやすい・面白いと思ってもらえたのは死ぬほどうれしい(ブーメラン)

またもや難しい質問が来ました。政治と経済の役割の違いって何でしょう。少なくとも大学のとき政治については少し勉強したつもりですが経済についてはからっきしです。それでも記憶をたどってみるとミクロ経済学の入門でヒントになりそうなことを教わったのを思い当たりました。(T先生に感謝です。)

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政治と経済。
さっきの水路のたとえを使おう(実は結構経済学的にも使えるようにたとえてた)。

じゃあひとまず水路を引きましょう、となったとしても…

・どういうルートで?→最短距離・一番掘りやすい線で掘るのがいいよね、どう掘るのがいいかな…(効率性)

とかを考えるのが「経済」。(特にミクロ経済学で考えると)

・最短距離で掘ると○○さんの家を壊さなきゃじゃない?確かに水路作ればみんなの生活の質が上がるけど○○さんはめちゃ困るよね

じゃあ迂回しよう、○○さんにはみんなでお金を出し合って別の家を用意しよう(…水路でみんなが得られる価値をわけてあげる、再分配とも)(効率性と対比するなら「公平性」)
とかを考えるのが「政治」

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↑で言いたかったのはミクロ経済学・公共経済学でいうところの効率化原則と再分配政策のことです。なんだかかいつまみすぎてるような気がして誤解が生まれるかもなので。。お手柔らかに…

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まだまだ続く、ここまで書いてもやり取りの半分過ぎてないという驚き

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政治っていうより経済の話になってくるのが見えてきました…長くなるので分けることにして、次の記事で政治がどうやってニーズをくみ取るのかとも聞かれたのでかなり根っこに立ち戻ってパスタと街の安全の違い(私的財と公共財)の話や「投票」と「足による投票」の話をします。気が向いたら。

この記事を書くにあたっての養分となった本たち

この記事の補足は大学のとき読んだ本たちにお願いしたいと思います…省いてることが多すぎて怖い。。。(リンクはアフィじゃないです)

こちらは政治学の教科書。特に序章「『七人の侍』の政治学」や第2章「政治と経済」あたりがこの記事とは関係してますね。良い本。

ミクロ経済学入門の教科書でした。私みたいな数学弱者でも読めました。政治・政策を例にしてくれてるのでイメージが掴みやすかった印象。

Expresswayの詳しいバージョン。二つ合わせると鈍器みたいになるのでExpresswayだけでいいかもです。

これも鈍器。でも政治学・経済学を少しやった後なら難しくないです。この本でどうしてもわからないことは題名に「入門」ってついてることくらいでしょうか。